北弘電社 上場廃止は免れたものの

太陽光発電案件において、工事原価総額の見積りの見直し等により四半期報告書が提出できず、取引所からの監理銘柄(確認中)に指定されていた北弘電社。取引所が指定する最終期限10/27に、なんとか四半期報告書等の提出を完了させました。

上場廃止

10/27に提出できなければ上場廃止となるところだったわけで、まずはめでたし、めでたし、というところです。例によって、限定付適正意見のついた独立監査人の監査報告書及び限定付結論のついた四半期レビュー報告書を受領してますけどね。取引所からの監理銘柄(確認中)指定も同日解除されています。

決算の内容

今回提出された第1四半期の四半期報告書。上場は維持したものの決算の内容は酷いことになっています。工事原価総額の見積りを見直したため、第1四半期の最終損益(非連結)は16.3億円の赤字(前年同期は2.6億円の赤字)に赤字幅が大きく拡大してるんですね。

併せて、通期の同損益を従来予想の1.2億円の黒字から、18.1億円の赤字(前期は30.7億円の赤字)に下方修正し、一転して赤字見通しとなっています。問題はこの赤字額、前期末の純資産を58.2%毀損する規模になっていることです。

今後の見通し

太陽光発電所建設工事において、天候悪化、軟弱地盤対策、地中障害対策等で土木工事の遅延が発生しており、工期延長となっている模様。工事の初期段階からこんな状況ですから、さらに原価が上がる可能性もありそうです。工期延長による請負契約に基づく補償が発生する可能性も。

そしてさらに、特別調査委員会による調査費用や、過年度決算の訂正に要した費用等についても現時点ではまだ計上されていません。上場廃止は免れたものの、この後が大変そうです。