大阪ガス グループ投資先における火災事故の影響

少し前の話になりますが、大阪ガスは7/4、「投資先における火災の発生による当社グループへの影響について」を公表しました。同社グループの投資先であり、かつ LNG 調達先の一つであるフリーポートLNGプロジェクトの液化基地において火災が発生し、基地の操業が停止しているとのこと。

大阪ガス

大阪ガスって正式名称は「大阪瓦斯株式会社」なんですよね。「瓦斯」という漢字、もう日本で使われてないでしょうに。大阪ガスは大手都市ガス会社の一角で業界第2位。主力のガス事業では、泉北(大阪)と姫路(兵庫)でLNGを受け入れ、都市ガスを製造。関西圏の近畿2府5県83市35町を供給区域とし、ガス供給件数は503万件という会社です。

火災事故

日本時間の6/9、LNG 調達先の一つであるフリーポートLNGプロジェクトの液化基地において火災が発生し、基地の操業が停止しているとのこと。7月になって、同プロジェクトより今後の操業再開に向けた見通しとして、2022年10月上旬に部分的な操業再開を見込む旨が発表され、同プロジェクトの操業停止期間が当初見込みから延長されることになったという開示です。

火災発生当時はもっと甘い見通しを持っていたということのようですね。そのため、火災発生に関する開示はしておらず、1ヶ月経っての開示となっています。どうなんでしょうね、これ。隠ぺい体質というのは言い過ぎでしょうか。

今度は LNG(液化天然ガス)

ちょっと前まで半導体不足で大騒ぎしていましたが、なぜか当時は半導体工場の火災やら事故が相次ぎました。で、ここへきて「節電」ならぬ「節ガス」が叫ばれ始めるなか LNG(液化天然ガス)供給基地での火災事故。悪いことは続くと言いますが、もうそろそろって感じですね。

SBSホールディングス 物流センターで火災事故

SBSホールディングスは7/4、「火災発生に関するお知らせ」を公表しました。TDnetでの開示はこれが初報なんですが、よくよく見てみたら当該火災の発生は6/30の18時過ぎなんですね。同社ホームページ上では7/1に初報が掲載されていました。どうなんだかなぁ、こういう対応。

SBSホールディングス

SBSホールディングスは、主に企業間物流の分野で総合的に展開する物流事業を基幹とし、物流施設の開発・販売などの不動産事業も行う企業です。企業の物流業務を包括的に受託する3PL(サード・パーティ・ロジスティクス)事業などを展開する東証プライム市場上場企業です。

火災の状況

茨城県稲敷郡阿見町というところにある、同社連結子会社SBSフレック株式会社阿見第二物流センターで6/30、18時過ぎ火災が発生しました。7/4時点でも消防による消火活動が継続中であり、鎮火に至っていないということです。丸4日燃え続けてるってことですね。

人的被害はないようで、発生当日に工事関係者1名がのどの痛みを訴え搬送されましたが、退院し回復に向かっているとのこと。同社従業員は全員無事を確認しているということです。

また、消火活動中の7/2には、フラッシュオーバーが発生したんだそうです(これによるけが人等はなし)。昔の映画で「バックドラフト」っていう映画がありましたが、似たような現象みたい。室内の局所的な火災が、数秒~数十秒のごく短時間に、部屋全域に拡大する現象の総称らしいっす。厳密にはバックドラフトとは違うみたいです。

原因等はまだ分からないようですが、上述の搬送された人物のことを「工事関係者」と呼んでいますので、同物流センターにて何かしらの工事を行っている際に発生した事故ということのようですね。

コーナン商事 子会社建デポ店舗で火災事故 パート従業員が放火

少し前の話になりますが、コーナン商事は6/13、「建デポ草加瀬崎店における火災について(お詫び)」を公表しました。ニュースでものすごい勢いで燃える火災事故を伝えていましたが、建デポという名前を聞いたことがなかったので、上場企業の関連だと気付きませんでした。

コーナン商事

コーナン商事は大阪を発祥とする関西地盤のホームセンター大手です。通常のホームセンター業態に加え、建築・土木・電気工事・設備業に携わるプロおよびDIY上級者を対象とするプロ業態も手掛けています。このプロ専用の会員制総合建材店が「建デポ」というお店のようで、コーナン商事の100%子会社です。

火災事故

ニュースで見てましたが、ものすごい勢いで燃えてましたね。店舗からの炎が隣のマンションに迫る様子は強烈でした。6月13日(月) 17:00頃 発生し、23:30頃 鎮圧を確認。6月14日(火) 6:00頃 鎮火を確認したということです。従業員1名が病院へ搬送されましたが、けが等なく翌日には退院されたということです。

で、この火災事故、同店のパート従業員(32歳男性)による放火らしく、6/14には警察に逮捕されました。およそ1年前から勤務しており、商品の品出しなどを担当していたといいます。13日は正午から午後5時までの勤務で、仕事を終えて店を出る直前に火をつけたとのこと。

「お店に火をつけた。仕事でストレスがあった」。「防犯カメラに写らない作業靴売り場で火をつけた」。などと供述しているという報道をみましたが、ストレスで放火されたらたまりませんよね。どんなストレスだったんでしょう。従業員同士のもめ事や、非正規社員に対するハラスメントなんかもあったのかもしれません。

従業員も顧客も残っている店舗への放火。相応の動機、背景がありそうです。

ラサ工業 爆発事故の工場が稼働

ラサ工業は5/31、「高純度赤燐工場の一部生産再開についてのお知らせ」を公表しました。今年1/6に発生した同社三本木工場(宮城県大崎市)の爆発事故。その事故を起こした高純度赤燐工場の一部工程について生産を再開したということです。

高純度赤燐

爆発事故では従業員2名が負傷されていました。その後在庫の出荷を再開していたので大事に至らなかったって感じで見てたんですが、生産そのものは約5か月間停止したままだったんですね。今回の開示でも再開したのは「一部生産」となっていて、全行程の再稼働については今月中旬を予定しているとのこと。

同社にとって高純度赤燐を生産していたのは三本木工場だけだそうです。で、この化合物半導体の材料である高純度赤燐は、日本化学工業とラサ工業が世界的にシェアを二分している製品みたい。シェア上位2社のうち1社の稼働が止まっていたわけで、半導体業界にはそれなりのインパクトがあったと思われます。

当該事故に関し、今年5/13に同社が公表した連結業績予想数値に変更はないとのこと。「今回の事故を真摯に受け止め、生産活動再開に際しては再発防止と一層の安全確保に努めていく」としています。

このところ半導体関連の工場火災等の事故が多発しています。装置等の設備や工場の老朽化の問題もさることながら、事故が起きる背景には安全を維持するために必要なコストを削減するといった、非常にリスクの高い経営判断などがあったりします。経営陣には現場のリスクをしっかり認識していただき、二度とこういう事故が起きないようにしてもらいたいものです。

三幸製菓 ずさんな労働契約 積水化成品工業でも火災

少し前のニュースになりますが、2月の工場火災で従業員6人が死亡した米菓メーカー三幸製菓が、パートだった4人に労働条件を記載した書面を交付していなかったというお話がありました。報道各社の取材に対し同社が文書で答えたということです。

回答の内容

火災で亡くなった4人に加え、「一部のパート従業員」である「10名程度」への書面の不交付を認めたとのこと。労働基準法は賃金や労働時間といった労働条件を、書面などで明示するよう義務づけており、違法の疑いがあるずさんな労働契約が常態化していたと報道されています。

工場火災の発生とは直接関係ないかもしれませんが、やはりルールを逸脱してパート従業員の生産性を優先するみたいな経営方針は、労働環境の悪化を招き、最後には工場火災発生やその際の対処への備えといったことへ色濃く影響しているような気がします。

積水化成品工業 工場火災

話は変わって積水化成品工業はゴールデンウイーク前の4/23、「株式会社積水化成品大分における火災事故について」を公表しました。発泡ポリスチレンシートの製造を行う株式会社積水化成品大分において火災事故が発生しました。鎮火までに5時間近くかかった火災事故です。

幸い人的被害はなく、建屋および生産設備の一部に被害を受けた程度ということです。そのためか、開示はこの1回のみで、発生原因等、詳細についてはまだ開示されていません。三幸製菓の例のように、直接的な原因にとどまらず、火災につながるガバナンス上の何らかの問題がなかったのか、しっかり調べてほしいものです。