テスラ ARPU (Average Revenue Per User)

7/14付け日本経済新聞の「テスラが変える車のKPI」という記事の中で「ARPU」が使われていました。なにこれ、ARPU、、、kuniは知りませんでした。記事では(ユーザー平均単価)と書かれていて、ユーザー一人あたりの売上高を指すと説明されています。

テスラのココが凄い

テスラのEVの凄いところは、購入した後にソフトウエアのアップデートにより、どんどん車が進化していくところ。などとよく聞きます。実際にテスラのホームページではアップデートの方法などが紹介されています。

車両に新しい機能を追加したり、既存の機能をさらに向上させることができます。と説明されています。アップデートが可能になると運転席のタッチスクリーンで知らせてくれるんですね。車がWi-Fiに接続されるとアップデートが自動的に始まるそうですが、アップデート中は車両の運転はできません。とのこと。

アップデートでテスラシアター見放題とか、複数言語でカラオケなどなど、コネクテッドサービスも順調に拡大中だそうです。これクルマのサービスですからね。これらの中に有料のプランもあり、ここでの収益がまさに、ユーザー一人あたりの売上高を増加させるわけですね。

もうほとんどこれは車ではなくて、電化製品です。いや、「道路も走れるスマホ」みたいなもんですかね。ソフトウエアの書き換えで次から次へとサービスを提供する。しかし凄いことを考えたもんです。どうして米国の企業はこういう儲けるための仕組み作りに長けているんでしょう。

問題は価格

テスラのホームページでは車の紹介画面の隅に何げなく「今すぐ注文」ボタンがあります。これ、結構新鮮ですよ。おそらく数百万はする買い物をボタン一つで、、、。最も安いモデル3で511万円~となっています。う~ん、これが現実だなぁ。まずは躊躇なくこのボタンが押せないとなぁ。

レオパレス21 (8848)追報

レオパレス21が一段とヤバイことになってきました。株価の方は6月下旬に大きく売られ、260円台から一気に160円台まで下落しました。大量保有報告で、旧村上ファンド系の投資会社、レノの保有割合が低下している、なんてのがあり、これが材料視されたようです。

株価は企業の将来を映す鏡

「株価は企業の将来を映す鏡」などと言います。このところの同社の急落はかなりいやらしい下げ方でした。今年3月まで83%台まで改善していた入居率でしたが、4月以降は一転して悪化し始めます。ここからはコロナの影響ですね。6月は79.43%まで低下しています。

7/2にレノの保有割合低下の報を受けて、ダメ押しした後は小康状態ですが、戻りは鈍いです。800億円の純資産がほぼ吹き飛んでしまい、1000人の希望退職者を募るとか、家賃の1000円値上げという話題も、、、。そろそろ自分たちでできることがなくなってきています。

先月も書いたように、もうおそらくここからは銀行次第という面が強くなってきます。銀行が救済するかどうかという意味では、レノのような投資会社が引いていくのは好都合かもしれません。

しかし、今後この銘柄はどんどん投機筋の対象になっていきますので、値動きが激しくなっていくと思われます。値動きの良さで投機家は集まりますが、ある日突然ニュースが出て倒産なんてことがあり得ます。株式投資初心者さんは決してこうい銘柄に手を出さないようにしましょう。

当ブログで取り上げているのは、ガバナンスやコンプライアンスの問題ある企業として取り上げているだけですからね。

楽天 周波数の無断変更に行政指導

総務省は7/10、楽天モバイルに対し、同社がスマートフォンの対応周波数の一部を無断で変更するなど、電波法に違反したとして行政指導しました。楽天モバイルの携帯事業に対する行政指導は5度目だそうです。総務省も彼らに期待しているがゆえに歯がゆい思いでしょう。

ワンマン経営

良くも悪くもこの人なんでしょうね。もともと楽天は創業者でもある三木谷氏のワンマン経営と言われ続けてきました。おそらく今もそれは変わってないんでしょう。モバイルだけではなく、楽天市場でも、「送料無料」を巡る公正取引委員会との対立が話題になりました。

ワンマンで強引だからこそ、短期間であそこまでの企業グループを作り上げてこれたわけです。プロ野球球団は日本一になりましたし、J1ヴィッセル神戸も強くなりました。日本でイニエスタ選手のプレーが見られるなど、kuniも喜んでいます。

しかしその一方で、何それ?って驚くほどのミスや不正も後を絶ちません。これもワンマン経営が産み出す副産物なんでしょう。オーナーの判断には誰も異を唱えることなく、オーナーへの忖度から、目標を達成するためには手段を選ばない。そんな組織になってしまっているようです。

再発防止

今回の行政指導を受け、法令順守の徹底やマニュアル整備、チェック体制の整備といった防止策を総務省に提出。12月末まで、再発防止の取り組み状況を毎月報告することになりました。行政ではよくあるパターンですね。

これらの再発防止策は実務を行う人たちを縛るルールです。不正を発生させないルールがあっても、経営と現場が乖離したままでは、現場の人たちが苦しむだけ。経営をけん制する取締役や監査役、現場の声を経営にあげる管理層の機能についても見直す必要がありそうです。

コロワイド 大戸屋ホールディングスにTOB

深夜の開示情報に面白い情報が多いんですが、今回コロワイドの開示は7/9の早朝、8時15分でした。同日の取締役会で決議したといいますから、かなり早起きの取締役会ですね。書面決議かもしれないけど。株主総会で負けたコロワイド。早速次の手を打ってきました。

6/25 定時株主総会

大戸屋の株式19.1%を保有する筆頭株主のコロワイド。大戸屋に対して12名の取締役候補者の選任を求める株主提案をしていました。大戸屋の連結子会社化まで見据えた提案でしたが、総会では否決されました。

そして次にコロワイドが打ってきた手がTOB(株式公開買付)というわけです。ある程度予想されていたとはいうものの、新型コロナの影響でこの業界の将来が見えなくなりつつあるだけに、正直まだやるか、、って感じです。買収しても、この環境下で立て直せるとは思えません。

創業者である前社長が亡くなり、新経営陣に前社長の妻と長男が対立。お家騒動に発展し、去年の10月、妻と長男が保有する18%を超える株式をコロワイドに譲渡してしまいます。で、コロワイドが提案した12名の取締役候補の中に長男の名前も。創業家と新経営陣とのお家騒動。最近多いですね。

今度の株主の判断は

TOBの価格は3081円。直近の大戸屋株式に40%以上のプレミアムが付いています。TOBにより51%まで株式を買い増して子会社化する目的です。総会では提案が退けられましたが、今回は株主はどう判断するのでしょう。

前回は売れない株をより高く導いてくれそうな経営者を選択しただけ。そして今回は10年来の高値で買い取ってくれるわけで、その後の経営者なんて知ったこっちゃない、ってのが株主の本音でしょう。一連の騒動、勝者は大戸屋でもコロワイドでもなく、売り抜けた株主、となりそうです。

東芝 コンプライアンス有識者会議設置 内部監査100人体制へ

東芝は7/8、子会社で発覚した架空取引問題などを受け、法令順守強化のための「コンプライアンス有識者会議」を新設したと発表しました。2年をめどにグループの内部監査にあたる社員を約100人規模へと倍増させる考えを明らかにしたとのこと。

東芝ITサービス

架空取引があった子会社は東芝ITサービスで、製品やサービスのやりとりが存在せず、資金のみが循環する「架空循環取引」が行われていました。最終結果がはっきりしていませんが、とりあえずネットワンシステムズの一社員が主導した架空取引に巻き込まれたかのようなお話になっています。

東芝の事件

過去にも多くの事件を起こしてきた東芝。kuniが社会人になった当時、東芝機械ココム違反事件が起きました。同社が共産圏へ輸出した工作機械によりソビエト連邦の潜水艦技術が進歩し、アメリカ海軍に危険を与えたとして日米間の政治問題に発展した事件です。

最近では2015年の粉飾決算が最も大きな事件でしょう。7年間にわたり2000億円以上の税引き前利益をかさ上げしていたという事件。高すぎる収益目標を掲げ、厳しく達成を求める「チャレンジ」という制度が有名になりました。

その後米国原発事業で巨額損失が発覚し、債務超過で東証2部に降格までしました。そして今年1月に東芝ITサービスで架空循環取引が発覚します。

100人?

皆さんがお勤めの会社、監査部門に従事する人はどのくらいいらっしゃいます?東芝は2年間で倍増させて100人体制にするそうです。グループ全体を監査する機能で、倍増して100人です。現時点では50人くらいってことですね。

kuniが以前勤めていた会社、7000人くらいの会社でしたが、監査部には少なくとも50人以上居ましたね。東芝はグループで128,697名(19年3月末)だそうです。この規模の企業を100人に倍増して監査って、、、どおりで不正が絶えないわけです。