西川ゴム工業 海外連結子会社における棚卸資産の不適切計上

西川ゴム工業は8/16、「当社連結子会社における棚卸資産の計算等に関する調査結果及び再発防止策の策定に関するお知らせ」を公表しました。メキシコの連結子会社において、棚卸資産の計算等に関して疑義のある事象が存することが判明したことを受け、社内調査を行っていました。

西川ゴム工業

西川ゴムは自動車のドア周りに装着する部品(ウェザーストリップ)を中核とするシール材メーカー。国内すべての自動車メーカーと取引実績を有し高いシェアを誇っています。海外売上高比率が5割を占める東証スタンダード上場企業です。ウェザーストリップとは、自動車の車内に侵入する風雨やホコリ、騒音を防ぐための部材です。

棚卸資産の過大計上

メキシコ子会社の 2021年 12 月期以降の棚卸資産について、1,352 百万円の残高の過大計上(2023 年 12 月末時点)があったことが判明したとのこと。ただ、調査の過程で不正の兆候は検出されておらず、誤謬による過大計上であると結論付けています。

原因は大きく4つ挙げられてるんですが、その中の一つに、「試算表と在庫明細の差異に係る手入力仕訳の査閲・承認が適切に行われていなかった」というのがあります。つまり、不適切に処理されていたということなんですが、総論としては「誤謬による過大計上」なんですね。

やはり、上場企業が開示等で「不適切」と表現する際は、実は「不正(行為)」を意味するということなんですね。「不正」は「不適切」に、「不適切」は「誤謬」に化けちゃいます。

ジーネクスト 代表取締役の解職(その3) 経営権をめぐる攻防

ジーネクストは8/16、「前代表による善管注意義務違反の疑いに関する調査・検討開始のお知らせ」を公表しました。 代表取締役社長が解職されるという事態となりましたが、その後前代表が巻き返しを図り、経営権を巡る攻防が続いているようです。

双方が臨時株主総会を開催

6月の定時株主総会はすったもんだで結局何も決まらず流会ということに。その後は会社側が支配権維持を目的としたとみられる第三者割当増資を決定。割当を受ける第三者が保有株式数を増やすことにより、前代表の持ち分が減少します。そのため前代表は不当な増資であるとして反発していましたが、裁判所でこれは認められず。

さらに元代表が9月に臨時株主総会を招集(取締役4名と監査役3名選任という株主提案:取締役として前代表も含む)することが決まると、今度は会社側も別途臨時株主総会を開催(取締役5名と監査役3名の選任という議案)することになりました。

会社側の反撃

そして8/16、会社側は、「当社株主開催による臨時株主総会に係る株主提案に対する当社取締役会の反対意見に関するお知らせ」と、「前代表による善管注意義務違反の疑いに関する調査・検討開始のお知らせ」を公表。

調査体制や方法については未定のようですが、当該調査により、前代表による「自らの利益の確保を優先する等の善管注意義務・忠実義務違反の疑い」を証明して見せ、全面対決に臨むという構図になってきました。いやぁ、どうなっていくんでしょう。

日立製作所 茨城県日立市の国分工場で火災事故

8月17日午後0時57分ごろ、茨城県日立市国分町の日立製作所国分工場にて火災が発生。変圧器組み立て建屋から出火し、鉄骨スレート建て工場(約2万9000平方メートル)のうち、鉄筋2階建て測定室約144平方メートルと変圧器約84平方メートルを全焼しました。

日立製作所

日立製作所は多種多様な業態のグループ企業を傘下に擁する、わが国最大の産業用エレクトロニクス企業。インフラビジネス全般に強みを持ち、長年培ったOT(制御・運用技術)、IT、高品質の製品を組み合わせたソリューションを提供する東証プライム上場企業です。日本を代表する企業ですね。

火災の概要

8月17日午後0時57分ごろ、変圧器組み立て建屋から出火し、約5時間後の同日午後6時2分に鎮火しました。別の棟にいた男性従業員(37)が工場内から黒煙が上がっているのを発見し、工場責任者が119番通報したということです。けが人はありませんでした。県警日立署で出火原因を調べているそう。

まぁ、普通の工場火災なんですが、不思議なのが、同工場が9~18日は夏休みで稼働していなかったというところ。稼働していない変圧器組み立て建屋から火が出たりするものなんでしょうか。日立からは何も公表されてませんが、やはり、放火の線も捨てきれませんね。

東急リバブル 従業員が2万5,406名の個人情報を持ち出し不正利用

東急リバブルは8/7、「弊社元従業員による個人情報の不正な持ち出しに関するご報告とお詫び」を公表しました。元従業員が退職、同業他社へ転職するにあたり、不動産登記簿に記載された情報をデータ化した社内資料を、不正に持ち出していたということです。

東急リバブル

東急リバブルは、東急や東急不動産などグループ各社をはじめとする不動産会社からの新築販売受託業や不動産仲介業を中心に、不動産ソリューション事業や自社ブランドによる分譲マンションの企画販売も行う企業。2013年に東急不動産ホールディングス株式会社の完全子会社となり上場廃止となっています。

不正の概要

元従業員が退職し、同業他社へ転職するにあたり、不動産登記簿に記載された情報をデータ化した社内資料を不正に持ち出し、その一部をダイレクトメールの送付に使用していました。

持ち出されたのは東京都港区所在の一部マンションの不動産登記簿に記載されている所有者の ①氏名②住所 ③所有のマンション名、部屋番号および所在地の情報(計 25,406 人) をリスト化したデータだそう。調査により、ダイレクトメールの送付以外に利用された事実がないことを確認しているといいます。

押収した元従業員のパソコンを調べただけみたいだけど、ここまで言い切れるものなのか。ここは少々疑問に感じます。ちなみに、kuniの自宅にも東急リバブルからのDMが届きます。住所や氏名など、この情報はどこから手に入れたのかな? おそらくこの業界では似たような事案がいくらでもあるんだと思います。

川崎重工業 国交省から指示を受けた認証不正に関する調査結果がまだ

国交省がダイハツ工業などで型式指定申請における不正行為が相次いだことを受け、自動車メーカーなどに対して内部調査を求めた件。トヨタ自動車などで新たな不正が発覚していました。指示を受けた対象の85社のうち、川崎重工(カワサキモータース)だけ調査結果が報告されてないみたいです。

川崎重工業

今さら同社の説明は不要だと思います。上記国交省の指示で調査することになったのは二輪車ですね。すでに結果を報告した同業では「騒音試験における不適正な試験条件での実施」なんてのが出てました。二輪の方が四輪より調査は楽そうに見えるんだけど、何かよろしくないことが出てきているのか。

不正のデパート化

川崎重工ではこれまでにも多くの不正が出てきました。ちょっと整理しておきましょう。
・ 2017年 川崎重工製の新幹線台車が規格に沿わない製造により亀裂が発生
・ 2022年 子会社の川重冷熱工業の空調システムに使う機械で検査成績の虚偽報告
・ 2024年 取引先との架空取引で裏金を捻出し海上自衛隊の潜水艦乗組員への金品供与

こんな感じで次から次へと不正が出てきています。まさに不正のデパート化。ここまで歴史ある企業でこれだけ広範囲に不正が広がっているわけですから、もうグループ全体で類似事案の徹底調査、するしかないのでは?