株式会社レーサム 従業員の不正行為で特別調査委員会を設置

株式会社レーサムは4/11、「特別調査委員会の設置に関するお知らせ」を公表しました。税務調査の過程で、同社の従業員1名が、複数年に亘り、特定の工事下請業者と協力して外注費の水増し発注を行った上で、その水増しの一部をキックバックとして受け取っていたということです。

株式会社レーサム

レーサムは、個人富裕層や機関投資家層などに向け、顧客の投資ニーズに合わせた収益不動産の調達、改修、開発および販売を行う、資産価値創造事業を主力に展開する企業です。同社が販売した物件の賃貸管理・建物管理などを行う資産価値向上事業、宿泊施設運営などを行う未来価値創造事業なども手掛けています。東証スタンダード上場企業ですね。

不正行為の概要

複数年に亘り、特定の工事下請業者と協力して外注費の水増し発注を行った上で、その水増しの一部をキックバックとして受け取っていたということで、同社が現時点までに確認した限り、このキックバックの金額は最大で合計3億円程度と想定しているんだそう。かなり、デカいですね。

同社としても、この事態を厳粛に受け止め、本件キックバックの全容解明、原因究明、類似事案の有無の確認及び再発防止策の検討を行うことを目的として、同日付で特別調査委員会を設置しました。特別調査委員会と呼んでますが、その構成は委員長以下全員同社の監査等委員(うち社外取締役が2名)です。

ちなみに、2023年3月期の決算発表は 2023年5月12日を予定しており、発表時期の変更は予定していないとのこと。調査期間は1ヶ月ということになりますから、ここまでの調査である程度結論が出てそうな感じですね。

ディーブイエックス(DVx)株式会社 社外取締役が社内規程違反で辞任

ディーブイエックス株式会社は4/11、「社外取締役による社内規程違反に関するお知らせ」並びに、「社外取締役の辞任に関するお知らせ」を公表しました。社内規程に違反して同社株を取得していたことが判明したため、取締役を辞任する旨を申し出たということです。

ディーブイエックス株式会社

ディーブイエックスは、心臓ペースメーカーをはじめ、不整脈関連の医療機器を輸入商社および国内メーカーから仕入れ、顧客である医療施設に販売する企業です。虚血性疾患向けの医療機器の仕入販売も手掛けています。東証スタンダード上場企業ですね。

インサイダーもどきで

この社外取締役は、2022年4月から2022年9月までの間に、社内規程に基づく事前承認手続きを経ることなく、同社株式を取得していたということです。親族名義でも買ってたみたい。

当該株式の取得については、法令違反行為に該当する事実は現時点で確認されていないものの、社内規程で定める売買禁止期間中の買付取引が含まれていたことから、今回辞任ということになったようですね。

当該買い付け期間の終盤、9月末から株価は反転上昇しており、絶好の買付けタイミングになってるような感じです。このままインサイダー取引に関しては不問で済まされるかどうかビミョーかもしれません(重要事実の有無など詳細までは調べていません)。

この社外取締役って、なんと監査等委員じゃないですか。総会資料をみると、「〇〇氏は、司法書士として企業法務に関する豊富な経験と見識を有しており、それらに基づく経営の監督とチェック機能を期待し、社外取締役として選任をお願いするものであります。」と書かれてます。なんともトホホな事案です。

株式会社ジオコード 調査委員会を設置 決算発表も延期

株式会社ジオコードは4/10、「調査委員会の設置及び 2023 年2月期決算発表の延期に関するお知らせ」を公表しました。不適切な会計処理を調査するとともに、4/14に予定していた2023年2月期決算(本決算)の発表を延期することとしたということです。

株式会社ジオコード

ジオコードは、主に中堅・中小の企業ユーザーを対象に、Webマーケティング全般にわたる課題を解決するための各種サービスを手掛ける企業。SEO(検索エンジン最適化)対策やら、Web広告全般の運用代行サービスなんかをやってるみたい。ほかにクラウド型業務支援ツールの提供なども。従業員117名の東証スタンダード上場企業。上場からまだ3年も経ってない企業ですね。

事案の概要

決算作業の過程で、売上債権の延滞管理対象である一部の取引について、取引が未完了であるにもかかわらず、売上を不適切に前倒し計上している可能性を認識したということです。

売上の期間帰属の適正性に疑義が生じるものであり、事実関係の把握、取引状況の詳細及び財務諸表等に与える影響額の確認等を直ちに行いましたが、公正かつ透明性が担保された形で事実関係の実態を正確に調査・把握すべきであると判断し、調査委員会を設置したとのこと。

昨日取り上げたパスコは利益の先送りでしたが、こちらは売り上げの先行計上。こういう先行計上とか架空売上やらが常態化、みたいなことになってくると、同社の場合上場審査時はどうだったの?(そもそも上場して良かったの?)なんてことにもなりかねませんね。

今回設置された調査委員会は社外監査役を委員長とした社内調査委員会。大事に至らず、この面子で最後まで調査を完了できればいいけど。

パスコ 不正会計 特別調査委員会が調査結果を公表

パスコは4/7、「特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」を公表しました。利益の繰り越しに関する不正が行われていた可能性があり、調査委員会を設置して調査を進めてきました。その公表が2/7でしたから、調査期間は約2ヶ月でしたね。

調査結果

前の期に完了した業務の収益を次の期に繰り越して計上するなどの不正な会計操作が、2019年3月期から4年間で合計11億円行われていたということです。委員会からの報告を受け、22年3月期通期決算などの業績発表を訂正しています。

当初公表されていた金額からはかなり増加しましたね。4年間で11億円。どの期に計上するかということだけで、4年間全体で見れば間違っているわけではありません。不正によって利益が社外に流出したわけでもなく、大きな問題ではない、、、なんて思ってないですよね、経営陣は。

再発防止に関する提言

調査報告書の再発防止に関する提言の冒頭には、「経営陣の意識改革」というのが出てきます。「本件の真因は、公共部門での不適切な会計処理の発生リスクについて真剣に考えていたとはいえない経営陣の意識、それが作用して経営陣と事業部の認識に乖離が生じていたことにある」としています。

そしてもう一つ、「仮に、経営陣において、今回の事案が一部の事業部の幹部のコンプライアンス意識の欠如により生じたものと認識しているようであれば、新たな不適切な会計処理の発生を防ぐことはできない」と、指摘しています。まったくその通りですね。

特別調査委員会は見事に的を射た提言をされてますが、問題は経営陣がどう受け止め、今後どう行動していくかにかかっています。同社にとっての転機になればよいのですが。

ロックペイント株式会社 伊賀上野工場における火災事故

ロックペイント株式会社は4/7、「当社伊賀上野工場における火災発生に関するお知らせ」を公表しました。4/6の11時15分頃、三重県伊賀市の伊賀上野工場 樹脂製造棟で火災が発生し、11時50分頃、消防関係当局による消火活動により鎮火が確認されたということです。

ロックペイント

ロックペイントは、自動車補修用塗料で国内トップクラスのシェアを誇る塗料メーカー。車両用塗料を中核に、建築用、工業用、家庭用の塗料を展開するほか、ローラー・スプレーガンなどの塗料関連製品・商品を手掛ける企業。大阪市に本社を構える東証スタンダード上場企業です。

事故の概要など

35分ほどで鎮火が確認されており、人的被害についても、同工場内にいた従業員は全員避難し、負傷者はいなかったということです。第1報ですので、物的被害や製造および出荷への影響、火災による業績への影響については、いずれも現在調査中としています。

自然発火?

同社のホームページを見ていたら、「塗料による自然発火について」というコーナーを発見しました。自然発火の危険性があるのは、原料に油類(不飽和脂肪酸類)を含む塗料類であったり、過酸化物を含む不飽和ポリエステル樹脂パテ(ポリパテ)用の硬化剤。などと紹介されています。

今回の火災は樹脂製造棟ということですから、このポリパテなんかの自然発火なんて可能性もあるんですかね。このコーナー、塗料を使用する顧客に対する注意喚起なんですが、、、まずは自社で気を付けないと、って話ですね。