中国の顔認証拡大とセブンイレブン

10/26付け日本経済新聞に「中国の決済、顔認証主流に コンビニも改札も手ぶら 14億人『超監視社会』近づく」という記事が。欧米や日本で問題になる「個人のプライバシー」など全く関係なし。こういうところでも社会主義は強いですね。やはり実装の中国です。

コンビニでも顔認証

スマホも使わずに決済ができる顔認証決済。コンビニの会計カウンターでは、タブレット端末に自分の顔を映すだけで決済が済み、導入店舗は約1千店に達したそうです。このコンビニは「セブンイレブン」。広東省など中国南部を中心に顔認証で決済ができる店舗整備を進め、現在約1千店舗で利用が可能になったとのこと。

西側諸国における顔認証

中国は顔認証の利便性を訴えており、政府が普及を急ぎ、一段と厳しい監視社会をつくる狙いもあるとみられる。と記事も指摘していました。中国政府は同法を根拠に個人の信用情報などあらゆる情報を企業から入手しているとの批判が国内外から絶えない。とも書いています。

一方で、西側諸国では、プライバシーの侵害や人種差別を助長するとして規制強化に動いています。米国では、中国政府が顔認証技術を使い、ウイグル族の監視など人権を侵害していると批判し、関連の多くの中国企業に輸出禁止措置を科したりしています。日本においても、個人のプライバシーに関する考え方は基本的には欧米と同じ方向性でしょう。

大丈夫か セブンイレブン

日経の記事で企業名が書かれていたのはセブンイレブンだけでした。セブンイレブンは日本や欧米ではおそらくかなり慎重にならざるを得ない顔認証を中国では先頭を切って導入しています。中国政府が個人の情報を企業から入手していると批判を浴びてる中でです。

もちろん、中国内では何の問題もないんでしょう。しかし、日本企業としてのポリシーが問われることにならないですかね。。。このところ不祥事の続いている企業だけに、気になりますね。

中国 草食経済

10/15 だったかな、日経産業新聞に「中国で健康食品が人気」みたいな記事がありました。わずか50年ほど前まで、餓死する人が絶えなかった中国。飢饉で数千万人が亡くなったこともありました。その頃はホントに草を食べて生きながらえていた人たちがたくさんいたそうです。

今では肥満大国

まぁ、日本も同じようなものですかね。戦後の混乱期は食べるもので苦労したそうですし、その後やはり飽食の時代、肥満や成人病に悩むようになりました。中国も日本の後を急速に追い上げ、今では肥満大国。記事では2016年のBMI指数を載せていました。成人男性で指数が25を超えている人の比率は、日本が27.2%で、中国は32.3%だそうです。完全に追い越してます。

こうなると必然でしょうね、脂っこい中華料理離れが起き、健康食品ブームになります。このことをメディアが取り上げ、「草食経済の勃興」と呼び始めたそうです。野菜や果物くらいまでなら自国の畑で作るなり、足らなきゃ輸入してくれればいいのですが、魚はちょっと困ります。

サバもサンマも高級魚に

最近、北太平洋や東シナ海で中国のサバ漁が増えているといいます。日本の漁船の数倍もあるような大型漁船が、虎網漁という日本では使わない方法で、小さなサイズのサバまで根こそぎ獲ってしまうんだそうです。漁業資源への悪影響がすでに出始めているようです。

回遊ルートの変化も指摘されているサンマですが、これも同じかもしれませんね。日本の10倍以上の国民が回遊魚を大好物と言い始めた日にゃ、サバやサンマの絶対量が減るのも理解できます。

サンマについては55万トンの漁獲枠で合意なんてニュースもありましたが、近年55万トンを超えたことなんてないらしいです。さっさと資源回復に寄与するまともな漁獲規制にしていかないと、マジでサンマも高級魚になっちゃいます。

GPS → GNSS

皆さんもよくご存じのGPS(グローバル・ポジショニング・システム)。GPSは全地球測位システムとも呼ばれる、アメリカによって運用される衛星測位システムです。もともとは軍事用に開発されたものですが、民間にも開放されました。この分野でも中国の躍進が続いており、GPSが運用する衛星数31個を上回り、中国は35個を運用しています。その名も北斗。

GNSS(グローバル・ナビゲーション・サテライト・システム)

中国の運用拡大により、GPSを総称として使うのってどうなのよ。ってことになってきたわけで、あらためてこれらを総称してGNSSと呼ぶようになってきています。グローバル・ナビゲーション・サテライト・システムです。これには米国のGPS、中国の北斗、ロシアのGLONASS、EUのガリレオが含まれています。

一方で全地球をカバーはしませんが、全地球型システムと組み合わせて使用することを前提とした、日本の準天頂衛星システムやインドの地域航法衛星システムもあります。日本では「みちびき」です。以前、運用開始で話題になりましたね。

スマホでも

我々が使用しているスマホにもGPSの電波を受信する機能が備わっています。そのおかげで誰でも知ってる用語になったわけですが、中国では北斗による全世界対象の運用を2018年末から開始しています。世界で販売されている大半のスマートフォンが対応可能とも伝えられてました。

この北斗の恐ろしいところ。それはGPSと違って、受信機側(スマホ)の位置情報が衛星側に伝わる可能性があることです。つまり中国政府が利用者の位置情報を得ること、これが理論的には可能ということ。悪意を持った利用者の追跡やら、サイバー攻撃といった困ったことに使われなければ良いのですが。