まだ揉めてるのね 仕組債(仕組み債)

9/1付け日本経済新聞に、「金融庁、地銀系証券会社に警鐘 『仕組み債』個人販売巡り」という記事がありました。かれこれ5年近く金融の世界から離れていますが、まだ揉めてるんですね、仕組み債。5年前と何も変わってないわ。

金融庁

最近日経では「仕組み債」と表記してますね。kuniが現役時代は「仕組債」と表記していたような。確かに素人には読み難かったのかな?名称から分かりやすくするという動向でしょうか。

今回金融庁が警鐘を鳴らしているのは、グループに証券子会社を持っている地銀の販売する仕組み債だそうです。まぁ、実はこれも5年前から一緒。仕組債の原資産となる株式や指数などを知らない銀行員が販売しているわけですから、トラブルが多いのは当たり前です。

素人が販売するわけですからリスクの説明がしっかりできません。商品の良いところだけを知った顧客(高い利回りに目がくらんだ)は、リスクをより詳しく知りたがらないという傾向も強いです。

で、マーケットが予想に反して動いた場合に、「そんなことになるとは思わなかった」、「そんなことは聞いてない」というトラブルになります。地銀の場合、販売員が説明責任を果たしているかどうかをチェックする態勢が脆弱、というのも一因だと思われます。

本気なのかね

そういうトラブルが増えると、金融庁が今回のように警鐘を鳴らし、業者に対して聞き取り調査や検査を通じて指導を行います。ここ10年以上ずっとこれの繰り返し。何もしないわけにはいかないので警鐘は鳴らしているけど、金融庁も実際のところこんな繰り返しでトラブルがなくなるとは思ってないでしょうね。ポーズってやつですか。

AGC 塩酸流出事故

AGCは8/29、「当社鹿島工場における塩酸流出について」を公表しました。なんとも物騒な事故ですね。濃度35%の塩酸が約1,228トンも漏れ出してしまったという事故です。怖い、怖い。

AGC株式会社

AGCは昔の旭硝子ですね。2018年に旭硝子からAGC株式会社に社名を変更しています。建築用、自動車用板ガラスを中心としたガラス事業を主力とする企業で、フロート板ガラスの生産量、自動車用ガラスの販売量では、世界1位(同社調べ)の市場シェアを持っています。

事故の概要

同社鹿島工場(茨城県神栖市)において、貯蔵していた塩酸が漏洩し、その一部が海水に流出したということです。1,228トンってのは化学品製造工場の塩酸貯蔵タンクのうち1 基に貯蔵していた分のすべての塩酸だそうです。

工場作業員3名が喉の違和感を訴えたため病院で受診しましたが、処置不要との判断だったとのこと。人的被害がなくて良かったですね。環境への影響も、「工場敷地外に影響を与える可能性は極めて低い」ということです。

続くときは続くもので

そういえばどこかで濃硫酸が流出したって事故がありましたね。8/16に発生、1,900リットルの濃硫酸。浜松市の日本ケイカルって会社でした。この会社は非上場で、明星工業とニチアスの子会社。続くときは続くものですね。両社とも発生原因をまだ公表してませんが、貯蔵タンク等設備の老朽化とかが影響してるのかなぁ。

日本製鋼所 新たな検査不正が

今年5月、子会社である日本製鋼所M&E 株式会社において検査不正が発覚したことを公表していた日本製鋼所。8/31には、新たに火力発電所のボイラーなどで使われる鍛造鋼管でも不正があったことを公表しました。(5月に判明したのは、タービン・発電機用ローターシャフト、発電機用リテーニングリング)

特別調査委員会

前回の不正公表後、特別調査委員会を設置して調査を続けていましたが、8月上旬に同委員会による調査により新たな不正が把握され、その後同社及びM&E社にて製造記録等の社内調査を実施して事実であることを確認したということです。

対象商品は火力発電所向けボイラー用鍛造鋼管(2014年8月~2019年3月までに製造されたもの)。顧客と合意した仕様に基づき実施すべき試験を、顧客へ説明・承認を得ることなく省略していました。なお、この不正に起因する、製品の品質・性能に影響する具体的な問題は確認されていないということです。

日野自動車と違って

調査開始後2カ月が経過したところで新たな不正が見付かったわけで、経営陣等はがっかりしたでしょうね。しかし、先日の日野自動車のように、社内調査で見落とし、特別調査委員会でも見逃して、当局の検査で見付かる展開を思うと、調査期間中に判明したことは喜ばしいことです。

不正の一部が内部通報で発覚。その後社内調査で不正の概要を一定程度まで掘り下げ、特別調査委員会を設置。その調査委員会が調査の過程で新たな不正を発見。こう整理してみると、ここまでの展開は一応理想的な流れですね(あくまで不正発見から始まる事後対応の話ね)。日野の件があったし、委員会も気が抜けません。

島津製作所 子会社で不正行為

分析機器や医療機器を手掛ける島津製作所は8/25、子会社が医療用エックス線撮影装置の保守点検をめぐり、故障を装って修理を行っていた疑いがあることを公表しました。外部の専門家を交えて調査を進めるとしています。

かなり悪質な手口

不正が行われていたのは、医療機器の販売や保守業務を手掛ける子会社の島津メディカルシステムズという会社。エックス線撮影装置のサービスを提供する際に不適切な行為があった疑いがあるということですが、25日時点ではこれ以上は不明でした。

その後の報道によると、熊本営業所の幹部社員が、熊本県内の公立病院に納入した装置に、回路を遮断するタイマーを仕掛け、その後故障を装って部品を交換していたということです。

この病院に2009年に設置されたエックス線テレビシステム。幹部社員は17年9月、装置の点検時にタイマーを仕掛けたといいます。タイマーの設定時期がくると、同装置からエックス線が出なくなり、「エックス線管球」と呼ばれる主要部品を交換するという流れ。実際は故障していなかったにもかかわらず、病院は交換費用として約228万円を支払ったということです。

会社ぐるみか

島津製作所と島津メディカルシステムズは既にこの病院を訪れて謝罪し、概要を説明したということです。いろいろ不正を見てきましたが、納入した商品にタイマーを仕掛けて機能を停止させる、なんて手口は初めて見ましたね。

今のところ個人、もしくは営業所単位での不正であるとしており、不適切な行為の疑義は一部地域に限定されている。と、島津は言ってますが、当然信用なりません。さて、この不正どこまで広がっていくんでしょうね。

海水魚の陸上養殖

8/26付けの日本経済新聞に、「海水魚養殖 市街地で 東京海洋大、小型の浄化システム」という記事がありました。従来に比べて小型かつメンテナンスが容易なのが特徴で、場所を選ばず市街地のビルでも養殖が可能になるんだそうです。

市街地のビル

陸上養殖のネックになってきたのが、水槽の海水のメンテナンス(水替えなど)なんだそうです。これを解決したのが新たな水循環システムで、海水を外に排出しない、閉鎖循環式の装置。装置を支えるのが、東京海洋大学が特許を取得した「好気的脱窒」という技術だそう。

従来の技術(嫌気的脱窒)に比べ、装置は1/3ほどのサイズで済み、メンテナンスも簡単で専門的な技術も不要とのこと。難しい技術的な話はともかく、海の近くでなくても、プロの料理人が高評価する魚の養殖が可能となっています。

気候変動の影響等で海流や海水温の変化が発生し、これまで獲れていた魚が獲れなくなってきた、なんて時代ですし、海上での養殖は自然災害の影響も受けちゃいます。この陸上養殖の新技術、大いに活用して産業化してほしいものです。

地方でこそ

記事では街の真ん中の雑居ビルでも養殖出来ることに着目していましたが、地方にはほったらかしの地面がたっぷりありますよ。空き家問題どころではありません。廃屋問題です。人間よりも野良猫の方が多いんじゃない?kuniが今いるところはそんなところです。

いくらでもスペースありますので、陸上養殖にはもってこい。町興しの一環で誘致してみればどうかなと思います。まだ研究途上の魚種がほとんどだそうですが、これも時間の問題でしょう。陸上養殖、、、かなり期待しています。