株式会社クシム 取締役に辞任勧告(その2)

昨日に続いてクシムの記事です。昨日の記事を当該取締役ご本人がお読みいただいたようです。で、kuniも取締役が開設されたNoteの反論記事を読ませていただきました。

社内調査委員会の設置

反論記事にも出てくるのですが、「社内調査委員会の設置」という行動にkuniも違和感を感じていました。そのため、昨日の当ブログの記事でも現経営陣側の対応や主張を鵜呑みにできなかったわけです。

その取締役が本当に不正を働いていて、その不正を明らかにし、現経営陣の主張や現行のガバナンスが適正であることを証明したいのなら、どちら側にも関係のない中立の立場の委員で構成される第三者委員会を設けるのが普通です。

しかし、今回設置されたのは社内調査委員会。さらに取締役のNoteの情報によると、この社内調査委員会の委員長はフィスコ側の人(正確にはフィスコの親会社と思われるシークエッジ出身者)のようです。こうなってくると、かなりのバイアスがかかった調査結果になりそうですよね。

吸収合併

昨日は現経営陣側の開示に基づき書きましたが、本日は取締役側の情報を一部引用しつつ記事を書いています。吸収合併という言い方が正しいかどうか分かりませんが、吸収された(子会社化された)側の出身者には、まぁいろいろと、手を替え品を替え、追い出すための力が働くもんなんです(これ、kuniの実体験です)。

株式会社クシム 重大な背任行為で取締役に辞任勧告

株式会社クシムは12/9、「(経過開示)社内調査委員会設置に関するお知らせ」を公表しました。これより以前、11/25には「取締役1名に対する辞任勧告の決議」も公表しています。当該取締役が社内情報漏洩や不適切行為への関与があったとしていました。それを調査する委員会ですね。

株式会社クシム

クシムはブロックチェーンの受託開発、暗号資産に関連したコンサルティングなどを行う、ブロックチェーンサービスを中核事業として展開する東証スタンダード上場企業です。一昨年、チュ-リンガム社を子会社化し、ブロックチェーンサービス事業を拡大しています。

辞任勧告

重要事実の継続的な漏洩や、不適切行為の可能性に対する重大な懸念があるということで辞任勧告を決議したということなんですが、その同日に当該取締役が株主提案で取締役4名と監査等委員2名の選任を議案として、来年1月の定時株主総会に問うという動きに出ています。

現経営陣と辞任勧告を受けた取締役が真っ向から対決するという構図。この取締役は冒頭書いた子会社化されたチューリンガムのトップだった方なんですね。そして現経営陣の方は、金融情報、企業情報の配信などを行うフィスコの勢力。ん~、この対決は難しいなぁ。取締役が悪だと片付けるわけにはいかない感じ。

株式会社ナ・デックス 業務委託社員による不適切な取引発覚で決算発表延期

ナ・デックスは12/9、「2025年4月期第2四半期(中間期)決算発表の延期および2025年4月期半期報告書の提出期限延長の申請検討に関するお知らせ」を公表しました。業務委託社員による不適切な取引が行われていたことが判明したためということです。

株式会社ナ・デックス

ナ・デックスは自動車生産の溶接工程で利用される、抵抗溶接システムおよび抵抗溶接制御装置の大手メーカー。このほか、産業機器や電子部品を中心とする商社機能も併せ持ち、国内中心に、北米、中国、東南アジアなどに展開する東証スタンダード上場企業です。

不正の概要

開示によると11月、仕入先からの問合わせにより、業務委託社員が架空の商品を対象とする循環取引を行っていた疑惑が発覚したとのこと。既に特別調査委員会を設置し、調査を進めてきたようですが、その過程でさらに新たに架空の在庫の正規取引への付替えを行っていた新たな疑惑等も出てきたようです。

調査委員会での精査に時間を要することが見込まれるため、決算発表等の延期が公表されました。業務委託社員というのがどのような存在、立場だったのか分かりませんが、開示を見る限り、相応に決算への影響がありそうな事案のようです。ちなみに、この事案も開示前日に同社株が急落しており、インサイダー取引が調査されることもありそうです。

電気興業 公正取引委員会が下請法違反で勧告

公正取引委員会は12/5、「電気興業株式会社に対する勧告について」を公表しました。下請け企業に金型などを無償で保管させていたのは下請法違反にあたるとして、通信アンテナメーカーの電気興業に再発防止や保管費用の支払いなどを勧告しました。

電気興業

電気興業は携帯電話基地局向けをはじめとする各種アンテナ、鉄塔などの製作を主力に、自動車部品向け高周波誘導加熱装置の製造・販売を手掛ける企業。東証プライム上場企業です。

下請法違反

同社は遅くとも2021年9月以降、長期間発注の見込みがないにもかかわらず、下請け企業20社に対し、金型など計339個を無償で保管させていたとのこと。このことで下請事業者の利益を不当に害していたという判断ですね。下請け企業が負担した保管費用をこの後支払うことになります。

下請け企業に金型を保管させる商慣行を巡っては、公取委が監視を強めていて、今年7月にはトヨタ自動車子会社のトヨタカスタマイジング&ディベロップメント、9月にはSANEI、11月には住友重機械工業子会社の住友重機械ハイマテックスに同じく下請法違反で勧告しています。

公取委は下請法違反事案について、事業者側が自発的に申し出て、一定の要件を満たした場合には勧告の対象から外し、企業名を公表しない運用としているんだそう。つまり上記の例は氷山の一角にすぎないということですね。

東京ボード工業 またしても千葉佐倉工場で火災事故もどき

東京ボード工業は12/5、「当社佐倉工場における燻り発生について」を公表しました。「燻り発生」ってなんだこれ?。くすぶりって読んだらいいのか?よく燃えずに煙ばかり上げている状態を表しているってことなんでしょうか。翌日には鎮火したことを公表しています。

東京ボード工業

東京ボード工業は、日本で初めて木質廃棄物直接処理によるパーティクルボードを製造したボード業界のパイオニアなんだそう。マンションの床下地材のほか、体育館などの文教施設、家具や木工などにも使われるパーティクルボードを主力製品とする東証スタンダード上場企業です。

火災の概要

同社的には燻りと主張してるんですが、まぁ火災事故ですよね。開示では、12月3日(火)午後8時50分頃に木材チップサイロ内より燻り発生、5日時点では消防による鎮火確認中(サイロ内チップを全量搬出、放水作業中)だとしています。

実は東京ボード工業の佐倉工場、2022年末にも同様の事故を起こしています。その時は、「チップ乾燥設備において、低温発火と思われる内部焼損が発生」と表現していました。いずれも、先日、株式会社ノダの記事でも書いたように木材チップの自然発火でしょうかね。「二度あることは三度ある」と言います。注意しないと!