日本電産 ダイヤモンド社を提訴(その2)

1/25の日本電産株、業績の悪化(ダイヤモンド社の提訴も影響あったか)を受けて、7,145円(406円安)と売られました。実際のところもっと下がるかと思っていましたが、上限500万株(約350億円)の自社株買いの発表が下支えしましたかね。

会見の内容

直接会見を見たわけではないんですが、「外部から来られた方が好き放題の経営をして、負の遺産を作った」などと発言されたようですね。この発言はちょっとショックでした。業績が悪化した理由を前社長の負の遺産とか言うのはいかがなものか。そもそも外部の人材を探してきて、決めたのは永守会長自身じゃなかったの、って感じです。

まぁ、こんなふうに辛辣なことをストレートに話されつつ、従来はちゃんと最後には「さすが永守氏」と評価されてきたんですけどね。さてさて、今回はどうなるんでしょう。

なんで指名委員会を?

日本電産は昨年11月、指名委員会を設置し、今後の後継者選び等を委員会に任せる選択をしました。この時ばかりは、永守氏としても「何を決めるにしても自分が、自分が」という考え方を改められ、少し自身の立ち位置を後退させるのかと思ったものですが。

そんなふうに考えていくと、次は自身の影響力の及ばないトップ(経営陣)になるわけだから、今のうちに何もかもやり切ろうというふうに考えられたのかもしれませんね。ただ、会見の内容とかをみると、そのお考えが焦りとなってしまってて、聞いた人間をヤな気分にさせてしまってます。

世間の人間がどう感じるかはいいとして、同社の役職員の皆さんは会見をどう感じられたんでしょう。「会長に評価されなければ、公の場であろうとこき下ろされる」。ここだけグサリと刺さっていないでしょうか。ワンマン経営者、良くも悪くも・・・。

日本電産 ダイヤモンド社を提訴

日本電産は1/24、「ダイヤモンド社への民事訴訟提起および告訴状提出に関するお知らせ」を公表しました。この日、一緒に2023年3月期 第3四半期決算を発表してるんですが、この内容が酷いことになってます。こんな決算と一緒に提訴の話出しちゃったもんだから、、、見栄えが。

提訴の概要

「ダイヤモンドオンライン及び週刊ダイヤモンド 2023 年1月 7・14 日号において、当社の会長が服従しない役員を次々と解任し、前社長の事実上解任の影響で外部人材がほとんど会社を去り、人材が枯渇している等との報道がございましたが、一切事実ではございません。」

これ全文引用ですが、このことをもって、「確たる証拠がないまま、そのような虚偽の事実を報道することで当社の名誉を棄損しており、当社としては到底容認することができません。当社としては、真実を明らかにするためにも、民事訴訟を提起するとともに刑事告訴を行うことといたしました。」

だそうです。ダイヤモンドに限らず、様々なメディアが上記のような報道をしていましたし、「自社株買いで永森会長自身が自社株買いの条件を事細かに指示していたのでは」、なんて話題もありました。この報道はたしか東洋経済でしたね。

さて、どうなるんでしょう

「一切事実ではない」のかどうか、今後法廷で明らかにされていくんでしょうが、SNSなんかの反応を見ると、ダイヤモンド社を支持する人が多いような。もちろん、kuniがフォローしてる人たちは、というだけですが。永守氏がトップに復帰後の決算が悪かっただけに、説得力に欠けるというか・・・。日本電産、なんだかおかしくなっていってるような気がします。kuniだけですかね。

磁気冷却エアコン ダイキン工業が2030年めどに実用化へ

空調機器大手のダイキン工業は、産業技術総合研究所と共同で、2030年をめどに、磁石の力で温度を変化させる「磁気冷却効果」を活用した、次世代エアコンの実用化を目指す方針を明らかにしたそうです。これ、読売新聞の記事みたいです。

磁気冷却エアコン

また聞いたことのない技術が出てきましたね。「磁気冷却効果」を活用するんだそうです。磁気冷却は、磁気を加えると熱を持ち、磁気を取り除くと冷える特性を持つ金属素材「磁性体」を用いる技術だそう。磁石を近づけたり、離したりして温度を変化させ、水に伝えて冷暖房に使います。

ネットでいろいろ調べてみましたが、これ以上の説明はできなさそうです。「磁気ヒートポンプシステムの構成」なる解説図も見付けましたが、、、。見る人が見ればわかるんでしょうが、kuniにはほとんど理解できませんでした。

性能は向上するらしい

二酸化炭素(CO2)を上回る温室効果がある冷媒(現在使用されてるのは代替フロン)を使わず、消費電力も2割程度減らせるんだそうです。技術的にも確立しているようで、中国のハイアールがすでにワインクーラーで実用化しているみたいな話も。

にもかかわらず、実用化が7年後となっている辺り、やはりコストの問題なんでしょうね。消費電力が少なく、圧縮機が必要ないため振動や騒音も抑えられるというこの技術、電力を消費されると走行距離などの性能が損なわれてしまうEV(電気自動車)などで特に期待されてる技術らしいです。

難しいことは何一つ説明できませんでしたが、近い将来実現しそうな「磁気冷却エアコン」。この際、言葉だけでも覚えておきたいですね。

昭和電線ホールディングス 検査不正の追加報告?

昭和電線ホールディングスは1/20、「当社グループ製品の不適切な品質管理に関する調査結果の報告について」を公表しました。2021年10月末に調査結果の報告を終えていた子会社の昭和電線ケーブルシステムにおける検査不正。あれから1年2ヶ月も経って追加の報告です。

おさらい

2021年7月、子会社の昭和電線ケーブルシステムにおいて検査不正が発覚。特別調査委員会を設置し調査を行い、3ヶ月後には調査結果報告と再発防止策を公表しました。横展開がしっかり行われておらず、かなり適当な調査結果だと感じていました。

そして追加の報告

あの時の調査対象は、「外部から指摘を受けたすべての製品(7製品)」ということだったんですね。で、調査結果を報告した後も、調査対象を同子会社のすべての製品に拡大して調査を継続していたということです。その期間、なんと1年2ヶ月です。

調査の結果、やはり9件の検査不正が判明しています。が、しかし、「特定のお客様との間で定められた仕様に基づき製造された製品が対象であり、汎用製品は含まれていない。同社としては、品質の健全性に問題がないことを確認している」。といつもの感じです。どうやら調査はこれでおしまいということのようです。

「2017年にグループ会社に対して品質問題に関する調査を実施した際に、当時の昭和電線ケーブルシステム経営者の一部、品質保証部門上層部が今回発覚した不正の一部を把握しながら、報告すべき事実を報告しなかったということも判明した」などという課題も見付けておきながら、、、。もうこのあと本体やほかのグループ会社への横展開はしないんだろうか。

コロワイド 高齢化が進むなかで介護食を含む給食事業のM&Aを推進

1/20付け日本経済新聞に、「コロワイド、M&A再び 介護食・給食などで検討」という記事がありました。コロナの影響もあり、他の企業同様、居酒屋業態が大きなダメージを受けたコロワイド。日経の取材に答えたんでしょうかね、「高齢化が進むなかで介護食を含む給食事業のM&Aが不可欠だ」と社長が語ったそうです。

コロワイド

コロワイドは、焼肉、回転寿司、居酒屋など幅広い業態の飲食店をグループ展開する持株会社。全国に展開する傘下の店舗数は、直営店舗1,470店、フランチャイズ店舗1,373店だそうです。

皆さんよくご存じの「牛角」や「温野菜」などのレストラン業態、「土間土間」などの居酒屋業態、「かっぱ寿司」、「ステーキ宮」などが傘下にあります。2020年には「大戸屋」も傘下に収めましたね。

居酒屋業態はもう

直近の決算では明らかに居酒屋業態が足を引っ張る格好になりました。これは他社でも同様です。一時期居酒屋に溢れたサラリーマンはコロナでいなくなりました。いや、コロナだけではなく、もうそうした需要(飲みにケーションなど)を引っ張った人達は現役を引退してしまってるんでしょう。

その人たち(いわゆる団塊の世代)が後期高齢者に突入していくわけです。だから、もう居酒屋ではなく、介護食をメインにした給食事業なわけです。コロワイドのこの判断は当然。同業のワタミも好調な宅食に助けられて収益も何とかなっています。

さて、「介護食を含む給食事業のM&A」という戦略ですが、ターゲットはどこでしょう。上場企業だけでなく非上場企業も視野に入れているとのことですが、最有力なのは先日ご紹介した「シルバーライフ」じゃないかと。もちろん、M&Aを受け入れるかどうかは分かりません。コロワイドに限らずですが、高齢化社会で食のビジネスを考える際、多くの企業がこの「シルバーライフ」に注目するんじゃないかと。