リミックスポイント株でインサイダー取引

証券取引等監視委員会は12/17、「海外に居住する株式会社リミックスポイントの子会社との契約締結者の役職員による内部者取引に対する課徴金納付命令の勧告について」を公表しました。インサイダー情報を知りながらその公表前に売り抜けたという事件です。

リミックスポイント

リミックスポイントは業務用アプリケーション・ソフトウェアの開発でスタートし、法律改正や規制緩和で、社会に生ずる課題を事業を通して解決する事業を営みます。現在ではエネルギー関連、金融関連(暗号資産交換業)、自動車関連、感染症対策関連などを事業領域としています。

取引の概要

舞台となったのは子会社の株式会社ビットポイントジャパンです。同社の仮想通貨取引管理システムがハッキングを受けて、同社の管理する仮想通貨が不正に流出し損害が発生しました。その旨の重要事実を聞きつけた、取引先法人の役職員であり海外に居住する者によるインサイダー取引です。

令和元年7月12日の取引だそうです。行為者等に非居住者が絡むと調査も大変なんでしょうが、またずいぶんと時間がかかりましたね。

同日、重要事実が公表される3時間ほど前に、自己の計算において、リミックスポイント株式合計1万800株を、売付価額合計443万500円で売り付けたということです。この違法行為について、金融商品取引法に基づき算定される課徴金の額は、216万円とのこと。

監視委員会が公表した文書には、「本件については、台湾金融監督管理委員会から支援を受けている。」という記載がありますので、売り抜けた輩は台湾在住の人のようですね。なお、リミックスポイント社については、課徴金納付命令の対象者とはなっておらず、また嫌疑をかけられている事実もないということです。

ヤフーアプリで誤配信 ゲリラや特殊部隊による攻撃が発生しました

ヤフーの複数のアプリで12/22、誤配信が発生しました。誤配信の内容は「【政府発表】[配信テスト][dev]ゲリラや特殊部隊による攻撃が発生しました。」というもので、同社は誤配信を認め謝罪しました。って、これはシャレにならんやろ。

誤配信

この誤配信は、22日15時過ぎに発生したようです。対象となっていたアプリは「Yahoo!ニュース」、「Yahoo!防災速報」、「Yahoo! JAPAN」の3つとのこと。OSは明らかにしていないようですが、iOS、Androidどちらでもこの通知を受け取ったという報道がされてますね。

kuniのように東京に住んでいる分にはそれほどインパクトはないかもしれませんが、沖縄や日本海側など外国に向き合う場所にお住まいの方には、まさにシャレにならない内容です。

同社は「Yahoo!天気・災害」の公式アカウントで午後3時19分に「正式な情報ではない」と謝罪したようです。「Yahoo!ニュース」でも、トップに誤配信に関するおわびを掲載したようですが、翌日時点では同社のホームページ等でこの件に関する情報は見つかりません。

「テスト用のプッシュ通知が配信された」ということですが、原因については調査を進めているということです。

情報の内容

ヤフーでは今年9/9にも、「阿蘇山で噴火が発生(14時59分)」との災害情報を、誤ってプッシュ通知で配信したという事件を起こしています。これも現地の人にはシャレにならない誤配信。

「配信テスト」という表記はあるものの、テストに使うための内容に、これほど危機感をあおる情報が必要なんでしょうかね。万が一過って配信された場合も、受け取った人が間違いであることに容易に気付く内容にするべきでは?、と思うのですが。

日本M&Aセンターホールディングス 子会社で不適切会計 社内調査を開始

日本M&Aセンターホールディングスは12/20、「当社連結子会社の売上の期間帰属等に関する調査のお知らせ」を公表しました。同社の連結子会社である株式会社日本M&Aセンターの売上の期間帰属等に関して疑義のある事象が判明したということです。

日本M&Aセンターホールディングス

日本M&Aセンターホールディングスは、国内の中堅・中小企業のM&A(合併・買収)というニッチマーケットに特化し、M&A仲介や企業再編支援などを手掛ける企業。主力業務のM&A仲介では、地域の主要会計事務所を地域M&Aセンターとしてネットワーク化しています。東証1部上場企業で、2021年、持株会社体制へ移行しています。

不適切会計の概要

日本M&Aセンターでは四半期ごとに、同社が仲介者として担当する業務のM&A成約等に伴い売上認識をしていますが、社内での確認の結果、同社の社内報告において一部不適切な報告が発見されました。

現時点の同社での認識では、各四半期の売上計上の期間帰属等の、いわゆる期ずれを中心とする影響があるのではないかということです。この事案の事実関係解明のために、同日から外部専門家の協力のもとに、過去5年間の社内調査を実施することになりました。

同調査については、同社2022年3月期第3四半期決算短信の発表前(2022年1月28日予定)までに調査を終える考えだといいます。

株価の方は

この開示を受けて翌日の同社株価は327円安の2,698円と急落しています。翌22日も一時200円安まで売られており、「いわゆる期ずれ」程度のお話のわりに下げが大きくなっています。「誤った会計処理」にとどまらない問題も出てくるのかもしれませんね。

またまた、また、三菱電機 非常用発電機、停電時に発電できない?

三菱電機は12/20、「当社の一部のパッケージ型非常用発電設備の動作不良予防措置に関する件」を公表しました。またですかぁ。過去に製造した非常用発電機について、停電時に発電できなくなる恐れがあるとのこと。それ出来ないって、何のための設備なん?

不良品の概要

不良品の可能性があるのは非常用ディーゼル発電機の「PGシリーズ」(20年に生産終了)のうち、01年10月~10年9月に製造された985台と、14年9月~16年10月の309台だそうです。老人福祉施設や病院、商業施設等へ納品されているらしいです。

コネクター(スリップリング)の固定が不十分だったり、コンデンサーのプラスとマイナスを誤って取り付けたりしていたといいます。「コンデンサーのプラスとマイナスを誤って取り付けていた」って、ちょっともう呆れてしまいますね。

7/2に同社が設置した調査委員会の調査対象にするようですが、これだけたくさん不正や不良が出てきて、いったいいつまでかかるやら。委員会の委員の皆さんに同情してしまいます。

初期対応のまずさ

コネクター(スリップリング)の方は、2004年9月に不具合を認識し、これまでに41台で不具合を確認。コンデンサーのプラスとマイナスを誤って取り付けた件についても、2016年8月に不具合を認識し、これまでに同事象を13台確認しているとのこと。

それぞれ最初の不具合を発見して以降、報告があったもののみの修理にとどめていたようで、他社に導入した同型機への調査等(いわゆる横展開)を怠っていたということですね。なんともお粗末。非常用発電設備が非常時(停電時)に発電できないという、シャレにならない話でした。

レオン自動機 不適切経理で社内調査委員会設置

レオン自動機株式会社は12/17、「不適切経理に係る社内調査委員会の設置のお知らせ」を公表しました。同社の海外連結子会社において、不適切経理の存在が判明したことを受け、12/13に社内調査委員会を設置したということです。

レオン自動機

レオン自動機は栃木県宇都宮市に本社を置く食品製造機械メーカー。粘性や弾性物質の流動技術を核に、食品成形機である包あん機(中身を包み込む)、製パンライン(シート生地からパンを作る)などを展開しています。世界ではじめて包あん機を開発した、東証1部上場企業です。

同社の社名「レオン」は、レオロジー(流動学)に由来しているそう。レオロジーとは、粘性や弾性の流動を解明する科学で、そしてレオロジカル ・エンジニアリング(RE)とは、食品の口当たりや香りを秘めたデリケートな天然の「おいしさ」の源、「粘性」と「弾性」の条件を巧みに位置転換して成形する、食品の応用工学です。HPではこんな説明がされてました。

不適切経理の概要

今年11月下旬、海外連結子会社であるオレンジベーカリーの在庫残高に異常値を発見し、社内調査を実施したようです。その結果、期末在庫(製品及び材料)の過剰計上を行う不適切な会計処理が確認されたとのこと。

オレンジベーカリーは同社の最新機械を備えた実験工場。カリフォルニア州アーバインに本社を構え、アメリカに4工場があり、それぞれの工場で生産された食品は、全米のスーパーマーケット、レストランなどへ販売されています。同社の100%子会社ですね。

今回設置する社内調査委員会は、オブザーバーとして社外監査役が4名入ってますが、委員は純粋に社内の役員等ばかり。大丈夫ですかね。