OKK株式会社 特別調査委員会の調査報告書を公表

過去の会計処理に誤りがある可能性を調査する過程で、役員による不適切な業務執行の可能性まで出てきて、有価証券報告書の提出も再延期していたOKK。9/17、「特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」を公表しました。

不適切な会計処理

実在性のない仕掛品の存在を認識しながら、棚卸資産の帳簿残高と実棚金額との差額を埋めるため、棚卸対象外資産である加工費等を水増しする等して、適切な費用処理を行わず、資産を過大計上していました。

さらに、この不適切な会計処理に関して、会計監査人からの追及を避けるため、会計監査人に対して提出する仕掛明細を改ざんしていたということです。この不適切な会計処理と改ざん行為を直接実行していたのは、企画管理課課長とその前任者、企画管理課員だそうです。つまり、経営幹部、取締役は関与していなかったという整理。

取締役の責任

直接行為に関与しなかったとはいえ、取締役の責任は問われます。報告書では上記2点に関する各取締役の責任について整理していますが、当時の代表取締役社長のみ、その執行が不適切な対応だったと書かれています。

既にこの方、8/13付で代表取締役が外れていて、取締役社長になられてますね。「今後、取締役社長の立場で、一部の特命事項のみを執行します。」だそうです。

はぁ、この方元銀行員ですか。メインバンクから天下り。OKKの事業のことは分からず、危機的状況を知ったものの、膿を出すという決断ができなかったんですかね。いや、銀行員トップを利用して、その他役員が上手く生き延びた、という線もあるかも。

株式会社EduLab 四半期報告書の提出期限再延長 新たな不正か

能力測定技術の研究開発とその成果であるテスト法の実践を通じて、英語その他の能力検査の試験開発、実施、分析、教育サービスの提供等を行う EduLab(エデュラボ)。過去の取引における経済合理性を調査していましたが、ここにきて新たな展開に。

四半期報告書の提出期限再延長

EduLabは9/16、「2021年9月期第3四半期報告書の提出期限の延長(再延長)に係る承認申請書提出に関するお知らせ」を公表しました。設置していた特別調査委員会による調査は順調に進んでいたといいますが、調査対象とは別件が浮かんできたと。

同社連結子会社と同社関連会社との間の一部取引に関して、売上の計上が実態を伴うものであるかについての懸念が検出されたといいます。あずさ監査法人から、「追加の調査が必要」という指摘を受けているようです。

このことを受け同社としては、現在運用中の特別調査委員会の調査対象範囲を拡大し、調査体制も拡充(調査委員を新規追加)。同追加調査についても全面的に協力することを決定したとのこと。

売上の計上が実態を伴うものであるか

またしても架空取引でしょうかね。詳細は不明ですが、連結子会社と関連会社との取引というのが引っ掛かりますね。架空取引の類は、通常は悪意を持った担当者と取引先の担当者との関係で行われるものです。

が、しかし、連結子会社と関連会社というケースだけに、両社に対して力を持つ人間が大きく関与しているような気がします。役員クラスが意図して行わせた取引。なんてことも想定しておいた方が良いかもしれません。

再延長が認められた場合の提出期限は10/15。その直前には調査結果が出てくると思われます。

関西電力 ちょっと考えさせられる不正行為

このところの不祥事連発企業五指に入ると思われる関西電力。9/14、「送電線に近接する樹木の保安伐採業務における不適切な処理の判明について」を公表しました。これまで見てきた不正行為と少し趣の違う、いろいろ考えさせられる不正行為のようです。

不正の概要

関西電力は法令(電気設備技術基準)に基づき、送電線と樹木の離隔を保持するため、樹木所有者(地権者)に承諾を得た上で、協力会社(関電の子会社)に伐採業務を委託するとともに、地権者に補償費を支払っているんだそうです。

公表資料を見ると、ここでいう送電線とは家庭に引き込まれる電線ではなく、山間部を巨大な鉄塔で結ぶ送電線のことのようですね。これに樹木が邪魔をするようだと、以前アメリカで起きたような大規模な山火事にもなりかねません。そうした樹木を伐採するための法令や社内基準があると。

そんな中で、地権者と保安伐採の交渉を行った際に、社内基準の補償額では地権者の承諾を得られなかったことから、実際には伐採していない樹木も含めた補償額を支払っていました。また、伐採を実施する委託先(株式会社かんでんエンジニアリング)には、伐採していない樹木を伐採したとの虚偽の報告をするよう指示し、過大な委託費を支払っていました。

社内基準

社内基準とはどういうものでしょう。その基準で支払われる補償額で地権者が納得しない場合はどうするのか。非常に公共性の高いインフラ整備であり、法令等で定めた金額で強制的に伐採ができるようになっていないのは不思議ですね。

社内基準の補償額ではイヤ。っていう地権者には社内の必要な手続きを経て割増金が出せるの?けど、それって地権者間で不公平になりますよね。まぁ、この事例は社内基準を超える支払い要求を、不正な手段でクリアしたわけで、不正行為ではあるんですが。

関西電力やその担当者たちには何もメリットのない不正行為でした。本来はこういう地権者に〇〇の対応をすべきでした、って説明がないと、どうにも腹落ちしない不正行為です。

所在不明株主とは 新東工業の開示より

新東工業株式会社は9/8、「所在不明株主の株式買取に関するお知らせ」を公表しました。同日開催の取締役会において、所在不明株主の所有株式を同社が自己株式として買い取ることを決議したというお知らせです。

所在不明株主

所在不明株主の所有株式を買い取るということですから、まぁなんとなく同社がやろうとしていることは伝わってきます。が、物事にはちゃんと定義があるはず。ということで調べてみました。

所在不明株主とは、株主名簿に記録された住所または通知先に宛てて発した通知、または催告が5年以上継続して到達せず、かつ、継続して5年以上配当金を受領していない株主のことだそうです。

所在不明株主の株式売却制度

株主の意思に関係なくその株式を売却するわけですから、これにもやはりルールがあります。まず最初に、取締役会で所在不明株主の株式の処理方法(売却(競売・市場価格による売却・自社による買取)・競売・発行者による買受け等)を決議します。

新東工業の場合は、今年5/12に当該決議をして、「所在不明株主の株式売却に関するお知らせ」を公表していますね。

その後、売却処理に異議があれば異議申述できる期間(3ヶ月以上)が設けられます。当該期間が終了したのち、異議がなければ、再度取締役会で株式売却(同社から見ると同株式の買い取りですね)を決議します。これが冒頭で紹介した9/8の決議になります。

約4ヶ月を経過していることが分かりますね。こうして新東工業では所在不明株主の株式約17,000株を自社で買い取る(9/9の東証終値で)ということになりました。ちなみに、売却されることに気付かなかった株主は、売却代金について、今後10年間は新東工業へ支払請求することができるそうです。

ビックカメラ ビック酒販 景品表示法に基づく措置命令について

消費者庁は9/3、「株式会社ビックカメラ及び株式会社ビック酒販に対する景品表示法に基づく措置命令について」を公表しました。対して、ビックカメラはTDnetでの開示は行ってませんね。同社ホームページでのお詫びのみです。

措置命令の概要

措置命令を受けたのは株式会社ビックカメラ及び株式会社ビック酒販です。ECサイト「ビックカメラ.com」、「お酒の専門店 ビック酒販」で景品表示法違反がありました。

ビックカメラ.comでは2017年11月20日から21年8月24日にかけて工具など177商品で、ビック酒販では2017年11月20日から21年4月1日にかけて酒類など25商品で、本来とは違う原産国を表記していました。

消費者庁は、①対象商品の原産国について一般消費者に誤認されるおそれがあるものであり、景品表示法に違反するものである旨を一般消費者に周知徹底すること。②再発防止策を講じて、これを役員及び従業員に周知徹底すること。③今後、同様の表示を行わないこと。を命令しています。

意図したものではなさそう

177商品と25商品。実際に原産国の違いを見てみましたが、商品をより良く見せて販売しようとしているような意図はなさそうですね。日本製の商品を台湾製としている商品がたくさんあります。中にはバカルディ スペリオール(ラムをベースにしたカクテルでプエルトリコ産)を産地京都府としていたり。めちゃくちゃです。

いつも書いてますが、一般消費者に周知しなさいという命令に対してはホームページでの公表でいいんでしょうが、こういうことが起きたということは、適時開示もして投資家や株主にも知らせるべきですよね。