大阪急性期・総合医療センター サイバー攻撃

大阪府立病院機構が運営する大阪急性期・総合医療センター(大阪市住吉区)で10/31午前に、電子カルテを管理するシステムに大規模な障害が発生し、同センターは緊急以外の手術や外来診療などを停止したと発表しました。またしてもサイバー攻撃です。

攻撃の概要

同日夜の記者会見では、「ランサムウエア(身代金要求型ウイルス)によるサイバー攻撃を受けたとみられる」と公表しています。サーバー機器の画面上に、英語で暗号資産(仮想通貨)ビットコインを要求する文言が表示されたということです。復旧のめどは立っておらず、翌日も診療の全面再開は難しいと説明していました。

徳島県 半田病院でも

2021年10月末には、徳島県つるぎ町の町立半田病院でも同様に、電子カルテを管理するサーバーが狙われました。やはりランサムウエアで、暗号化したデータを復元する代わりに身代金を要求されていましたね。同病院では身代金は払わず、約2か月かけてサーバーを復旧させています。

大阪のケースも

大半の診療が停止したままの大阪急性期・総合医療センターは11/7記者会見し、「センターに給食を納入している業者のシステムからウイルスが侵入した可能性が高い」と公表。電子カルテなどのシステム完全復旧は2023年1月になるとしています。

やはり同センターも2か月以上の期間を要すると想定しているようです。他人事じゃないですよ。全国の医療機関の皆さん。完全に防ぐことは困難ではありますが、いざという時のための備えは十分ですか?

三井住友 SMBC日興証券、合計22人を一斉処分

日本経済新聞は11/5、「三井住友とSMBC日興、トップら22人一斉処分」と報じました。金融庁から相場操縦と銀証の情報共有規制違反で一部業務停止命令などを受けたSMBC日興証券でしたが、グループ全体で合計22人を一斉処分するということになりました。

相場操縦

以前、当ブログでも取り上げましたが、最も大きな法令違反は相場操縦でした。SMBC日興、当初は違反性を巡って当局と全面的に戦うかのような姿勢でしたが、とうとう全面降伏となりました。「誰が見てもこれおかしいよね」っていう感じでしたけどね。

銀証の情報共有規制違反

さらに、銀行から証券に顧客を紹介する際に遵守しなければならない法も守っていませんでした。顧客の同意を得ることなく、銀証間で顧客に関する情報を共有していたというもの。これもまたちょっと信じられないような法令違反です。銀行系証券では最も重視すべき法令ですからね。

そして証券、銀行、持ち株会社すべてで

そのため、グループすべての会社から処分者が出るという事態になってしまいました。証券には銀行から沢山人がやってくる。経営に近いポストほど銀行員が増え続け、証券の業務が分からない。しょうがないので外資系証券などからあぶれた、実務に明るく、馬力のある人をどんどん採用する。

こんなふうに組織が壊れていき、コンプラお構いなしの会社ができるんですね。銀行系証券会社では、どこも似たような現象、起きてるだろうなぁ。

レオパレス21 新潮社を提訴

レオパレス21は11/2、「訴訟の提起に関するお知らせ」を公表しました。先日当ブログでも取り上げた、入居率の嵩増しや改ざんを行い、同社の収益等を意図的に操作しているかのような報道に対するもので、東京地方裁判所へ訴訟を提起しています。今回はレオパレス側も引かない様子ですね。

レオパレスの主張

10/20発行の週刊新潮の記事に対し、「これらの記事の内容はいずれも虚偽であり、事実と異なっている」としています。「当社の社会的信用を低下させる虚偽内容を広く社会に流布させたことは、当社に対する明らかな名誉棄損行為であり、株式会社新潮社が不法行為責任を負うことは明白である」という主張。

さらに、「これらの記事はS氏が主導して作成されたものであることが強く推認され、少なくとも同氏からの情報提供に依拠し、かつ虚偽の内容を語る同氏の発言がそのまま引用されていることから、同氏が深く関与しているものであることは間違いない」とも。

で、このS氏に対しても名誉棄損行為の主体としての不法行為責任を問うということです。新潮社に対し謝罪広告の掲載を求めるほか、被告両名に対し損害賠償金の支払を求めるそうです。

ほおぉ、今回はマジで本気モードですね。ここまで叩かれてきた同社ですし、よほどの根拠がない限りここまでの姿勢は取れないと思われます。ちなみに、ここに登場するS氏、2006年にレオパレス21を退任した元取締役なんですね。現在は株式会社ミューズの代表取締役だそうです。

これまでの不祥事が報道を受けてどう展開していくのか、今後の情報を見守るしかなさそうです。

名古屋大学教授が1,100万円不正受給 出張旅費など架空請求

名古屋大学は10/31、「公的研究費等の不適切な会計処理について」を公表しました。旅費の架空請求、過大請求及び還流行為が認められたということです。ずいぶんと工夫した表現になっていますが、要するに名古屋大学教授1人による公費の不正受給・私的流用なわけです。

名古屋大学

名古屋大学は旧帝国大学だった国立大学ですね。kuniが持っているイメージでは東京大学、京都大学、大阪大学に続くレベルの感じ。偏差値とかみると最近ではではもう少し下がってきてるみたいだけど。

不正の概要

昨年3月、同大学の通報窓口に研究費を不正使用しているとの通報があったことで発覚。調査委員会を設置して調査を行っています。その結果、平成26年から令和2年までの間で、未来材料・システム研究所の教授(56歳)が架空の出張旅費を請求するなどして、国や大学の研究費など1,131万円を不正に受け取り私的に流用していました。

自家用車で移動したのに新幹線代を請求したり、学生の出張同行を装ったりした事例など、合計292件の不正があったとのこと。同教授は不正を認めており、既に全額が返還されているそうです。

バカなことを

先日テレビで高収入の職種として大学教授が紹介されていました。それによると大学教授は、医者、パイロットに次ぐ第3位。平均で年収1,100万円くらいだったと思います。なんとバカなことをやってるんでしょうね。1年間で稼げる程度のお金を、一生を犠牲にしてしまうような不正で・・・。在学中の学生はもちろん、卒業生も気の毒です。

ROXX(ロックス) 転職希望者の前職調査 リファレンスチェック

11/2付けの日本経済新聞に、「ロックス、コンプラ違反を点検 転職希望者SNS言動も」という記事がありました。転職希望者の前職調査(リファレンスチェック)を手掛けるROXX(ロックス)が第三者割当増資で約10億円を調達したという記事です。

リファレンスチェック

企業、会社が採用をしようとする応募者の、以前の勤務先の「同僚」や「上司」に、応募者の「人柄」「経歴」などを問い合わせすることを「リファレンスチェック」って言うんですね。外資系企業では以前から行なわれているリファレンスチェックですが、近年日系企業でも行なわれる機会が増えてきているんだそう。

リファレンスされる内容は様々らしいのですが、一般的には、在職時の仕事内容や成果、勤務態度、退職理由などを確認されることが多いということです。前職で見に付けた経験やスキルは自社に持ち込んでほしいけど、経営に関わる秘密情報を持ち込まれたりすると大変です。回転寿司でも最近起きましたね。前職から持ち出した不正なんだけど、持ち込んだ先が徹底的に叩かれます。

どこまで広がるのか

リファレンスチェックは欧米で先行して根付いているらしく、日本でも同様に活用が広がるとみられているとのこと。転職が当たり前の時代が来れば、当然のニーズでしょう。転職希望者の同意を得たうえで、複数の調査会社と連携し、犯罪歴や反社会勢力との関わりなどをチェック。SNS(交流サイト)での言動も調べるようです。

しかし、これって、難しそうですね。どこまでやっていいモノかどうか。転職希望者の同意を得るということですから、同意が得られない(=データがない)転職希望者を採用する企業がなくなるということになりそうです。昔はこそこそやってた情報共有。どこまでビジネスになるんでしょうか。