カッパ・クリエイト 東京地裁の初公判で無罪を主張

日本経済新聞は2/26、「「かっぱ寿司」公判、営業秘密巡り主張対立 法人、無罪を主張 元社長は認める」と報じました。競合チェーン「はま寿司」の営業秘密を不正に使用したなどとして、不正競争防止法違反(営業秘密侵害)罪に問われた件の公判ですね。

法人と社長個人で割れたね

営業秘密を持ち出した本人であるカッパ・クリエイトの元社長は、既に起訴内容を認めています。一方、両罰規定が適用された法人としてのカッパ・クリエイトは、「データは営業秘密に当たらない」と主張しているということです。

争点はここですね。データ(はま寿司の仕入れや原価関連のデータだといわれてます)は営業秘密に該当しない、という判断になれば、カッパ・クリエイトだけではなく、元社長も救われるということになるんでしょう。まぁ、もしそういう判断になったとしても、元社長個人の復帰はありえないでしょうけど。

営業秘密

不正競争防止法が規定する営業秘密の定義は、①秘密として管理されている(秘密管理性)、②事業などに有用(有用性)、③公に知られていない(非公知性)――の3要件を満たす情報であること(多分前にも書いたと思いますが)。

個人的には十分3要件を満たしていると思うんですけどね。カッパ・クリエイトとしては②の有用性のない情報だ、として争うということですかね。情報持ち込んだけど、社内で検討してみたら全然有用性がなかったんです、、、みたいな言い分が通用するんでしょうか。いや、それ、無理でしょ。

グローリー 電子マネー決済システムの障害

グローリーは2/24、「2月14日から2月19日にかけて発生した電子マネー決済システム(iD決済)の障害に関するお詫びとお知らせ」を公表しました。同社が提供する電子マネー決済システムの障害により、一部の加盟店でのiD決済において、利用代金が二重に引き落としされる事象が発生したということです。

システム障害の概要

発生した障害はまぁ、冒頭で書いた通りで、すでに原因を特定し、正常に復旧しているとのこと。本件は、サイバー攻撃等によるものではなく、顧客の個人情報の流出はないとしています。二重引き落としされた利用者に対しては、利用者側の手続きなく、後日、カード発行会社から返金されるそうです。

ちゃんと開示しようよ

このシステム障害の件、kuniが知ったのはメルカリのヤフー掲示板でした。適時開示はされておらず、ホームページ上のお知らせのみ。メルカリは適時開示もホームページでのお知らせすらもしていません。まぁ、同社はグローリーにとっての「一部の加盟店」ということで、うちのシステムの問題じゃないから、ということかもしれませんが。

自分で定期的にホームページとか見に行ってる人以外は、たとえ株主であっても、被害に遭われた方でも、このシステム障害の件は知らないということですからね。企業の開示に対する姿勢って、こんなもんで良いんでしょうか。

自社に都合のよくない事案はできるだけ伏せる。こういうのって本当によろしくないと思います。この感覚って、kuniだけなんでしょうか?

SMC株式会社 釜石第一工場で火災事故

SMCは2/24、「釜石第一工場における火災について」を公表しました。2/23の午後0時すぎに発生し、約3時間後には鎮火したようです。鉄骨2階建ての工場の一部(主に1階の天井部分)が燃えたといいます。

SMC株式会社

SMCは方向制御機器、駆動機器、空気圧補助機器などの空気圧機器を中心とした製品、および部品の製造・販売を手掛ける企業。空圧自動制御装置では国内・世界両市場でトップシェアを誇る、まさに日本を代表するエクセレントカンパニーです。

同社の株価も凄いことになっていて、2/24の終値はなんと68,100 円。売買単位は100株ですから、同社株を最低単位買い付けようとすると、681万円が必要になります。今おそらく日本で2番目にお高い会社です。

東証が最低単位の買い付け金額を50万円以下に、、、という働きかけを行っているわけですが、ここまで全く聞く耳を持ってない感じ。現在1位のファーストリテイリングが株式分割を発表してたので、SMCが1位になるってことかな。kuniは正直、高株価を誇り、個人投資家や東証の要請を無視し続けているこのような企業は好きじゃないですね。

火災事故の概要

話が大きく脱線しましたが、事故自体は大きなものではなかったようです。天井の断熱材が一部剥落し、機械設備数台に消火剤がかかった程度とのこと。発生当時従業員が100名ほど働いていた(報道によると)ようですが、全員避難して人的被害はなし。

ん?23日は祝日だったけどこんなに働いてたんか?とか、適時開示のフォーマット違うんじゃね?などなど。まぁ、気になるところはあるものの、とにかく大きな被害がなくて良かったです。

ねんきん定期便談合 光ビジネスフォーム 日本年金機構から損害賠償請求

光ビジネスフォームは2/22、「日本年金機構からの「不正行為に係る損害賠償請求の方針」に係る文書の受領に関するお知らせ」を公表しました。昨年公正取引委員会が課徴金を科したねんきん定期便談合でしたが、その損害賠償請求が日本年金機構から届きました、という開示です。

おさらい

当時公表された、ねんきん定期便データプリントサービスの入札談合に加わっていた業者は全部で26社。光ビジネスフォームもその中の一社で、5,772万円の課徴金を喰らってました。金額の大きさでは8番目くらいだったでしょうか。他に、東洋紙業、ナカバヤシ、共同印刷、トッパン・フォームズ、北越パッケージなんかが並んでましたね。

その光ビジネスフォームが唯一、この損害賠償請求の件を開示しています(2/22、17時現在)。年金機構は同社に対し、排除措置命令等の対象とされた各契約に関して機構が被った損害のうち、支払済みの不正行為違約金を超える額について、追加して損害賠償請求を行うということです。

損害賠償請求金額

既に支払われていると思われる不正行為違約金というのがよく分からないのですが、今回の損害賠償請求金額は約196百万円。遅延損害金まで含めると軽く2億円越えです。悪事は高くつくのです。この金額に関し光ビジネスフォーム側に異論があるというなら、訴訟の提起を行うという殺し文句も。

今のところ光ビジネスフォームだけですが、おそらく談合に加わっていたその他の企業も相次ぎ開示。ということになりそうですね。こっそりカネだけ払って開示はせず、、、っていう企業もあるでしょう。いずれにせよ、悪さしたんだからしょうがないです。

パソナグループ ワクチン受付業務で委託先が3自治体に10億円の過大請求

パソナグループは2/10、「当社子会社の受託案件における委託先事業者による過大請求について」 を公表しました。子会社のパソナが吹田市、西宮市、枚方市よりそれぞれ受託していた新型コロナウイルスワクチンの接種に関する業務において、不正が発覚したという事案です。

パソナグループ

パソナグループは人材派遣、人材紹介、BPO(業務の外部委託)などを手掛ける大手人材サービスグループ。傘下に人材派遣が主力のパソナやパソナテック、キャプラン、コンタクトセンター・BPOサービスを提供するビーウィズ、アウトソーシングサービスを提供するベネフィット・ワンなどがあります。

事案の概要

吹田市、西宮市、枚方市よりそれぞれ受託している新型コロナウイルスワクチンの接種に関する業務において、その業務の一部を再委託している事業者(株式会社エテル)が、委託料計約10.8億円を過大請求していたというもの。

新型コロナウイルスワクチン予防接種に関する市民向けコールセンター・ヘルプデスク運営業務について、エテルは実際にはオペレーターの人数を確保できておらず、少ない人数で業務に対応。電話の対応件数や応答率などを水増しして虚偽の報告をしていたということです。

不正を行ったのは再委託先のエテルという会社ですが、パソナとしても、委託元としての管理責任が問われているということですね。いろいろとよろしくない噂が聞こえてくるパソナ、多くのメディアが報道してましたが、なぜか日経だけはこの事件について触れていません。なぜなんでしょうね。

このところ公金を巡る不正が後を絶ちませんが、厚生労働省は全国の自治体に対し、同様のことが起きていないか確認するように文書を出したようです。コロナ絡みの過大請求、他の自治体にも広がりそうな気がしますね。