オリジナル設計株式会社 監査役解任のための臨時株主総会

オリジナル設計は5/9、「臨時株主総会招集のための基準日設定並びに臨時株主総会の開催及び付議議案決定に関するお知らせ」を公表しました。3/28に定時株主総会を開催したばかりの同社ですが、同総会を経てあらたに就任した監査役をクビにするということのようです。

オリジナル設計株式会社

オリジナル設計は、上下水道に関する調査・計画・実施設計・施工監理および都市施設情報などの公共事業に関する建設コンサルタント業を主な事業とする企業です。売上高の大半を官公庁が占め、日本下水道事業団からの売上高が全体の約4分の1を占めています。従業員300名ほどの東証スタンダード上場企業です。

開示の内容

要するに現監査役を解任して別の人物を監査役に選任するという議案。これだけのための臨時株主総会です。解任する監査役は今年3月の定時株主総会で選任したばかりの人物。

解任の理由は、「監査役就任後に発覚した事象をきっかけに、新たに行った社内調査の結果、監査役としての品位を損なう、職務の範囲を超えた発言・強圧的な振る舞いが確認され、監査役としての職務を逸脱する行為であると認識致しました」、だそうです。

他にも、「監査役会議事録に、監査役会開催時には存在しない書類を確認したと虚偽の記載」をしたとか、「監査役会における監査役報酬の協議の場において、同意の前提となる条件を社外監査役2名から提示していたにも拘らず、それを履行しなかった」など。

解任される監査役

今回解任されそうな監査役は、同社入社後、品質管理室長や内部統制推進室長、内部監査室長を歴任してきた人物。社内で起きそうな不正等にはかなり鼻の利く方だと思われますが、いったい何があったんでしょう。解任の理由を額面通り受け取っていいものかどうかも、、、分かりません。

株式会社サーキュレーション 代表取締役が違法薬物所持で退任

株式会社サーキュレーションは4/20、「代表取締役退任の開示に関する経過報告及び新経営体制に関するお知らせ」を公表しました。4/18には「代表取締役の異動に関するお知らせ」を公表していたんですが、その際の説明されていた理由は「一身上の都合により」ということでした。

株式会社サーキュレーション

株式会社サーキュレーションは、企業に対し様々な経験や知見を有する外部の専門人材を紹介し、経営課題の解決を支援するサービスを展開する企業。雇用契約を前提とする人材紹介などと異なり、外部の専門人材を準委任契約によりプロジェクト単位で活用できるそうです。設立からまだ10年未満という、東証グロース上場企業です。

違法薬物所持

代表取締役社長から4/18、「違法薬物所持の疑いにより捜査を受けたとの申出及び辞任の意思表示」があったということです。違法薬物というのは、大麻・覚せい剤・脱法ハーブ・危険ドラッグなどを指している言葉らしいのですが、今回の開示ではその詳細までは分かりません。

今のところ、「捜査を受けた」ということだけしか開示されていませんが、全く身に覚えのない捜査であれば辞任の意思表示、とはならんでしょうしね。しかしまぁ、とんでもない事件です。

同社としても開示の中で、「本件は前代表による業務外の私的空間における純然たる私的な行動」と言ってますが、世間の目はそう割り切ってはくれないでしょう。前代表は現在も同社の筆頭株主(33%を保有)ですので、当面はこれがどうなるか、が注目されることになりそうです。

ディーブイエックス(DVx)株式会社 社外取締役が社内規程違反で辞任

ディーブイエックス株式会社は4/11、「社外取締役による社内規程違反に関するお知らせ」並びに、「社外取締役の辞任に関するお知らせ」を公表しました。社内規程に違反して同社株を取得していたことが判明したため、取締役を辞任する旨を申し出たということです。

ディーブイエックス株式会社

ディーブイエックスは、心臓ペースメーカーをはじめ、不整脈関連の医療機器を輸入商社および国内メーカーから仕入れ、顧客である医療施設に販売する企業です。虚血性疾患向けの医療機器の仕入販売も手掛けています。東証スタンダード上場企業ですね。

インサイダーもどきで

この社外取締役は、2022年4月から2022年9月までの間に、社内規程に基づく事前承認手続きを経ることなく、同社株式を取得していたということです。親族名義でも買ってたみたい。

当該株式の取得については、法令違反行為に該当する事実は現時点で確認されていないものの、社内規程で定める売買禁止期間中の買付取引が含まれていたことから、今回辞任ということになったようですね。

当該買い付け期間の終盤、9月末から株価は反転上昇しており、絶好の買付けタイミングになってるような感じです。このままインサイダー取引に関しては不問で済まされるかどうかビミョーかもしれません(重要事実の有無など詳細までは調べていません)。

この社外取締役って、なんと監査等委員じゃないですか。総会資料をみると、「〇〇氏は、司法書士として企業法務に関する豊富な経験と見識を有しており、それらに基づく経営の監督とチェック機能を期待し、社外取締役として選任をお願いするものであります。」と書かれてます。なんともトホホな事案です。

サムティ 会計監査人(EY新日本有限責任監査法人)が退任

先月上旬に特別調査委員会の調査報告書を公表したサムティ。疑われていた特定の取引先等については、子会社又は関連会社のいずれかに該当するとの認定及び関連当事者に該当するとの認定には至らなかった。ということで一件落着かのように見えましたが・・・。

会計監査人

これまで同社の監査をしていたのは、日本における4大監査法人の一角であるEY新日本有限責任監査法人。特定の取引先が子会社又は関連会社のいずれかに該当するか否かで、EYの意見と会社側の意見が相違してきました。特別調査委員会は結果問題なし(超玉虫色)との結論でした。

ところが、3/31、同社は「会計監査人の異動及び一時会計監査人の選任に関するお知らせ」を公表しました。最後まで見解の相違は埋まらなかったようです。で、EYが退任し、あらたに一時会計監査人を選任しています。

新会計監査人

一時会計監査人に選任されたのはA監査法人(名前はとりあえず伏せておきます)。当ブログでは会計不正やら役職員の不正などを取り上げてきましたが、大手の監査法人がサジを投げてしまった際に、よく登場する監査法人がこのA監査法人なんですね。

同法人が担当するクライアントは、アジャイルメディア・ネットワーク、ピクセルカンパニーズ、小僧寿し、EduLab、東京衡機、などなど。何かしら問題が発生してしまった企業の駆け込み寺みたいな存在に見えます。

特定の取引先が子会社又は関連会社のいずれかに該当するか否か。ではなく、背景にもっとヤバい話がありそうだな、というのが正直な感想。会計監査人の変更が公表されたことでより一層・・・。

ビジョナリーホールディングス (メガネスーパー) その2

ビジョナリーホールディングスは3/15、「(開示事項の経過)2023 年4月期第3四半期決算発表の延期に関するお知らせ」を公表しました。今回の開示では、3/7に公表された社長の不正行為と決算発表延期に関するここまでの経緯について、追加で情報開示されています。

内部通報

やはり内部通報(外部窓口に対する匿名の通報)だったようです。その内容は、「同社社長と懇意な関係にある業務委託先企業2社(実質的に同社の関連当事者に該当するのではないか?)に対して不当な利益供与がされている可能性がある」というもの。

また、「社長はカラ出張等の不正な経費精算により会社経費の私的流用を行っている可能性が高い」という話も。ただこれに関してはここまでの調査では判明しておらず、同社においてではなく、社外の複数企業に関係する経費の可能性があるのでは、としています。

当該通報の特異性として、2022年7月1日から8月20日までの間の社長の移動、飲食、宿泊等に関する行動記録、及びその根拠としての多数の写真(調査会社により行動確認がされていたものと思われる。)が添付されていたんだそうです。一従業員による通報のレベルではなかったようですね。

やはり社長だけではなさそう

本件通報において名前を挙げられていたのは、「当社取締役・執行役員、社長との関係性及び同社内の役職等に基づき関係している可能性がある全取締役(社外は除く)・執行役員」となっていて、やはり、社長以外の取締役等も群がっていたようです。

そういえば、一昨日、取締役の1名が「一身上の都合によるもの」という理由で辞任されていましたね。この人もそうだったんでしょう。取引先企業を巻き込んだどんぶり勘定事案。さて、どこまで拡大するんでしょう。