THECOO株式会社 従業員による不正行為で特別調査委員会を設置

THECOO株式会社は5/8、「当社従業員による不正行為及び特別調査委員会の設置に関するお知らせ」を公表しました。特別調査委員会を設置して事実関係の調査を行うため、5月12日を予定していた2023年12月期第1四半期の決算発表を延期するということです。

THECOO

THECOOは、一般ユーザー向けにファンコミュニティプラットフォームを提供するFanicon事業、企業向けのマーケティング施策支援などを行う法人セールス事業を展開する企業。Fanicon事業とは、タレントやアーティストとそのファンがともに形成するネット上のコミュニティサイト「Fanicon」の提供および運営管理を行う事業だそうです。2021年末に東証グロースに上場したばかり。ちなみに社名の読み方は「ざくー」みたい。

不正行為の概要

開示によると、2019年度以降、同社従業員複数名が自身らと関連を有する会社等に対して架空発注や水増発注による不適切な発注を行っていたことが発覚したということです。架空発注及び水増発注の規模は、現時点で最大で合計77百万円と想定しているとのこと。上場前からの行為ってところや、複数名ってところは気になります。

今のところ開示されたのはここまで。何の目的で架空発注や水増発注を行っていたのかも分かりません。まぁ、このてのケース、ほとんどが発注先から水増し等した金額がキックバックされて従業員の懐に入っていたってやつですよね。もしくは、発注先にプールした資金を使って原価の付け替えなど。

調査期間

特別調査委員会は、この不正発注による業績への影響を判断することを調査の最優先事項とし、当該事項に関する中間報告書を2023年5月15日までに提出する予定だそうです。決算発表を優先した対応であり、不正発注の規模等についてはあらかた想定できている感じですね。

ダイダン株式会社 従業員の不正行為に関する調査結果

ダイダンは4/26、「社内調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」を公表しました。工事下請負業者と協力し、水増し又は架空発注を行った上でキックバックやら工事原価の付替えなどを行っていたことに関する社内調査委員会の調査結果ですね。

キックバック

特定の工事下請負業者と共謀し、当該業者に対して水増し又は架空発注を行った上で、その水増し又は架空発注額の一部をキックバックとして受領し、接待交際費に費消していた事案。同社に発生した損害額は、総額で約173百万円ということで、3月の開示時点の金額と同じです。

このキックバック不正に関与した従業員は、同社大阪本社に勤務する技術部門担当者5名であり、いずれも工事現場において管理監督する役職で、外注発注業務の申請権限を有している者でした。5名のうち4名が懲戒解雇、1名が諭旨退職となっています。

原価付替不正

一方の原価付替不正に関しては、関与した従業員が、同社大阪本社に勤務する現場代理人13名、技術部門課長2名、及び技術部門部長1名の計16名だそう。原価付替不正に関わった従業員についても、同社規程に則り、厳正な処分を行ったということです。

私的流用

キックバックに関与していた従業員はいずれも、私的流用の事実を認めるに至らなかった。という調査結果になっています。しかし、当該資金の使途は、取引先接待のための旅行代金、食事代、ゴルフ代等に費消していたということですし、取引先との接待に多額の金銭を費消していたことも認められており、従業員は私的にも十分楽しんでますよね。まぁ、それでも私的流用とは言わないらしいっす。

サカイホールディングス 今度はグループ会社従業員が窃盗で逮捕

サカイホールディングスは4/18、「弊社グループ会社の事件について」を公表しました。グループ会社の従業員が、窃盗の容疑で逮捕されたということです。不祥事続きの同社ですが、今度はなんと香典泥棒だそうです。落ちるところまで落ちたって感じです。

おさらい

サカイホールディングスは、ソフトバンクショップを運営する移動体通信機器販売関連事業をコア事業に、再生可能エネルギー事業、保険代理店事業、葬祭事業、不動産賃貸・管理事業、ビジネスソリューション事業を展開する東証スタンダード上場企業でしたね。

事件の概要

香典袋に入っていた現金12万円を盗んだ疑いで、同社グループ会社の、「ティア安城桜井」を運営するエスケーアイマネージメント株式会社の従業員が、窃盗の容疑で安城警察署に逮捕されたということです。「ティア安城桜井」はエスケーアイマネージメントが8カ所で運営する葬儀会館の一つです。

これまでの経緯

事件としてはしょうもない窃盗ではありますが、サカイホールディングスは不祥事続き。当ブログで最初に取り上げたのは、連結子会社である株式会社セントラルパートナーズにおける会計不正でした。その後会計監査人が変更になり、株主総会ではそれまでの経営陣が退陣を余儀なくされました。

この時監査役も辞任されてるし、他にも株主代表訴訟やら、元取締役からの損害賠償請求訴訟なんかもあったりします。それでも新社長が就任して、さぁ、これからというタイミングで、この香典泥棒、、、ということなんですね。やっぱりダメですかね。

株式会社レイ 従業員による着服行為が発覚し、第三者調査委員会を設置

株式会社レイは4/14、「第三者調査委員会の設置に関するお知らせ」を公表しました。これより前の4/10に、決算発表の延期を公表しており、その時点で従業員による不正行為が原因であることを発表してたんですね。残念ながら見落としてました。

株式会社レイ

株式会社レイは、SP(セールスプロモーション)、TVCM(テレビコマーシャル)などの企画制作と、デジタル映像インフラを駆使した実制作を行うほか、デジタル映像機器のレンタルも行う企業です。テレビ朝日ホールディングスの持分法適用関連会社(テレビ朝日が同社株式を20%保有)。東証スタンダード上場企業ですね。

不正行為の概要

開示では、令和5年2月期に係る決算作業中に、同社従業員による着服行為が行われていた可能性を認識したとしています。当該従業員に対するヒアリングにより着服行為の事実が確認されたとのこと。さらに社内での調査により、この着服行為が過去数年にわたって行われていたことを確認しているようです。

全容の解明及び原因の究明並びに同種の事案の有無について、より客観的かつ専門的な見地から、本取引およびその他の過去の会計処理に疑義の生じる可能性のある取引等についてさらに網羅的に調査を行い、事実関係を正確に把握して問題点を解明するため、第三者委員会を設置した、としています。

今のところ開示されているのはここまでです。日本弁護士連合会の定める第三者委員会ガイドラインに準拠して、委員の選定を行っているあたり、それなりにインパクトのある金額の着服だったであろうことが窺えます。

コナミデジタルエンタテインメント 従業員が殺人未遂容疑で逮捕

日本経済新聞は4/12、「消火器で元上司殴打疑い コナミ関連会社の男逮捕」と報じました。職場で元上司の男性(48)の頭を消火器で殴り殺害しようとしたとして、ゲーム制作会社「コナミデジタルエンタテインメント」社員が殺人未遂の疑いで現行犯逮捕されたということです。

コナミデジタルエンタテインメント

コナミデジタルエンタテインメントは、上場しているコナミグループの100%子会社で、モバイルゲーム、家庭用ゲーム、カードゲーム、音楽・映像ソフト、グッズ等の企画、制作、製造及び販売を行う同グループの中核企業です。

事件の概要

銀座にある事務所で、座っていた元上司の男性の背後から男性の頭部を消火器で殴って殺害しようとしたという容疑だそう。元上司の男性は頭部打撲の7日間のけがをしました。調べに対し容疑者は、「パワハラを受けていて、殺すつもりで殴った」と話しているそうです。

かなり、ヤバい事件ですね。2人は以前、同じチームに所属しており、上司と部下の関係だったとのこと。逮捕された男は会社側に被害男性からパワハラを受けたと相談していたが、会社側は「パワハラの事実はない」と判断。2020年8月から男を別のチームに異動させる措置を取っていたといいます。

お知らせも含め、開示はまったく

現行犯逮捕ですから、事件に関しては疑問はないんですが、会社側がパワハラはなかったとした判断はどうだったんでしょうね。そこが気になります。報道を受けても、コナミグループ、コナミデジタルエンタテインメントともに何ら開示をしていません。しっかり調査したうえでの判断だったのであれば、その旨説明した方が良いと思うんだけど。