元旦ビューティ工業 従業員の不正行為 架空取引及び詐欺

元旦ビューティ工業株式会社は8/23、「当社元従業員による架空取引及び詐欺の疑いについて」を公表しました。調査委員会を設置する準備をしているということですが、第一報からこんなにストレートなタイトルで開示する企業も珍しいですね。

元旦ビューティ工業

元旦ビューティ工業は、大型建築向けを主力とする金属屋根を手掛ける建材メーカー。軽くて強い金属屋根の特性を活かし公共建築物をはじめ、一般住宅向けなどの製品の開発から製造、販売、施工までを一貫して行う企業です。

舩木板金工業(個人経営)からスタートしていて、現会長(おそらく創業者)のお名前が、舩木 元旦 さんなんですね。初めて知りました。

不正の概要

同社元従業員の個人的な金銭の借入先より、返済期日が過ぎても借金が返済されず、元従業員とも連絡が取れなくなったとの相談を同社の別の従業員が受け、本人に確認をしたところ借金の事実を認めたとのこと。

その後、元従業員は出社することもなく連絡が途絶えたため、同社は直ちに元従業員の自宅に赴き事実確認及び社内調査を行ったといいます。

その結果、2019年4月から2021年4月までの期間において、屋根工事下請会社と架空取引を行うとともに、総額約1,200万円近くの金額を個人的な借金の返済にあてていたという詐欺が疑われる事象が発覚したということです。

架空取引の実態や詐欺の内容について、弁護士を加えた調査委員会の設置準備を行っているようで、詳細な事実関係の確認と再発防止策の策定などを実施していくとしています。ちなみに、この従業員、8/21付けで懲戒解雇処分となっています。

エフオン(9514) 売電価格の不正操作?

エフオンは8/16、「一部報道について」を公表しました。同社が「バイオマス発電所の売電価格の決定に関して、外部の検査機関に提出する燃料のサンプルを改ざんし、売電価格を不正につり上げていた」などという報道は事実と異なり、同社が発表したものではないという内容です。

エフオン(EF-ONと書いてエフオンと読むらしい)

エフオンは木質バイオマス(廃材等を選別・破砕した木質チップ)をエネルギー源とした発電所の開発、建設および運営などを行うグリーンエナジー事業と、企業等の顧客設備の省エネルギー支援サービス事業を展開する東証一部上場企業です。

事の始まりはNHKのクローズアップ現代

NHKの番組「クローズアップ現代」において、売電価格の不正操作を複数の社員が内部告発したと放送されたのが事の始まりのよう。この時は社名は伏せられていたんですが、後に別のメディアの取材により、エフオンであることが分かった、、、という展開に。

同社の開示によれば、この件に関しては既に昨年7月に調査委員会を設置して調査済みであり、10月には報道されたような不正の事実は認められなかったという結果だったとしています。ただし、この調査委員会の設置や結果の報告等は、当時まったく開示されておらず、その信憑性については何とも。

8/16の開示はざっとこんなところなんですが、同社のホームページを見ると、8/14にも別の「一部報道について」が掲載されていて、こちらの内容は少々物騒な内容になっています。

「意図的に当社への誹謗中傷行為や攻撃的行為を繰り返すものに対して、当社は毅然として法的措置への対処や司法当局への相談を検討しております。」という記述が、8/16の開示では削除されてますね。

これまでの報道等を見ている限り、非常に違和感のある表現ですし、誰に対する威嚇なのか、と考えさせられてしまいます。かなり裏の事情があるのかも。

北弘電社(1734) 特別調査委員会を設置

株式会社 北弘電社は8/17、「特別調査委員会設置に関するお知らせ」を公表しました。その直前には、令和4年3月期第1四半期決算発表の延期を公表し、第1四半期報告書の提出期限延長に関する承認申請書を提出し、承認されています。

北弘電社(きたこうでんしゃと読みます)

北弘電社は北海道地盤の電気設備工事会社。ビル・建築物の電気設備工事を手掛ける屋内配線工事を主力に、送電線工事などを行う電力関連工事などを手掛けています。三菱電機が発行済み株式の26%を所有する、同社の持分法適用会社ですね。

太陽光発電所建設工事

太陽光発電所建設工事に関わる案件について、原価総額の見積を見直したところ、損失が発生することが見込まれることから、決算発表を延期し、特別調査委員会を設置して調査するといいます。

おそらく太陽光発電所建設工事の原価を他の案件に付け替えたり、先送りしていたりといったところでしょうか。過年度の決算内容も含めて精査するといいますからかなり長期にわたる行為のようです。しかしそれだけにしては特別調査委員会の設置、、、かなり重い対応ですよね。

電気設備工事業者で三菱電機の関連会社

現時点で公表されているのはこれくらい。当ブログで過去に取り上げたことのある日比谷総合設備。従業員が架空発注により同社に5億8000万円を支払わせていたという事件でした。他にもサンテックという企業でも業務上横領が発生していました。どうもこの電気設備工事業という業界では不正が多く、ガバナンスもゆるゆるというイメージが。

で、おまけに、不正・不祥事のデパート三菱電機の持分法適用会社となると、かなりマズい事件が出てきそうな予感がしますよね。

ラサ商事 社内調査委員会の調査報告書

連結子会社である旭テック株式会社の従業員が不適切な会計処理を行っていたラサ商事は8/17、「社内調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」を公表しました。4/9に委員会を設置して調査を開始しましたので、約4か月にわたる調査となりました。

調査結果の概要

同社連結子会社である旭テック株式会社の従業員が、自らの担当する特定の取引先との取引において、赤字工事の発覚を免れるために、工事番号を付け替えることにより売上及び売上原価を先送りするなど、不適切な会計処理をしていたというものです。

この不正行為、2008年から今年3月まで行われていたとのこと。同社が旭テックを子会社化する旨決定したのが2014年12月ですから、その前から行われていたということですね。

当該従業員が今年3月に突然消え、行方不明になっていましたよね。調査の結果、この従業員が一人で行った不正会計という結論でした。類似案件も1件見つかったようですが、これはそれほど大きなものではないようです。

発生原因

例によって業務の属人化や会計基準遵守の不徹底などがあげられていますが、最も大きな要因は「過度に業績と連動させた年俸制とノルマ達成の厳格化」だと思われます。

ノルマを達成した場合には、前年度の基本給から昇給するとともに粗利の3割が賞与となる一方、ノルマ未達の場合には、次年度の基本給が減額され、さらに、ノルマとの差額の3割を負債として負わせるという、極めて特殊な業績連動型の給与制度を採用していたそうです。

ラサ商事が子会社化した際に、この「3割」を「1割」に改定したそうですが、ノルマ未達で基本給が減額されるとかないでしょ。従業員は目標必達という非常に強いプレッシャーにさらされ、手段を選ばず目標を達成しようとする。恐怖経営の成れの果てですね。

ショーエイコーポレーション 第1四半期決算にみる不祥事のコスト

ショーエイコーポレーションは8/13、四半期報告書を公表しました。3月決算の会社ですので、第1四半期決算ですね。架空循環取引に関する外部調査委員会の調査を実施するなど、余計なコスト負荷もあり残念な決算内容となりました。

決算の概要

第1四半期においては、コロナ禍が続く中、厳しい決算になったようです。そこへ架空循環取引という不祥事が発覚し、様々なコストが積み上がってしまいます。こうした不祥事が発生すると、当然ですが、営業を筆頭に社全体の士気も低下し、大きな影響が出ているはずです。

こうした二次的な影響はともかく、外部調査委員会の設置や社内における調査関係部署における費用負担といった直接増加した費用についてみてみましょう。

四半期報告書

四半期報告書の記述を見てみます。

「利益面につきましては、売上原価の低減によって売上総利益は微増したものの、企業価値調査費用、不適切取引に関わる監査費用等による販管費の増加(前年同期比140百万円、18.3%増)により、営業利益は130百万円(前年同期比49.9%減)となった」とあります。

企業価値調査費用はそれほど大きな金額ではないと思われますので、社内における調査や監査、再発防止策の策定など、1億円内外のコストが増加したとみてよさそうです。

さらに、「外部調査委員会の費用を営業外費用に計上したことで経常利益は45百万円(前年同期比83.0%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は24百万円(前年同期比86.2%減)となりました。」とあります。

営業利益と経常利益の差額が9,500万円。前年同期とも比較してみて、ほぼこの全額が外部調査委員会絡みの出費と思われます。こちらは社外へのキャッシュアウトですね。

かなり雑な計算ですが、従業員の不正により、同社では2億円程度の損失が発生したことになります。最終利益が2億円程度の同社。この損失はデカいですね。