アサヒペン 子会社従業員の不正行為 約2億円を着服

株式会社アサヒペンは5/29、「当社連結子会社の元従業員による不正行為に関するお知らせ」を公表しました。子会社である株式会社アサヒロジストにおいて、従業員による業務上横領が発覚したということです。

アサヒペン

アサヒペンは創業以来、建築用塗料をはじめ各種塗料を製造販売し、1962年に家庭用塗料の専業メーカーに転身した家庭用塗料のトップメーカー。ハウスケア用品分野にも進出し、新規事業ではペット用品も扱う、本社を大阪に構える、東証スタンダード上場企業です。

不正行為の概要

従業員は2023年1月から24年5月までの期間に複数回にわたって、自身や親族、取引関係のない第三者名義の口座に現金を送金するなどし、総額で約1億9千9百万円を私的流用していました。また、この不正行為の発覚を遅らせる目的で会計帳簿の改ざんもしていたとのこと。刑事告訴も含めて法的措置を取る方針だそう。

子会社アサヒロジスト

アサヒロジストはアサヒペンの100%子会社。アサヒペンが物流業務を委託している会社(特定貨物自動車運送業)で、従業員は150名ほど。事務所を貸与し役員の兼務もあります。で、よく見ると所在地はアサヒペンと一緒、たぶん同じ社屋に同居してるんでしょう。

子会社での不正行為というと別の場所の別の会社で起きたことのように感じますが、このケース、ほぼアサヒペン本社内部署で起きた不正みたいなものです。社内調査チームを立ち上げ詳細を調査するということですが、アサヒペンの責任は重大です。

中部電力 元取締役 1 名に対し任務懈怠があったとして責任追及の訴えを提起

中部電力は5/28、「公正取引委員会からの中部地区における大口需要家向け都市ガス供給に関する課徴金納付命令等の受領に係る元取締役に対する責任追及の訴えの提起等について」を公表しました。大口需要家向け都市ガス供給に関して、独占禁止法に基づく課徴金納付命令を受けた件ですね。

課徴金納付命令

今年3月4日に、特定大口都市ガスの見積り合わせ等の参加業者として、独占禁止法第3条(不当な取引制限の禁止)の規定に違反する行為を行っていたとして、課徴金納付命令を受けました。子会社も含めた課徴金の額は約2700万円。

取締役の責任

この件に関して、当時の取締役に対する責任追及の必要性について、外部法律事務所に調査を委託し、その結果を監査役会等にて精査し、対応を検討してきたとのこと。その結果、中部電力の全監査役は、調査対象取締役のうち、元取締役 1 名に対し、本件に関する任務懈怠があったとして、約7000万円の損害賠償請求を行うということです。

7000万円の内訳等については開示されていませんが、独占禁止法に基づく課徴金納付命令を受けました、って事案に関して、関与した取締役にここまでの責任を追及するのってかなり珍しいですね。おそらく、この事案以外にもいろいろあったんでしょう。もう少し背景が知りたいですね。

ENEOS子会社 「NIPPO」が契約に反して再生材料を使用していた件

5/24、国土交通省は、NIPPO子会社がNIPPO以外の施工会社にも材料を納入していたとして、それらが契約と異なって国土交通省などの道路工事に使用されていないかなど調査するよう求めました。

NIPPO

NIPPOは、道路の舗装工事などを手がける大手企業。国内最大規模の土木建設・道路舗装業の他に、建設コンサルタント業や不動産業も展開しています。現在は非上場企業ですが、2022年までは上場していました。昔の日本鋪道株式会社ですね。

不正の概要

第1報は4月、国や高速道路会社から受注した工事で、新品のアスファルトを使う契約だったにもかかわらず、使用済みのアスファルトなどを混ぜた「再生合材」を使用していました。「再生合材」はNIPPOの子会社が納入したもので、使用された先は国道や高速道路、空港の合わせて33にのぼることが判明しています。

そして今回、国土交通省は同子会社がNIPPO以外の施工会社にも材料を納入していたとして、それらが契約と異なって国土交通省などの道路工事に使用されていないかなど調査するよう求めたということです。

ここもENEOSの

直近でも2019年に「道路舗装用のアスファルト合材の販売で価格カルテル」なんて事件起こしてますし、この業界の闇は深そうです。そしてこのNIPPOはENEOSの100%子会社。二人のトップが次々とハラスメントで解任された、、、あのENEOSです。

小僧寿し元役員 インサイダー取引で課徴金539万円 子会社従業員も

証券取引等監視委員会は5/24、自社株でインサイダー取引をしたとして、金融商品取引法に基づき、東証スタンダード上場の「小僧寿し」(東京)の役員だった40代男性に課徴金539万円を納付させるよう金融庁に勧告しました。

インサイダー取引

男性は同社が業績予想を下方修正するとの情報を入手し、公表直前の2022年10月28日に25円と26円で計約227万株を計5767万5千円で売り抜けました。ゴミみたいな株価でインサイダー取引で売り抜ける役員。会社も会社なら、役員もゴミみたいな奴です。

多くの報道がこの役員のインサイダー取引を取り上げてましたが、監視委員会は同時にもう一件勧告を行っています。小僧寿し子会社だった株式会社アニスピホールディングスの従業員によるインサイダー取引です。課徴金の額は29万円です。

子会社従業員も

上記の役員の件とは別の重要事実(アニスピホールディングスの非子会社化)に関するインサイダー取引ですが、役員の取引の10日ほど前に、やはり売り抜けてます。たまたま同じ時期の売却だったので発見されたんだと思いますが、期間を拡大すれば他にも色々出てくるかも。

まさに、「沈む船からネズミが逃げ出す」の構図ですね。その後も同社の株価は低迷しており、直近は20円を下回る水準。一時の債務超過からは脱しましたが、前期も赤字で、まだまだ危険水準。寿司が旨いかどうか、商売が上手いかどうか、じゃなく、もう潰してしまった方が良い会社なのでは?

株式会社レーサム 京都の土地取引をめぐる詐欺容疑で元副部長が逮捕

京都市の清水寺近くの土地と店舗に関する架空の取引を不動産会社に持ちかけ、現金3300万円をだまし取ったとして、警視庁麹町署は24日までに、詐欺の疑いで東京都港区のコンサルティング会社役員(56)を逮捕しました。容疑者は当時、レーサムの副部長でした。

逮捕容疑

逮捕容疑は、2022年1月~23年7月ごろ、都内の不動産会社に、清水寺近くの土地と店舗の購入予約金などに必要だとうそを言い、計3,300万円を知人女性の口座などに振り込ませた疑いだそう。

例のキックバックの事案のこと?

レーサムで発覚した不正行為は、以前当ブログでも取り上げました。その際は、複数年に亘り、特定の工事下請業者と協力して外注費の水増し発注を行った上で、その水増しの一部をキックバックとして受け取っていたというものでした。

今回の逮捕については、キックバックっぽい容疑じゃないんですが、容疑者がレーサムの従業員(報道によると副部長)で、コンサルティング会社の役員であるというところまで一致してるんですよね。なので、少なくとも不正を働いた従業員と今回の容疑者は同一人物かと。レーサムは今のところ何も公表してませんが。