株式会社タダノ 連結子会社で従業員が不正行為

株式会社タダノは10/21、「当社グループ会社の元従業員による不正行為について」を公表しました。不正が行われていたのは同社グループ会社の戸田機工商会(本社:香川県高松市)だそうです。完全に見落としていましたこの事件。っていうか、適時開示されてないんですけどね。

株式会社タダノ

タダノは建設用クレーン、車両搭載型クレーン、高所作業車の製造・販売を行う建設機械メーカー。部品、修理、中古車等も手掛けています。主力は建設用クレーンで、台数シェアは国内54%、世界20%を有するんだそうです。これって世界でもトップ級らしいです。連結ベースでは従業員4,600人という東証プライム市場上場企業です。

不正行為の概要

この従業員は2018年ごろから自身の立場を利用して、複数の取引先に対して不正にリベートを要求し、それを受領し、私的に流用していたということです。また、仕入れや売上を偽装して家電や生活関連商品を納入させ、自身で取り込むなどしていたことも判明しており、同社の損害総額は合わせて約14百万円と確認できているそうです。

同社員は既に10/11付で懲戒解雇処分になっていて、調査委員会等の設置もなさそう。被害金額については、回収を図るべく法的手続きを進めるとのこと。クビにしてハイお終い、ってパターンですね。ん~、これでいいんかねぇ。

冒頭書いたように、この事件の公表は同社のホームページだけで行われたものです。PDF1枚だけ。顧客や株主、投資家にとっては最も気付きにくい場所にこっそりと。この国を代表し、世界と戦うような立派な会社なんだから、もう少ししっかりとした報告があっていいのでは?

野村證券元社員 詐欺で逮捕

元本保証などをうたって違法に出資金を集めたとして、岡山県警は10/20までに、出資法違反などの容疑で、野村證券元社員の2人を逮捕しました。2人は顧客ら数十人から数億円を集めていたということです。無登録で金融商品取引業を営んでいました。

超セレブ投資家

逮捕されたうちの一人(35歳)の方は、2021年5月に全国放送されたテレビバラエティー番組で、40億円のプライベートジェットを所有する「超セレブ投資家」として紹介されていたんだそうです。さらに、有名女性アイドルグループの元メンバーと結婚して、東京都内の高級住宅街で一緒に暮らしていたんだそう。

ややこしいけど、前半部分の「超セレブ投資家」というのが真っ赤な嘘で、その嘘の力で元芸能人と出来ちゃっていたというのは本当らしい(どうでもいいか)。

顧客や知人ら少なくとも十数人に高利回りをうたう投資話を持ちかけて、数億円を不正に集めていたということです。よくある手口ですね。「あなただけ特別に高利回りの投資商品を」ってありえない話に、なんで皆こう簡単に騙されてしまうんでしょう。

N證券とN証券

元野村證券社員という報道になっていますが、同社を退職する前から(つまり社員として在籍しているときから)岡山支店で担当する複数の顧客らから不正に資金を集めていました。

そのため当然野村證券としての管理責任等も問われていくことになります。今のところ同社は、「警察に相談中の事案であり、詳細は答えられない」としています。しかしまぁ、イニシャル「N」の証券会社は両社とも、定期的に不正やら不祥事の話題を提供してくれますねぇ。昔から何も変わってません。

株式会社バリューゴルフ 連結子会社 産経旅行において不適切な取引

バリューゴルフは10/21、「当社連結子会社における不適切な取引に係る調査に関するお知らせ」を公表しました。同社の連結子会社である株式会社産経旅行において、不適切な取引が行われていたことが判明。取引内容の詳細及び影響額等の事実確認等を目的として、「外部調査チーム」を設置することを決定しています。

バリューゴルフ

バリューゴルフは、ゴルフ場の集客などを支援するゴルフ事業を中核に、自社顧客層とシナジーが発揮できるトラベル事業を手掛ける企業。1人でもゴルフをプレーする機会をインターネット経由で提供する「1人予約ランド」というサービスが主力です。東証グロース市場に上場している企業です。

産経旅行

2018年、トラベル事業を新たな事業の柱とするため、子会社化したのが株式会社産経旅行。この会社で不正が発覚しています。開示によると、産経旅行大阪支店の従業員が、架空の顧客及び取引先を用い、資金の不正取得を行っていたということです。

これらの取引により不正に取得された資金の額は、同社が産経旅行の株式を取得した2018年8月からの4年間で29百万円と見込んでいるといいます。子会社化して以降の調査結果のようですから、それ以前を含めると金額はさらに大きくなる可能性もありそうですね。

この不適切な取引の内容を調査し、明らかにするために弁護士をメンバーとする「外部調査チーム」を設置するということです。同社の顧問弁護士を務めている弁護士1名と、利害関係のない社外の弁護士・公認会計士1名の計2名という陣容。

調査期間も約1ヶ月を予定しているということですので、社内調査である程度全容は見えているのかもしれません。

株式会社オークファン 特別調査委員会を設置

オークファンは10/21、「特別調査委員会の設置及び2022年9月期決算発表の延期に関するお知らせ」を公表しました。同社の連結完全子会社である株式会社 SynaBiz(シナビズ)において、複数事業年度に渡って不適切な取引及び不適切な会計処理が行われていた疑念があることを認識したということです。

オークファン

オークファンは廃棄ロス削減のため企業の保有在庫を流動化させるトータルEC支援ソリューションを展開する企業です。在庫価値ソリューション事業と商品流通プラットフォーム事業が主な事業となっています。創業は2007年。元々はオークションの価格比較・相場検索サイトの運営事業を行っていた、デファクトスタンダードという会社だったみたい。

SynaBiz

SynaBizはオークファンの100%子会社で、WEBで卸売り・仕入れマーケットプラットフォームを運営したり、余剰在庫、返品商品の再流通事業などを手掛けている企業です。WEB上で買い手と売り手を結び付けて商売。実際のブツは同社を経由しないとなれば、架空取引なんかにはうってつけのビジネススタイルですね。

不正の概要

外部機関による今年7月から現在に至るまでのヒアリング調査に対応する過程で発覚したようです。「2022年9月期を含む複数事業年度に渡って、その実在性に疑念がある商品販売委託取引、その他の不適切な商品取引及び不適切な会計処理が行われていた疑念があることを認識した」とのこと。

この表現だと架空取引はまず確定って感じですね。まだまだいろいろ出てきそうな感じ。さらに、「本件に関与した人数並びに役員の関与については、現時点で確認できていない」、と、わざわざ付け加えているところも気になります。組織的に行われてきたことを匂わせます。

オカムラ 冷凍・冷蔵ショーケースの工場を新設

日本経済新聞は10/20、「オカムラ、長野にショーケース工場 100億円投資」と報じました。食品などの陳列に使われる冷凍・冷蔵ショーケースの工場を長野県須坂市に設けるということです。投資額は100億円程度とみられるとのことで、2024年11月の稼働を予定しているそうです。

オカムラ

いまさらですがオカムラは、オフィス家具業界のリーディングカンパニーです。子供のころは学習机や椅子でお世話になり、社会人になってからはオフィスのデスクや椅子、キャビネットなんかでお世話になってきました。いやぁ、あのオカムラが冷凍・冷蔵ショーケースなんか作るとは。冷凍食品革命で同社も進出か。

などと思いまして調べてみると、実は冷凍・冷蔵ショーケース、1972年から製造してきてるんですね。静岡県内の事業所で生産していたが、生産が追いつかない状況となってきたということらしいです。まったく知りませんでした。業界でのシェア等は分かりません。おそらく、ホシザキやフクシマガリレイ、大和冷機工業、中野冷機あたりがこの業界の大手だと思われます。

セグメント別の売上

同社の前期の売上を見てみました。セグメント別の状況では、オフィス環境事業で約1,400億円。対して、商環境事業(店舗什器、カート機器、セキュリティ製品、冷凍・冷蔵ショーケース)では1,000億円となっています。結構立派な売上ですよね。もちろん冷凍・冷蔵ショーケースだけの売上ではありませんが。

オフィス家具の会社というイメージしかありませんでしたので、冷凍・冷蔵ショーケース以外の店舗什器にしても驚きでした。さらに、オカムラは物流システム事業も手掛けており、同社製品の開発から製造、販売、物流、施工、保守点検、廃棄にいたるまで一貫した品質保証体制を構築しているんだそうです。良い会社ですねぇ。