昭和産業 従業員の不正行為 1億円超の着服

少し前になりますが、昭和産業は12/12、「当社元従業員による不正行為及び同人に対する訴訟提起のお知らせ」を公表しました。不正を働いた元従業員に対し、2024年12月12日付けで、約1億3千万円の損害賠償などを求める民事訴訟を東京地方裁判所へ提起したとのこと。

昭和産業

昭和産業は、小麦粉や食用油、糖化製品を主力とする食品メーカー。小麦・大豆・菜種・トウモロコシなどの穀物を、小麦粉、プレミックス、植物油、糖化製品、配合飼料などに加工し販売する東証プライム上場企業です。

不正行為の概要

当該従業員は2013年1月から2022年8月までの間、品質管理検査に必要な消耗品等の購入と偽り、約1億4千9百万円分のノート型パソコンを購入して、当該ノートPCを外部の買取業者に売却し、これにより約1億8百万円を着服していたということです。

発覚から懲戒解雇まで

2023 年7月に検査用消耗品の前年度仕入れデータに異常値があることを発見し、社内にて調査を開始。その後、当該従業員の関与が疑われたため、社内調査委員会を設置し、更に調査を実施したとのこと。

2024 年3月 29 日付けで当該元従業員を懲戒解雇して以降、これまでの間に当該元従業員との話し合いを通じて被害金額の回収を進めてきたが、民事訴訟を提起して引き続き被害額の回収に努めるとともに、今後刑事告訴を行うことを予定しているといいます。

発覚からの経緯を見ても分かるように、約1年4か月にわたり、この不正行為が起きていたという事実は伏せられたままだったということですね。これってどうなんでしょうね。

株式会社クシム 取締役に辞任勧告(その3)

株式会社クシムは12/20、「2024 年10月期決算発表の延期のお知らせ」を公表しました。取締役の不正への関与の調査や、ほか、いくつかの要因により、決算の確定に時間がかかる見通しとなったためと説明されています。

おさらい

現経営陣が取締役(吸収合併した企業の元社長)に不正があったとして辞任勧告を決議。辞任勧告を受けた取締役がこれに反論、真っ向から対決するという状況が続いているところです。詳細については過去記事をお読みください。

暗号資産?

今回の決算延期の開示の中で、延期せざるを得なくなった要因の一つに、「暗号資産の実在性及び評価」というのが登場しています。気になって今回の騒動に関する一連の開示を読み返してみましたが、「暗号資産」というワードはどこにもありません。

辞任勧告を受けた取締役の新たな不正という主張になるのか、はたまた、実は現経営人が会計不正を働いていたことが発覚しつつあるのか。今のところ何の情報もないため判断できませんが、この騒動、新たな展開に入って行きそうな予感が・・・

日本製紙 八代工場でボイラー爆発事故

報道によると12/19、日本製紙八代工場でボイラーの爆発事故が発生しました。場所は熊本県八代市。九州のほぼ中央に位置し、球磨川の水とともに古紙や木材チップなど豊かな製紙資源に恵まれている工場。同社の主力工場の一つです。

日本製紙

日本製紙は、王子ホールディングスに続き国内製紙業界で売上高2位。洋紙から、板紙、特殊紙、パルプ、家庭紙、紙加工品などを総合的に手がけています。木材・建材・土木建設関連事業、エネルギー事業なども展開する東証プライム上場企業です。

事故の概要

19日早朝、八代市の日本製紙の工場で、電気を作るためのボイラーが爆発しました。爆発当時、ボイラーの近くには6人の従業員がいましたが、逃げようとした男性従業員1人が左足を打撲するなどのけがをしたということです。工場から400メートルほど離れた場所にまで、黒い灰のようなものが飛散したといいます。

同社ではほかにも、秋田工場や旭川工場でも火災事故が起きているようですね。グループ会社でも何度か。周辺住民に迷惑をかけておきながら、今回の事故について、会社側からは何のコメントも出ていません(もちろん開示もなし)。こういう意識だから事故が防止できないんだよね。

株式会社ジェイ・エス・ビー 今度は不正会計で決算発表を延期

ジェイ・エス・ビーは12/13、「2024年10月期決算発表の延期に関するお知らせ」を公表しました。以前、社外取締役が逮捕された件で取り上げた企業です。いったいどんな人選してるんだか、ってことを指摘していたんですが、今度は会計の不正が出ているようです。

株式会社ジェイ・エス・ビー

ジェイ・エス・ビーは主に学生を対象としたマンションの企画から事業提案、竣工後の入居者募集、入居者・建物管理などを全国で展開する企業です。

不正の概要

取締役らが海外視察・研修に家族を同伴し、その費用(1,700万円程度)を同社に負担させているという、経費の不正使用が認められているようです。また、社内に保管している金券類総額 約1,321万円(枚数 計4,900枚)の簿外在庫の存在も確認されたとのこと。

さらに、社内外に存在するワインセラーにおけるワイン在庫のうち、784本、購入価格ベースで計3,238万円分が簿外資産となっていることが判明しているそう。ワインだからと侮るなかれ、一本当たり4万円超ですよ。

まぁ、逮捕される社外取締役を選ぶだけあってこの会社の経営陣、凄いことになってるようですね。特別調査委員会の調査は9月から行われていたようですが、これまでずっと非開示。今回の開示でも、タイトルからはまったく不正の存在を感じさせません。ひた隠しです。

トーシンホールディングス キャッシュバックをめぐり第三者委員会を設置

トーシンホールディングスは12/13、「第三者委員会設置のお知らせおよび2025 年4月期第2四半期決算発表の延期および2025 年4月期半期報告書の提出期限延長の申請検討に関するお知らせ」を公表しました。

トーシンホールディングス

トーシンホールディングスは愛知県を中心に岐阜、三重、静岡、長野の各県で携帯電話ショップ(auショップ、SoftBankなど)を展開する移動体通信関連事業を主力に、不動産事業、ゴルフ場運営などのリゾート事業を手掛ける東証スタンダード上場企業です。

事案の概要

「携帯電話契約における顧客への還元(キャッシュ・バック)の一部が未精算、未計上である」旨の匿名通報メールを受け、キャッシュ・バックの一部が未精算、未計上になっており残高に誤謬が存在する可能性があると認識したとのこと。

その後10月より社内調査を開始し、未精算であったと把握できたものから随時精算をしてきましたが、依然として店舗及び本社において、キャッシュ・バックに対する問い合わせ電話が継続しているため、第三者委員会を設置して公正性を確保した調査を実施するとしています。

「〇〇を追加契約すると通信料がキャッシュバックされるという契約だったのに、全然キャッシュバックされてないじゃん」って騒ぎのようですね。