特装車の荷台製造4社 独禁法違反疑い(カルテル)で立ち入り検査

ダンプカーやゴミ収集車などの荷台部分の装備を製造しているメーカー4社が、不正に価格を引き上げるカルテルを結んでいた疑いがあるとして、公正取引委員会が11/12、独占禁止法違反の疑いで立ち入り検査を行ったようです。

カルテル

立ち入り検査を受けたのは、いずれもダンプカーなどの特別な装備の車両(特装車)の荷台部分を作るメーカーで、兵庫県宝塚市の「新明和工業」とその子会社の「東邦車輛」。そして大阪市の「極東開発工業」とその子会社の「日本トレクス」の計4社とのこと。実質的には新明和工業と極東開発の2社によるものですね。

4社は「特装車」の装備をディーラーや自治体などに販売する際、製品の価格を不正に引き上げるカルテルを結び、独占禁止法に違反した疑いがあるということです。原材料の鋼材などの価格の上昇の動きを受けて、遅くとも2020年9月ごろから価格を引き上げていたといいます。

カルテルによる価格の引き上げ分は、コスト増加分として価格転嫁され、消費者の負担にもつながっていた可能性がありますよね。なぜカルテルが禁止されているかよく分かる事例です。あなたの自宅を施工する際、建築資材等を運び、搬入したトラックの利用料金の中にこの値上げ分が含まれていたかも、ってことですね。

三菱UFJ銀行 貸金庫窃盗事案に乗じた不審な電子メールに注意呼びかけ

三菱UFJ銀行は、「当行貸金庫取引を装う不審な電子メールにご注意ください」と、同社ホームページで注意喚起しました。11/22に公表した、元行員が貸金庫から4年半にわたって客の資産を窃取する事案が発生し、被害総額が時価十数億円程度とみられるとした件に関するものですね。

注意喚起

同行貸金庫取引を装って電子メールを送付し、メールを受信された顧客をまったく関係のない虚偽のページにアクセスさせ、暗証番号などの重要な情報を入力させることにより、個人情報を取得するという不審なメール(フィッシング詐欺)が送信されているとの報告を受けているとのこと。

現時点では、同行からメールにて貸金庫取引に関する連絡はしておらず、貸金庫取引に係る不祥事についての相談等は専用フリーダイヤルに問い合わせるよう促しています。

悪党って

しかしまぁ、悪党らはよく考えるものですね。「エッ、私の貸金庫は大丈夫かしら?」という不安につけ込んで、フィッシングメールで偽ページへ誘導し、IDや暗証番号等を入力させる。そして顧客の口座からお金を抜き取るという手口。こういう機敏な発想と行動、もっと他のまっとうなことに使えよ。

警察もこういう輩への捜査・検挙、もっと力入れてやってくれないかなぁ。匿名・流動型犯罪グループの捜査で忙しいと思うけど。

株式会社ノダ 静岡市清水区の工場で工場火災

11/22、静岡市清水区にある建材メーカー株式会社ノダの工場で、火災がありました。同社側からの情報がいっさい提供されていませんが、おそらく東証上場のノダだと思われます。22日午後1時半ごろに出火し、およそ4時間半後に消し止められました。

株式会社ノダ

ノダは内装材、住宅機器や繊維板の製造販売ならびに住宅関連工事を行う住宅建材事業と、合板を輸入・製造販売する合板事業を手掛ける東証スタンダード上場企業です。元は材木店、製材所として創業した企業ですね。

事故の概要

工場の建物内で保管していた木くずの一部が焼損したということです。木くず以外への燃え移りはありませんでした。火災発生当時建物内に人はおらず、けが人はいなかったとのこと。一部の報道機関が伝えたのはこれだけの情報です。

自然発火

木材チップ、天ぷらの揚げ玉、RDF、自動車シュレッダーダスト、肉骨粉等は、徐々に化学反応を起こし発熱しているといいます。これらが大量にあった場合や保管期間、条件(高く積み上げ放置するなど)によっては、なかなか放熱が進まず、火災に至る場合があるんだそう。

実際、木材チップ等の自然発火が原因と推定される火災が全国で発生しており、木材チップ等の取扱い等について、当局からも火災防止の観点から指導や注意喚起が行われています。

それにしてもノダは材木店、製材所としてスタートした木材のプロ。のはずが、なぜこのような火災事故を。自然発火であったとしてもこれは人災ですね。同社は事故の発生とその原因、管理態勢など、公表するべきだと思います。

アクシスコンサルティング 元従業員が個人情報を転職先企業に不正持出

アクシスコンサルティングは11/13、「ご登録者様情報およびお取引先様情報の流出に関するお詫びとご報告」を同社ホームページで公表しました(っていうかしていました)。適時開示がされていないため気付きませんでした。

アクシスコンサルティング

アクシスコンサルティングは、コンサルタントの人材紹介およびスキルシェアの各サービスを展開しています。人材紹介事業として正社員採用サービスを、スキルシェア事業としてフリーコンサルサービスおよびスポットコンサルサービスを提供する東証グロース上場企業。従業員120人程度のまだ若い企業です。

不正の概要

元従業員が、ご登録者様およびお取引先様の個人情報等を転職先企業に持ち出していたことが判明したとのこと。現時点の調査で判明している漏えい件数は、1,306名分だといいます。漏えいしたのは、「氏名」・「生年月日」・「住所」・「電話番号」・「メールアドレス」・「勤務先の会社名」・「所属する部署名」の全部または一部。

顧客から転職後の元従業員が接触してきたことを同社に連絡があったことから不正が判明しました。その後の同社対応はしっかり出来ていて好感が持てるのですが、好決算を適時開示したその日に、こっそり自社ホームページで公表するというスタンスはいかがなものかと。

国土交通省が公表 トヨタ車のリコールが結構ヤバい

国土交通省は11/21、「リコールの届出について(トヨタ ランドクルーザー)」など、計5車種のリコールの届け出を公表しました。ほか4車種は、「カローラツーリング」、「プリウス」、「レクサス」、「トヨタ ジェネオ-E」といったラインアップです。

各車のリコール内容

ランドクルーザーに関するリコールは、「フロントドライブシャフトにおいて、生産設備の管理が不十分なため、車輪側ジョイント部の構成部品が組付けられていないものがある。そのため、そのままの状態で使用を続けると当該ジョイント部が損傷し、走行不能となるおそれがある」というもの。

プリウスにおいては、「ハンドルから先に伸びるインタミディエイトシャフト部分に亀裂があるものがあり、使用過程で亀裂が進展して破断し、最悪の場合、操舵不能となるおそれがある」。というもの。レクサスでは、装着されたアルミホイールにおいて、「開発時に試作したホイールを誤って装着したものがある。」というもの。

そういえば今月上旬にランドクルーザーを製造するトヨタ車体の2工場が操業停止になってましたよね。操業停止の理由は「一部設備の確認作業のため」とだけ説明されていました。多分このリコールに絡んでの停止だったんでしょうね。

事故に直結する可能性がある重要部品の装着忘れや試作品の誤装着。かなりヤバい事案ですが、日本一の広告主のトヨタのこと、取り上げるメディアはありません。こういうことでいいのか?