バンダイナムコホールディングス 子会社従業員の不正行為

バンダイナムコホールディングスは11/24、「当社子会社勤務の元派遣社員による不正行為および被害届提出のお知らせ」を公表しました。同社子会社のバンダイナムコビジネスアークに勤務していた派遣社員による不正行為が発覚。同日付で警察に被害届を提出したということです。

バンダイナムコホールディングス

バンダイナムコホールディングスは、2005年に玩具、ゲーム開発、映像製作大手のバンダイとゲーム開発、アミューズメント(AM)施設運営大手のナムコが経営統合し誕生した企業。IP(知的財産)を最適なタイミングで最適な商品・サービスとして提供することでIP価値の最大化を図る「IP軸戦略」を進めています。もちろん東証プライム上場企業です。

不正の概要

不正の舞台となったのは子会社のバンダイナムコビジネスアーク(資本金1億円、100%子会社)という会社。今年6月に、外部からの情報等に基づき、商品の不正流出の疑いを調査。当該派遣社員が廃棄予定商品等の集積庫に不正に侵入して、廃棄予定商品を持ち出していることを発見したとのこと。

行為は2015年から2023年までの8年間に及んでおり、商品を外部業者等へ販売するなどの行為により、約8,700万円の利益を不正に得ていたということです。同社では民事上の責任のみならず、刑事上の責任も追及するとしています。

派遣社員が一人で出入り出来て、商品の持ち出しまで可能だったってのはどういう管理状況なんでしょうね。同社では年初にも似たような従業員の不正がありました。子会社管理から子会社における商品廃棄プロセスとその管理方法。見直すべきことは山積みです。

株式会社イメージワン 取締役の不正(その2) 新たな不正

株式会社イメージワンは11/21、「(開示事項の経過)第三者委員会に対する委嘱業務追加に関するお知らせ」を公表しました。10/16付けで第三者委員会を設置して調査を開始したイメージワンでしたが、調査開始1ヶ月で想定外の事案が持ち上がったようです。

おさらい

代表取締役社長及び1名の取締役が、同社子会社における新規事業参入にあたって、第三者に対して不正に金品を供与したと疑われる行為があったこと、及びこれに関連する不正な行為を行った疑いがある。という、取締役の不正について調査するとしていた件でしたね。

新たな不正の概要

そして今回新たに持ち上がったのが、同じ元代表取締役と元取締役による行為。同社の取引先に対する税務調査において、当該取引の目的物の実在性に関する重大な問題があったと。取引先に入った税務調査で、そのまた取引先(イメージワン元代表取締役が関係する2社)との取引で架空取引の疑義がでてきたということです。

ちなみに、イメージワンとしてはこれら2社との間に直接の取引関係はないとしています。役員がダミーの会社を使って悪さしてました、って構図ですかね。

現在設置中の第三者委員会も元代表取締役の不正を調査しているわけですから、追加でこちらの事案についても調査してもらいます。という開示です。ちなみにもう一人の取締役も噛んでるみたいです。非常に丁寧に対応・開示してるんですが、如何せん不正の内容が見えてきません。

株式会社ビケンテクノ 従業員の不正行為 マンション管理費等を着服

株式会社ビケンテクノは11/21、「当社元社員によるマンション管理組合財産着服疑念の発生について」を公表しました。管理費等の着服ってよくある話だとは思うけど、まさか上場企業の従業員がねぇ。同社株が万年割安なのはこういうことがあるから?

株式会社ビケンテクノ

株式会社ビケンテクノは、不動産管理・清掃会社として発足し、ビルメンテナンスが主力に成長した企業。近年はビル運営・経営に関わるプロパティマネジメント等を拡大。サニテーション、不動産売買・仲介、介護、フランチャイズ、ホテルなどへ多角化している東証スタンダード上場企業です。

不正の概要

管理業務を担当していた同社従業員が複数のマンションにおいて、管理組合の預金を不正な手段で引き出した疑念があるといいます。これらの不正発覚を防ぐため、管理組合会計に関する書類を改ざんしていたと思われるとのこと。

当該従業員が欠勤の後、連絡がとれない状態となったことから担当業務の調査を行ない、当該事案が発覚しました。対象となる管理組合は10組合を超えていて、着服金額については現在精査中としています。

社内調査委員会でしょうかね、金額を含めた詳細等や類似事案については、今後の調査委員会の調査結果を踏まえて公表するとのこと。開示では元従業員と説明されており、既にクビになってるようですが、今は連絡取れてるのか?生きてはいるんだろうか。

宝塚歌劇団 今度は第三者委員会?

日本経済新聞は11/20、「宝塚歌劇団、第三者委設置へ 音楽学校生徒に聞き取りも」と報じました。あらああら、今度は第三者委員会ですかぁ。11/14に調査報告書を出していたのは外部調査委員会でしたっけ?ジャニーズ事務所の件同様迷走し始めましたね。

最初の調査委員会

被害女性が新人公演のまとめ役を担い、長時間の活動に上級生の指導・叱責が重なった結果「強い心理的負荷」がかかったと結論付けた一方、女性個人へのいじめやハラスメントは「確認できなかった」とした調査結果。弁護団はこの結果を受け入れてないようですが。

加えて、その調査委員会を運営した弁護士事務所の弁護士が、宝塚の親会社の監査等委員を務めていたとか。アホやねぇ、一番気を付けなきゃいけないところなのに。メディアに突っ込まれてから、「当該弁護士を外して調査するよう依頼した」とか言っても、もう心象悪すぎです。

第三者委員会

報道で見る限り、最初の調査委員会の結果を前提に、今後の改善対応やらを検討してもらうという位置付けみたいですね。この一連の流れを弁護団が受け入れるとも思えませんが。

特殊な業界だからといった甘えは許されません。って流れが、あらゆる業界に及び始めたということでしょう。芸能事務所、劇団、さて次はどこの業界に飛び火するんでしょう。

日産化学 名古屋工場で火災事故

日産化学は11/17、「名古屋工場における火災事故について(第 2 報)」を、同社ホームページで公表しました。第1報は11/7に出ており、火災事故発生日は11/6だったようです。いずれの公表も同社ホームページでのみ行われているだけで、適時開示はされていません。

日産化学

日産化学はファインケミカル分野を主力とする中堅化学メーカー。半導体、液晶ディスプレイ向けの電子材料や、除草剤を主力とする農薬、医薬品などに展開している企業です。最近ちょこちょこ話題になる除草剤のランドアップも、日本モンサントから買収していて、今では同社製品。東証プライム上場企業です。

事故の概要

11/9の夕方、硫酸製造工場の電気集塵機から出火したとのこと。2時間弱で鎮火しており、人的被害はなし。物的被害も電気集塵機の一部を焼損した程度ということです。一時的に煤が、工場敷地外へ飛散したものの、排水等への影響は確認されておらず、近隣への大きな影響はないとしています。

決算発表と重なって

火災発生のタイミングよりは少し遅れてですが、同社株は大きく下落しています。11/10の決算発表を受けての大幅下落だと思われます。悪化している業績を公表する直前に発生した工場火災。できれば悪材料をこれ以上見せたくなかったのかな?だとしても、いつも書いてるけど、事故に関して適時開示はするべきだと思うよ。