三菱重工 子会社で排ガス測定値のデータ改ざん

報道で知ったんですが、三菱重工の子会社である重環オペレーション株式会社は、いわき市北部清掃センターにおける排ガス測定値(排ガス中の NOx 濃度)のデータを改ざんし、いわき市に提出していたということです。三菱重工も最近いろいろありますねぇ。

重環オペレーション株式会社

重環オペレーション株式会社は三菱重工の子会社で、三菱重工などが建設した環境装置施設の運転管理を担当する会社のようです。いわき市北部清掃センターでは、NOx 濃度の時間単位の管理目標値を50ppmとしていますが、これを過去に3回、わずかに超えてしまった際にデータを改ざんしていたとのこと。

重環オペレーションのホームページで確認しましたが、ほんのわずかで、瞬間的にって感じです。上限50ppmというのはいわき市が目標として設定している数値で、法令の排出基準は250ppmらしく、なんでまたこんなバカなことをという不正ですね。

運転責任者が、「社内会議等でその事実(目標値を超過したこと)が公開されることを嫌ったため」というのが発生原因とされていました。

まさにガバナンスの問題

ごみの組成や投入量により、窒素酸化物濃度等の管理目標値を一時的に超過する事は通常に運転する中での変動として起こりうる事であるにもかかわらず、会議で報告され、咎めを受けることを怖がったということのよう。この態勢が問題ですね。現場に過度のプレッシャーがかかっていたようです。

同社ではごみ焼却処理施設だけでも全国に33事業所あるようです。上記と同じ状況が想定されますので、早急に横展開(同じことが他でも起きていないかどうかの確認)が必要ですね。

パスコ H3ロケットの打ち上げ失敗で先進光学衛星失う

少し前の話になりますが、パスコは3/7、「先進光学衛星の打上げに関するお知らせ」を公表しました。2月の発射は延期となり、迎えた3/7の発射が打上げ失敗に。あのH3ロケットにパスコが運用する予定だった先進光学衛星「だいち3号」が搭載されていたんですね。

悪いことは重なるもので

前回当ブログで取り上げたのは、同社における従業員の不正行為でした。利益を先送りする不適切な会計処理が行われていたことが発覚し、今も特別調査委員会を設置して調査を続けているところです。これにより、四半期報告書も提出できず、当局から承認された延長後の提出期限4/7に向けて、頑張っているところかと思われます。

そこへ、今度は同社の先進光学衛星を搭載したH3ロケットの打ち上げ失敗。自爆処理されたということですから、この衛星も消えてなくなってしまいました。先進光学衛星「だいち3号」の開発費は379億円だそうです。

パスコではこの衛星のプロジェクトのために自社で開発した地上システム等に1,660百万円を投資しているそう。すべてが無駄になるのかどうか分かりませんが、打ち上げ失敗による損失は少なからず発生するようです。もちろん、打ち上げ失敗に係る損失には保険が掛けてあるようですが。

株価の方も

株価の方も影響を受けていて、不正発覚の第一報で1,400円台の同社株価は120円ほど下落。その後下落分をほとんど回復した矢先に打ち上げ失敗でまた同じくらいまで売られてしまいました。株価収益率で見ても、株価純資産倍率でみても割安な株なんですけどね。さすがに3度目の悲劇は避けたいものです。

避暑地ならぬ「避粉地」だそうで

3/11付の日本経済新聞に、「花粉少ない『避粉地』へ 目も鼻も快適に旅行や仕事」という記事がありました。冬が終わり、暖かくなってきましたが、ここからは花粉症の人にとってはもっとも憂鬱な季節らしいですね。そこで、「避粉地」なんだそうです。

避粉地と呼ばれる地域

「ひふんち」という読み方で良いのかなぁ、この言葉初めて聞きました。kuniは幸い、まだ花粉症を発症してないので、花粉症の人達の辛さは分かりません。まぁ、それでも家族は全員花粉症なので、「辛そうだなぁ」くらいには感じてますけどね。

記事では花粉を避けられる避粉地として、沖縄県・竹富島のリゾート施設や、北海道の釧路市、東京では小笠原諸島などが紹介されていました。調べてみると他にも、東京都の八丈島や、鹿児島県の奄美群島なんかが出てきましたよ。

意外なところでは、東京からもそう遠くない群馬県草津温泉も。「草津温泉」は標高1,200mという高地にあるため、標高1,000m以下で植生されているスギやヒノキの花粉の飛散量がかなり少ないんだそうです。

コロナで変化も

新型コロナを乗り越える過程で、リモートワークやワーケーションというテクニックを身に付けましたし、避粉地と呼ばれる地域においても、そうした施設等が充実したと思われます。そう考えていくとこの「避粉地」って、今後意外に伸びしろあるかもしれませんね。令和の時代は避暑地ではなく、避粉地なのかもしれません。

パソナグループ ワクチン受付業務で委託先が3自治体に10億円の過大請求

パソナグループは2/10、「当社子会社の受託案件における委託先事業者による過大請求について」 を公表しました。子会社のパソナが吹田市、西宮市、枚方市よりそれぞれ受託していた新型コロナウイルスワクチンの接種に関する業務において、不正が発覚したという事案です。

パソナグループ

パソナグループは人材派遣、人材紹介、BPO(業務の外部委託)などを手掛ける大手人材サービスグループ。傘下に人材派遣が主力のパソナやパソナテック、キャプラン、コンタクトセンター・BPOサービスを提供するビーウィズ、アウトソーシングサービスを提供するベネフィット・ワンなどがあります。

事案の概要

吹田市、西宮市、枚方市よりそれぞれ受託している新型コロナウイルスワクチンの接種に関する業務において、その業務の一部を再委託している事業者(株式会社エテル)が、委託料計約10.8億円を過大請求していたというもの。

新型コロナウイルスワクチン予防接種に関する市民向けコールセンター・ヘルプデスク運営業務について、エテルは実際にはオペレーターの人数を確保できておらず、少ない人数で業務に対応。電話の対応件数や応答率などを水増しして虚偽の報告をしていたということです。

不正を行ったのは再委託先のエテルという会社ですが、パソナとしても、委託元としての管理責任が問われているということですね。いろいろとよろしくない噂が聞こえてくるパソナ、多くのメディアが報道してましたが、なぜか日経だけはこの事件について触れていません。なぜなんでしょうね。

このところ公金を巡る不正が後を絶ちませんが、厚生労働省は全国の自治体に対し、同様のことが起きていないか確認するように文書を出したようです。コロナ絡みの過大請求、他の自治体にも広がりそうな気がしますね。

島津製作所 調査結果の報告が面白い

島津製作所は2/10、「外部調査委員会からの調査報告書受領及び当社の対応について」を公表しました。子会社の社員が医療機関に納品したX線撮影装置の故障(一定期間が経過すると回路を遮断するタイマーをセットし、自動的に故障するように仕掛けていた)を装って修理をしていた問題ですね。

調査報告書に基づく同社の発表

「不正の可能性を疑うべき事情があり、かつ、正常取引であることを示す証拠や不正の実行可能性を否定する証拠が確認されない事案」として38件の事案(熊本県・宮崎県・鹿児島県・長崎県)を選定した。んだそうです。

日本経済新聞の報道

この件について日経は、「既に判明していた熊本県内の5件の不正のほかに、熊本・宮崎・鹿児島・長崎県の医療機関で合計38件の不正行為が疑われる事例があった。」と伝えています。開示文書と比べると、不正である蓋然性がより高いという印象を与える書きぶりです。

さらに、「新たに不正行為の疑いがあると分かった38件でも、相手先の病院に不正に得た修理費用を返還するなどの補償を実施する。43件の補償額は合計で約9000万円になる見通しだ。」と続けていました。

関係者の処分についても

開示では、島津メディカルの代表取締役社長 減給 10%(1 か月)、常務取締役
技術本部長 常務解職、技術本部長解任とだけ記されているんですが、日経では、「社長は10%減給とし、技術本部長だった常務は常務職と技術本部長を解く。ただ、社長の減給は1カ月で、元常務は取締役には留任する。」と伝えています。

「たった1ヶ月、10%だけかよ」とか、「取締役には残るんかい」みたいな、記者の主観が伝わってくる感じが、なかなか面白いです。