株式会社 アイ・テック(9964) 第三者調査委員会を設置 役員の不正行為

アイテックは7/26、「第三者調査委員会の設置に関するお知らせ」を公表しました。同社役員と従業員が取引先に対して外注費を過剰に支払わせ、当該取引先からキックバックを受けていた可能性があることが判明したとのこと。

株式会社 アイ・テック

アイ・テックは鋼材の販売・加工および鉄骨工事請負を主体とする鉄鋼専門商社です。メーカー機能を持つ商社として、国内各工場で製品の製造や各種加工なども行っています。このほか、運送業、倉庫業を手掛けています。

静岡県静岡市に本社を置く、従業員数509名のJASDAQ上場会社。会長と社長の姓が一緒なので、いわゆる同族企業ですかね。

役員の不正行為

またまた役員の不正行為です。「当社役員及び従業員が」とされていますので、従業員も巻き込んで、ということのようです。同日開催の取締役会で第三者調査委員会の設置を決議し、調査を進めていきます。

発覚の端緒は、同社取引先における法人税法違反の捜査だということで、捜査当局による調査にも全面的に協力していくとしています。

取引先にはJFEスチールとか、トピー工業とかあるみたいですね。こんなデカい企業相手のキックバックとかはないだろうけど。

この記事を書いている時点で同社の株価は非表示。ストップ安売り気配かと思いきや、ただ単に売り買い食い合わないだけのようでした。税務当局の捜査が発端ということで、それなりに大きな事件になるかもしれません。

オリンピック スケートボード競技で金メダル

東京五輪の新種目、スケートボード競技で堀米雄斗選手(XFLAG)が金メダルを獲得しました。快挙ですねぇ。高校卒業後に単身渡米。世界最高峰プロツアー「ストリートリーグ」を制し、世界選手権も制した有名な選手なんだそうです。

スケートボード

kuniには全くご縁のなかった競技。今回の五輪で初めて競技そのものを観戦しました。最初は何が面白いのか全く分かりませんでしたが、結構ハマってしまいました。同選手の活躍もあって、日本でも一気に人気化しそうな気配です。

kuniくらいの世代がこの競技に興味を持てた原因の一つは、競技を放送する際の映像技術によるところが大きいと思われます。なんとなく観てる分には、「何が凄いんだろう」って感じでしたが、高精細なスロー映像を見せられると、そこには選手のすごく高い技術が見て取れます。

そしてもう一つ今回の大きなポイントは、堀米選手の人柄です。スノーボードやスケートボードというと、ドレッドヘアにダブダブの腰パンみたいな、昭和世代にはやや受け入れがたい選手像をイメージしがちです。が、堀米選手って全くそういうのがなくて、いかにも好青年ですよね。これは昭和世代を引き付けますね。

XFLAG

堀米選手。米国では大谷翔平選手並みに知名度が高いんだとか。冒頭に書いたXFLAGというのは、堀米選手の所属だそうです。ゲームやスポーツの企画運営会社のようで、同選手のスポンサーというところでしょうか。

ちなみに、XFLAGは上場企業であるミクシィ(2121)の子会社だそう。スケートボード競技の人気化で、同社株の人気化も期待できるかもしれませんね。

昭和電線ホールディングス 検査不正(その2)

「当社グループ製品の品質試験に関する不整合の判明と特別調査委員会の設置について」を公表した昭和電線ホールディングス。この公表を読んでよく分からないままのことがありまして、、、前回は詳しく書けなかったので、(その2)です。

試験方法と計算方法

顧客との間で定められた「試験方法」ではなく、JIS規格に準拠した「計算方法」により合否を判定していたというところ。前回も少し触れましたが、製品の合否を試験するのではなく、計算によってのみ判定していたと読める部分です。

つまりもっと正直に書くと、顧客との間で定められた試験を実施することなく、一般的な規格に準じた計算のみで判定していたと。ん~、kuniの読み方が悪いのか。

是正時期と外部からの指摘

もう一つよく分からないのが、是正時期と外部からの指摘を受けた時期の問題です。「2021年2月に外部からの指摘を受けて行った当社の社内調査により判明いたしました。」と説明されています。

ところが一方で、「2018年9月に自主的に同社内で是正されており、同時期以降は、現在に至るまで適切に品質試験が行われている」というんですね。2018年に是正されているのに、なぜ2021年になって外部から指摘を受けたのか。ここしっくりこないというか、整合性を欠いています。

2021年2月に、3年以上前の検査不正について、外部から指摘を受けた。ということですかね。以上2カ所が腑に落ちないところでした。まぁ、特別調査委員会の調査結果を待て、ということなんですが。

曙ブレーキ工業 今度はインドネシア子会社で工場火災

全国の生産拠点6ヵ所のうち4ヵ所で検査不正が発覚し、品質管理の国際認証の一部が取り消された曙ブレーキ工業。今度はインドネシア共和国 ジャカルタの子会社で工場火災です。 自動車用ディスクブレーキのメッキ塗装ラインで7/21、発生したそうです。

火災の概要

火災が発生したのは、インドネシア子会社の曙ブレーキ・アストラ・インドネシアの工場です。発生から約5時間後に鎮火しました。火災当時、工場は稼働していなかったため、負傷者はいませんでした。物的被害状況については現在調査、確認を進めているといいます。

発生場所は、自動車用ディスクブレーキのメッキ塗装ライン。前日がイスラム教の祝日で休日だったため、火災当時、生産ラインは稼働していなかったとのこと。約400平方メートルが火災の影響を受けたものの、付近の住宅への延焼はなかったようです。

同工場では二輪車用ブレーキディスクなども生産していますが、少し離れたエリアにあり、また四輪車用ドラムブレーキは、工場内の別の建物で製造しているため、火災の直接被害は受けていないということです。

完成車メーカーへの影響

自動車用ブレーキの世界大手ですから、当然完成車メーカーへの影響も心配されるところですが、今のところ大きな影響はないのではとの感触のようです。日系自動車メーカーのコメントとして、「来週以降には通常の生産体制に戻るのではないか」との見通しが伝えられています。

半導体不足で減産を強いられたりした自動車メーカー。ここで主要パーツの供給が断たれると、痛いですよね。しかし、検査不正に続く工場火災。同社、やはりガバナンスが機能していないんでしょうか。

2021年版警察白書 サイバー犯罪摘発最多 9875件

警察庁は7/20、2021年版警察白書を公表しました。2020年のサイバー犯罪の検挙件数は9,875件となり、前年より356件(3.7%)増加。過去最多を更新したそうです。

サイバー犯罪の検挙件数

9,875件の内訳をみると、不正アクセス禁止法違反(609件)、コンピュータ・電磁的記録対象犯罪(563件)、児童買春・児童ポルノ禁止法違反(2,015件)、詐欺(1,297件)、著作権法違反(363件)、上記以外の罪種(5,028件)となっています。

コンピュータ・電磁的記録対象犯罪と詐欺が過去最高を記録し、前年に比べそれぞれ127件と320件の増加となっています。

イメージというか実感との差を感じる方も多いと思いますが、この数字はあくまで警察による検挙件数です。被害届があり、警察が捜査を実施し、検挙に至った件数ですね。企業等が不正アクセスを受けたとしても検挙に至らなければこの数字に反映されません。発生件数のデータってどこか持ってないんでしょうかね。

白書の特集

白書では被害が深刻化するランサムウエアを取り上げ、「世界的に問題となっている」と指摘しています。当ブログでも何度も取り上げました。最近では、鹿島建設の海外子会社、Colonial Pipeline、東芝テックの海外子会社、カプコンなどがありましたね。

これらの情報は警察白書の特集ページ、「サイバー空間の安全の確保」で掲載されており、この他にも、「東日本大震災から10年を迎えて」、「新型コロナウイルス感染症をめぐる警察の取組」、「クロスボウの規制に向けた警察の取組」という4つの特集が組まれています。警察庁のホームページで誰でも読めますよ。