江崎グリコ 子会社 千葉県の工場で排水データ書き換え

江崎グリコは3/7、「当社生産子会社の千葉工場での水質分析データの書き換え報告について」を公表しました。少なくとも約3年半にわたって、工場排水の水質データを規制値を下回るように書き換え、千葉県に虚偽報告していたということです。

江崎グリコ

江崎グリコは、「ビスコ」、「ポッキー」など多くのロングセラー商品を持つ大手菓子メーカー。菓子、冷菓のほかに、レトルトカレーなどの食品、乳製品なども展開しており、中国やタイをはじめとする海外にも進出している東証プライム市場上場企業です。説明するまでもないか。

不正の概要

生産子会社のグリコマニュファクチャリングジャパンの千葉工場(千葉県野田市)で、少なくとも約3年半にわたって工場排水の水質データを規制値を下回るように書き換えていたといいます。最大で規制値の約3倍の窒素などを含んだまま排水していました。窒素やリンはプランクトンの養分となって水質汚染につながるんだそうです。

2017年に工場を立ち上げた際、県の立ち入り検査を受け、窒素やリンの総量規制値を上回っているという指摘を受けていたそうです。18年に装置を導入しましたが、19年に生産する製品が変更され、装置が十分に機能しなくなったにもかかわらず、適切な対応をとっていませんでした。

例によって

同社はこの件について適時開示をしていません。ホームページで公表しただけ。そして、担当者(従業員)が工場長や上長への報告、連絡、相談も適切に実施せず、単独で犯した不正であると整理し、そのため同社として発見ができなかったとしています。

すべて社内調査で終わらせてしまっており、上長や役員等の関与についても不問。どうやら今回の公表をもって同社の対応はお終いのようです。コレ、従業員一人の責任にして終わらせてしまって良い事案なんだろうか。

アイ・アールジャパン 第三者委員会の調査結果を公表

アイ・アールジャパンは3/7、「第三者委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」を公表しました。IRジャパンの副社長が投資会社に対して東京機械買収の提案を行い、その後に東京機械の買収防衛のアドバイザーを請け負っていたという事案でした。この時のフィーは5億円だったとか。

調査結果

報告書では、IRジャパンの経営陣にはこの利益相反(マッチポンプ)の意図は認められなかったとしています。副社長の暴走を把握できていなかったとの結論です。この方特別な存在だったようですが、まぁ、副社長の行動を把握、管理できていなかった時点でもうアウトですね。

報告書でも、「会社を代表する肩書きを与えておきながら、監査監督を適切にすることなく、単独での営業活動を許容していた」とし、「IRJの利益相反管理体制の問題点もあってこのような事態を招いたものであり、まさに起きるべくして起きた事案である」と指摘しています。

とんでもない事件

利益相反の意図はともかく、客観的にはIRジャパンの一連の行為により、マッチポンプと見られる外形が作られたわけで、間違いなく顧客の期待を完璧に裏切ってきたわけです。利益相反というと法律が定めることに違反したというドライな見え方ですが、このケースはもっと重大なことと考えるべきだと思います。

この事案のような敵対的な買収においては、当事者間の利害が激しく対立します。たとえは悪いかもしれませんが、セキュリティ会社が泥棒に、顧客宅のセキュリティの甘いドアを教えるようなもんです。この事件は単なる利益相反取引ではなく、とんでもない事件なんです。と、kuniは考えますが、みなさんはどう?

ビジョナリーホールディングス 第三者委員会を設置 決算発表も延期

ビジョナリーホールディングスは3/7、「第三者委員会の設置及び 2023年4月期第3四半期決算発表の延期に関するお知らせ」を公表しました。どうやら同社代表取締役社長(同日付で代表取締役および取締役の辞任も発表されてます)による不正が発覚したようです。

ビジョナリーホールディングス

ビジョナリーホールディングスは「メガネスーパー」を主力ブランドに、直営店方式で眼鏡・コンタクトレンズの小売チェーンを全国に展開する企業。主に高付加価値・高単価の眼鏡を志向するミドル・シニア層をターゲット顧客に事業を推進する東証スタンダード市場上場企業です。株価は200円割れとなっており、既にヤバそうな感じの会社です。

不正の概要

2022年12月下旬に、代表取締役社長による同社企業価値を毀損する行為の疑いに関する情報提供を得たことから、監査等委員が選定した外部専門家に調査作業を委託して調査を進めてきたということです。内部通報でしょうか。

この調査により、同社の業務委託先その他取引先が、代表取締役社長の実質的影響力の下に経営されている、または同社取締役・執行役員の一部が出資している会社である可能性、および同社グループの利益に反する可能性のある行為が認識されるに至ったとしています。

取締役の利益相反取引

開示されているのはここまでです。どうやら取締役による同社との利益相反取引が発見されたということのようですね。会社法は、「会社の業務を執行する取締役が、会社の利益を犠牲にして取締役自身や第三者の利益を図ること」を禁止しています。これをやってしまっていたと。

「別の取締役や執行役員の一部」という表現も気になりますね。代表取締役社長以外でも不正が出てくる可能性がありそうです。

インサイダー容疑 ポラリス・キャピタル・グループ元社員を告発

証券取引等監視委員会は3/3、「総合メディカルホールディングス株式会社株券及び株式会社スペースバリューホールディングス株券に係る内部者取引事件の告発について」を公表しました。過去に例のなかった、プライベートエクイティ(PE)ファンドの社員によるインサイダー取引です。

ポラリス・キャピタル・グループ

告発されたのはポラリス・キャピタル・グループの社員。ポラリス・キャピタル・グループは2004年にみずほ証券と興銀第一ライフ・アセットマネジメント(現アセットマネジメントOne)出資で設立されたプライベート・エクイティファンド運営会社です。出ましたね、みずほグループさんです。

総合メディカルホールディングス株を巡り

2020年1~2月、ポラリスが調剤薬局運営の総合メディカルホールディングス(上場廃止)株に対してTOBを実施するとした未公表情報を入手した上で、同社株2,000株を約420万円で買い付けた疑いがもたれています。TOB価格から推察して、20%程度は儲けてそうです。

スペースバリューホールディングス株を巡り

2021年11月には、駐車場事業を手掛けるスペースバリューホールディングス(同)株へのTOBに関する未公表情報を基に、同社株2万7,000株を約2,390万円で購入した疑いがもたれています。こちらもTOB価格からみて約20%は儲かってますね。

アホな奴です。こんな仕事に就いていたら真っ先に疑われるの分からんのでしょうかね。2銘柄のインサイダー取引で数百万円儲かったのと引き換えに、この人の人生は終わりました。インサイダー取引は必ず見つかるのです。

ちなみに、スペースバリューホールディングス株について監視委員会は、「東京証券取引所等において買い付け」と記しています。取引所以外(PTSなど)での取得もお縄になるということです。

東京衡機 第三者委員会の調査結果を公表

昨年末に不正取引について開示した東京衡機は3/3、「第三者委員会の調査報告書の受領および当社の対応等に関するお知らせ」を公表しました。調査結果を受けて、遅れていた2023年2月期第3四半期報告書を提出期限までに提出できることになったようです。

調査結果

調査結果はまぁ、よく分からない内容です。「商事取引の一部について実質金融取引であると認められる」とか、「不自然な資金の循環が認められた」などと指摘。ただ一方で「商品の実在性の有無等を確認することは困難だった」などと、どうもはっきりしません。

他にも、「仕入先と販売先の間で取引商品や金額・決済条件等がおおむね決定されている取引であって、目的物の引渡し等に対する関与の程度が小さく、代金の立替払いをすることを主な役割として手数料を得る取引(介入取引)」なんかも出てきますね。

同社のカルチャー

報告書では、2017年に発覚した役員の不正に関する調査と、その改善対応にも言及していました。当時、内部統制室の人的リソースや専門性強化への取組みを掲げ、取り組んでいたものの、わずか1年でその改善対応に係る態勢があちこちで骨抜き状態になっていたといいます。

さらに、「現在でも本質的な改善には至っていない」、「内部統制の改善に向けて積極的な対応がされていたとは認められず、十分に機能していたとは言い難い」とバッサリ。改善策や再発防止策って、こんなふうに時間とともに壊れていってしまうものなんです(1年で、ってのは早すぎだけど)。これって、同社だけの問題じゃないですよ。