住友重機械工業 今度は中国への防衛情報流出

度重なる検査不正等の発覚、従業員による6億円を超える横領事件、メール誤送信による個人情報の流出などなど。当ブログでも常連となっている住友重機械工業。今度は子会社を通じた中国への防衛関連情報の流出です。もうシャレになりません。

機関銃の設計図

今回の事件、陸上自衛隊向けに製作した試験用機関銃に使われた部品の設計図面が、下請け企業を通じて孫請けである中国企業へ流出したといいます。経済産業省は海外との取引を管理する外為法に下請けが違反したとして、住友重機と下請け企業をそれぞれ厳重注意しました。

この問題に関する情報は政府からの一方的な公表です。住友重機械工業はこの件に関する情報を一切公表していません。なんなんでしょうね、このすれ違いは。報道によれば、同社は「今回の件を真摯に受け止め、下請け企業の管理を徹底したい」とコメントしているらしいのですが、同社ホームページ等では沈黙を守っています。

気になること

ある報道では、同社は機関銃生産について、売り上げ拡大が見込めないほか、生産設備の維持や技術者の育成が難しいなどとして、撤退することを決定している。今後はメンテナンスや整備用部品の生産は続けるが、入札には参加しない方針。と伝えていました。

儲からない事業なので新たな受注はしない。メンテナンスだけは奉仕する。みたいなこのコメントってどうなんでしょう。政府は事業として儲かるほどの予算は付けられない。無理を言ってやってもらってることなので、重大な違反があっても厳重注意まで。罰金はとれない。

企業側としては政府からお願いされてやってる事業。あまりうるさいこと言うんだったら完全撤退するぞ。みたいな関係でしょうか。米中冷戦が今後本格化していくのに、こんな関係で国防は成り立つのでしょうか。