インフォコム株式会社 子会社前役員が逮捕

インフォコム株式会社は10/6、「当社連結子会社前役員の逮捕について」を公表しました。連結子会社である株式会社メディカルクリエイトの前代表取締役が、10/5に贈賄の容疑で警察に逮捕されたということです。この事実以外は開示では一切触れていません。

事件の概要

国立がん研究センター中央病院のシステム導入に関し、ソフトウエア開発会社のメディカルクリエイト社長が贈賄容疑で逮捕されたということらしいです。同社に便宜を図った見返りを受けたとして同病院の放射線技術部長も収賄容疑で逮捕されています。見返りに複数のタブレット型端末などの物品(約97万円相当)を受け取っていたとのこと。これくらいの金額でやるかね?こういう悪さ。

インフォコムには迷惑な話

見返りの物品を渡した(犯罪が確定した)のが2021年3月だといいます。調べてみると、メディカルクリエイトが全株式をインフォコムに譲渡して完全子会社化したのが、2021年10月末なんですね。つまり贈賄事件が起きたときはまだ連結子会社じゃなかったんだと思われます。

冒頭の開示はつまり、子会社化する前に社長が起こしていた不正について謝罪しているわけで、謝罪にも力が入りません。気持ちはよく分かります。ただ、調べれば「同社子会社の社長が」ってのはすぐに判明しますから、逮捕から間髪を入れずに開示したのは正解です。

しかし、インフォコム側は頭にきてるだろうね。まぁ、不正を行っていた偽りの姿の会社を子会社化(買収)したわけですから、損害賠償請求へと進むんでしょう。

日東電工 韓国子会社で火災事故

日東電工は10/5、「韓国オプティカルハイテック社における火災発生について」を公表しました。10/4の17時半ごろに出火し、10/5午前9時くらいまでに消火活動は終わったものの、復旧には時間がかかるもようです。

日東電工

日東電工は偏光フィルムをはじめとした、液晶ディスプレイ用光学フィルムのトップメーカーです。各種産業分野で幅広く使われるテープ類や、核酸医薬の受託製造などでも高いシェアを持っています。大阪市に本社を置く東証プライム市場上場企業で、このところ連続して最高益を更新している優良企業ですね。

火災事故の概要

韓国オプティカルハイテック株式会社(所在地:慶尚北道亀尾市)の 生産棟で、10/4の17時半ごろに火災が発生。同日勤務していた従業員、および外部協力会社計156名全員の無事は確認しているようですが、消火作業中に消防士3名が負傷したとのこと。それなりの規模の火災だったようですね。火災の原因については現在調査中としています。

同社では、スマートフォンやタブレット端末などに使用される主力製品の偏光板の生産を手掛けています。偏光板を含む光学材料は売上高で全体の4割程度を占める日東電工の主力事業。火災事故により偏光板の生産に影響が出るかなど、業績への影響については現時点で不明としています。

日本の主力産業を支える半導体工場等が次々と火災に見舞われ、大変なことになりました。なんだかその当時のことを思い出します。今回の日東電工の火災では偏光板。供給に大きな影響が出なければ良いのですが。

第一三共 毒物紛失

大手製薬会社「第一三共」の東京 品川区にある研究施設「品川研究開発センター」で、毒物に指定されている「アジ化ナトリウム」の入った容器がなくなっていることが分かったそうです。同社では防腐材などとして使うため、鍵の付いた冷蔵庫内で保管していたということですが。

アジ化ナトリウム

「アジ化ナトリウム」は体内に入ると、血圧が急激に下がったり意識障害を起こしたりするなど、極めて毒性が強いんだそうで、鍵の付いた冷蔵庫内で保管していたということです。社内調査が行われましたが見つからず、警視庁や保健所に紛失の届け出を行ったといいます。外部から第三者が侵入するなどした形跡は見られないとのこと。

アジ化ナトリウムが紛失したのは、東京 品川区にある研究施設「品川研究開発センター」だそうです。なにやら聞いたことのある施設だと思いきや、先月話題になったあの事件と同じ舞台ですね。

メタノール毒殺事件

9/16に起きたメタノール毒殺事件。第一三共の社員が焼酎にメタノールを混入させて妻に飲ませ、病死を偽装して殺害した容疑で逮捕されました。この容疑者が勤務していたのが、同じ品川研究開発センターなんですね。警視庁は職場からメタノールを持ち出した疑いをかけているとか。

夫婦仲が悪くて起きてしまった犯罪のようですが、しかし、研究員の立場を利用すれば毒物が容易に持ち出せるってのもいかがなものでしょう。今回判明したアジ化ナトリウムも同容疑者が持ち出していた、というシナリオが考えられますが、もしそうでなかった場合、第一三共としてはより一層立場がなくなってしまいますね。この原稿を書いている段階で第一三共からまったく開示がないのも気になります。

またまた スシローが謝罪

回転寿司最大手のスシローは、通常、メバチマグロを使用する「まぐろ」や「漬けマグロ」のメニューに、より仕入れ値が安い「キハダマグロ」を使っていたと明らかにしました。本来キハダマグロは10/1からのキャンペーンで大きくカットして提供する予定だったということです。

キャンペーン

実施するたびに事件が起こるスシローのキャンペーン。普段使っているメバチマグロよりローコストなキハダマグロを少し大きめにカットした「ちょっと大切りキハダまぐろ」を提供しようとしていたとのこと。少しでも顧客にたくさん食べてもらいたいという思いがあったそう。

誤って9月28~29日にかけて全国6店舗でキハダマグロが提供されていたということですが、これが大切り(大きくカットされた)で提供されていたのかどうかは公表されていません(ここ一番重要なところ)。ただ、顧客に返金すると言ってるので普通サイズで提供してたんでしょうか。

わざとやってる?

当ブログでも書きましたが、スシローは不祥事が相次いでいます。6月にウニなどの期間限定商品を品切れなどで販売できない店舗があったのに宣伝を続ける「おとり広告」。7月にはビール半額キャンペーンの店内広告を一部店舗で開始前に掲示。さらにその後は売り切れでビールが提供できないなどなど。

そして今回の偽装マグロ。何度も発生する不祥事ですが、どんどん「そんな大したこと?」って感じの事案になってきてます。もちろん良いことではないんですが、ひょっとしてキャンペーンの告知のためにやってる番宣?のようにも見えてきました。

同社の業績はというと、業界の中ではよろしくないようですから、わざとやってるわけではないでしょうが、少なくとも「スシローで大ぶりなマグロの握りが食えるらしいぞ」、っていう話題はかなり周知されたと思われます。

ケイアイスター不動産元役員(現Gunosy執行役員)の不正行為

Gunosy執行役員(40歳)が警視庁により逮捕されました。ぱっと見Gunosyの役員による不正行為のようなニュースに見えちゃうんですが、逮捕容疑は前職の「ケイアイスター不動産」の執行役員時代に行ったものです。ケイアイスター社は21年3月にその不正について刑事告訴していたということです。

不正の概要

2018年10月~20年2月、ケイアイスター社のネットシステムの開発や保守管理などを請け負っていた宇都宮市のウェブ制作会社の20代男性社長と共謀し、男性社長に業務委託費を水増しさせて約1億円を請求させ、ケイアイスター社に約3,100万円の損害を与えたというのが逮捕容疑だそうです。

その後、水増し分の3,100万円は同容疑者が代表を務めるコンサル会社や自身の口座などに送金されていたといいます。いわゆるキックバックですね。リクルートキャリアやクリーク・アンド・リバー社などを経てケイアイスターに入られた方のようです。上手い具合に会社を渡り歩いた人のようですな。

伏せられた不正の情報

同容疑者は2021年6月にGunosyの執行役員に就任しているようです。その3か月前にケイアイスターが刑事告発しているわけですが、Gunosyとしては不正について何も知らされることなく採用してるってことなんでしょうね。ケイアイスターは不正の発見から刑事告訴に至るまで、何も開示していないみたいです(kuniがチェックした限りでは)。

で、逮捕時はGunosy執行役員、、、ってことですから、報道のタイトルはGunosy社の名前が踊ります。多くの人の記憶にも「Gunosyの役員が逮捕されたんだって」ってなりますよね。ちなみに、この記事を書いている段階で既にホームページ上執行役員紹介から削除されていました。Gunosyは採用から1年少々、この執行役員にどういう評価をしてたんでしょうね。