ヤシマキザイ 不正会計の調査結果を公表

ヤシマキザイは3/31、「調査委員会の調査報告書公表に関するお知らせ」を公表しました。5つの不正会計が発覚し、当初2/14に予定していた決算発表を延期することになったんでしたね。同時に調査委員会を設置してこれまで調査にあたっていました。

おさらい

ヤシマキザイは鉄道事業者などに対する車体用品、電気用品の販売、一般産業向け電子部品の販売を手掛ける専門商社。原価の付け替え取引や在庫計上処理漏れ、さらには売上の先行計上の疑義などが次々と発覚していました。

調査結果の概要

調査の結果、判明した原価付け替え案件の件数及び金額は、30件、21,177千円。売上先行計上案件の件数及び金額は86件、154,789 千円でした。やっぱ、それなりの数が出てきましたね。ただ金額的には、両者を合計しても 175,967 千円ということで、同社の売上との比較からして、同社の経営に与える影響は軽微であるとの評価となっています。

そのため、過年度の有価証券報告書は訂正せず、同日付で延期となっていた第3四半期決算についても、延長後の提出期限に間に合う形で公表されています。しかしまぁ、そこら中から不正が出てきているわけで、上場企業としてはしっかりと改善していかなければ、、、ってことですね。

再発防止策

4/4には、「調査委員会の提言を受けた再発防止策の策定等に関するお知らせ」も公表されました。10項目に及ぶ再発防止策。〇〇向けの××研修、みたいなのがたくさん入ってて、すでに実施済みってことなんだけど、これで会社ちゃんと変われるのかな?

堺化学工業 今度は酸化チタン製造工場で火災事故

堺化学工業は3/31、「小名浜事業所火災事故に関するお知らせ(第 3 報)」を公表しました。その後4/3には第4報が公表されています。福島県いわき市小名浜事業所第一工場で、3/30の17時半ごろに火災事故が発生したということです。

事故の概要

酸化チタン製造工場で火災が発生し、発生から1時間後には鎮圧が確認されたということで、人的被害もなく大事には至らなかったようです。火災が発生した設備を除き、順次安全を確認し運転を再開しているとのこと。

何やら既視感が

前にもあったような気がして、、、。やはり、2021年5月にも同じ小名浜事業所で爆発火災事故が発生しています。この時も事業所は一緒ですが、工場は別の湯本工場の亜鉛末工場でした。重傷者1名、軽傷者3名を出すかなり大きな事故です。

この事故を受け、同社は事故調査委員会を設置して調査を徹底。亜鉛末事業から撤退し、工場再建を断念するとしていました。もちろん、12か月にわたって取締役の役員報酬の減額も行っています(詳細は当ブログの過去記事を)。

再び起きてしまった事故

亜鉛末に関しては事業から撤退しましたが、酸化チタンは同社の中核事業だと思われますから、しっかりとした再発防止対応を取って事業を継続していくしかなさそうです。しかし、前回あそこまでしっかり対応したのにねぇ。この度の火災の発生原因の究明はもう少し先になりそうです。

アマナ(amana) 特別調査委員会委員の変更

アマナは3/31、「特別調査委員会委員の構成の変更に関するお知らせ」を公表しました。おぉ、そういえば従業員の不正行為を調査中でしたね。今回の開示はその特別調査委員会の委員の変更ということです。

おさらい

アマナは広告業界や一般企業を対象に、静止画やCG、動画などのビジュアルの企画制作、テレビCMやウェブサイトなどコンテンツの企画制作を主に手掛ける企業でしたね。

2018年には中国の子会社で会計不正、2021年には連結子会社での不正が発覚。さらに昨年12月には本体の従業員による不正行為が発覚しました。で、今調査中の事案は何発目の不正でしたっけ? って感じで、正直もうよく分からなくなってきました。

委員の変更

今回の変更は、同社の社外監査役が特別調査委員会の委員を退任し、新たに同社と利害関係を有しない独立した外部専門家を委員に選任するということですから、まぁ、やろうとしていることは正しいと思うのですが。

毎年のように、何かしら不正が出てくるという状況ですからねぇ。今回の事案が過去の調査において発見できていなかった点についても問題視しているということです。特別調査委員会の独立性をより高め、より客観性を担保した実効性のある調査を実施し、徹底した事実解明と原因究明を行うとしています。

赤字決算が続き、株価も低迷(ほぼ10年来の安値水準)。そろそろここらへんで本業に本腰入れられるようにならないとマズいんじゃないの。

サムティ 会計監査人(EY新日本有限責任監査法人)が退任

先月上旬に特別調査委員会の調査報告書を公表したサムティ。疑われていた特定の取引先等については、子会社又は関連会社のいずれかに該当するとの認定及び関連当事者に該当するとの認定には至らなかった。ということで一件落着かのように見えましたが・・・。

会計監査人

これまで同社の監査をしていたのは、日本における4大監査法人の一角であるEY新日本有限責任監査法人。特定の取引先が子会社又は関連会社のいずれかに該当するか否かで、EYの意見と会社側の意見が相違してきました。特別調査委員会は結果問題なし(超玉虫色)との結論でした。

ところが、3/31、同社は「会計監査人の異動及び一時会計監査人の選任に関するお知らせ」を公表しました。最後まで見解の相違は埋まらなかったようです。で、EYが退任し、あらたに一時会計監査人を選任しています。

新会計監査人

一時会計監査人に選任されたのはA監査法人(名前はとりあえず伏せておきます)。当ブログでは会計不正やら役職員の不正などを取り上げてきましたが、大手の監査法人がサジを投げてしまった際に、よく登場する監査法人がこのA監査法人なんですね。

同法人が担当するクライアントは、アジャイルメディア・ネットワーク、ピクセルカンパニーズ、小僧寿し、EduLab、東京衡機、などなど。何かしら問題が発生してしまった企業の駆け込み寺みたいな存在に見えます。

特定の取引先が子会社又は関連会社のいずれかに該当するか否か。ではなく、背景にもっとヤバい話がありそうだな、というのが正直な感想。会計監査人の変更が公表されたことでより一層・・・。

東邦ホールディングス 1億2,759万円の課徴金納付命令

東邦ホールディングスは3/24、「公正取引委員会からの排除措置命令および課徴金納付命令につきまして」を公表しました。独立行政法人国立病院機構が、九州7県の病院への医薬品納入のため実施した入札で談合があったという事件に対する課徴金です。

課徴金納付命令

この件に関して課徴金納付命令を受けたのは、同社子会社の「九州東邦」のほかに、「アルフレッサ」、スズケンの子会社「翔薬」、「富田薬品」、「アステム」の計5社で、その課徴金の総額は約6億2,700万円となっています。その中から今日、東邦ホールディングスブログを取り上げたのは、適時開示を最初に行っていたためです。

昨年3月にも

東邦ホールディングスでは、子会社の「東邦薬品」が昨年3月にも課徴金納付命令を受けています。独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)を発注者とする医療用医薬品の入札に関するもので、この時の課徴金の額は1億6,189万円(課徴金の減免額は30%)でした。ちなみに、「アルフレッサ」、「スズケン」もやはり課徴金食らってます。

課徴金減免制度

課徴金減免制度の目的(違反行為者に自主申告のインセンティブを与え、違反行為の調査を行いやすくする)から、今回も減免されている(やはり30%)のは理解するにしても、何度も同様の行為を繰り返す、懲りない企業に対しては、例えば減免金額を半減させる、などといった例外措置も必要なのではないでしょうか。