レオパレス21 連結決算発表を延期 から一転発表へ

経営再建中のレオパレス21は13日、同日予定していた2022年3月期の連結決算発表を20日に延期することを公表しました。ところが週明けの5/16、一転して決算を発表し、22年3月期の連結最終損益が119億円の黒字(前の期は236億円の赤字)に転換する見込みとしました。

監査法人への通報

5/13の開示では、「監査法人に通報があり、2022 年 3 月期の決算内容を調査確認するため、当初予定していた決算発表日を延期する」と公表していました。監査法人への通報というのは以下のようなこと。

①1989年に当社取引先であった A 社との間で2億5,000万円の実体のない貸付をし、架空貸付金の計上がされている。
②同社と入居者の直接の賃貸借契約を、仲介業者経由として仲介手数料を不正に支払っている。
③毎月の入居率を意図的に高く公表するため、不当な操作をし、会計上の影響を与えている

ところがこれらの通報については、いずれも否定もしくは決算に影響を及ぼすものではないとの判断で、決算発表を延期することなく発表。施工不良問題をめぐる補修工事で損失引当金の戻し入れ益を計上し、22年3月期の連結最終損益が119億円の黒字(前の期は236億円の赤字)に転換する見込みということになりました。

なんとも残念なこのドタバタ感ですが、実際のところ何が起きてるんでしょうかね。監査法人への通報ってのはおそらく内部通報でしょうから、社内にはこれまでの経営に対する疑問や批判的な意見を持つ人が少なからず居るということか。

株価の方は黒字化の報を受けて急騰していますが、、、それでも、これで落ち着くという感じがしない会社です。

グローム・ホールディングス 特別調査委員会を設置

グローム・ホールディングスは5/12、「特別調査委員会の設置及び2022年3月期決算発表の延期に関するお知らせ」を公表しました。連結子会社であるグローム・マネジメント株式会社において、不適切な取引が行われていた可能性があることが判明したということです。

グローム・ホールディングス

グローム・ホールディングスはもともと不動産関連事業を営む企業でしたが、成長の見込める病院関連事業に特化・集中する方針のもと、事業分野を転換し、医療法人の病院運営に関する経営支援業務などの拡大を進める企業。東証グロース市場上場企業です。

過去にもいろいろと

2018年11月には、インサイダー取引で代表取締役社長等が起訴されたり、2021年には、子会社で不正な取引行為(架空取引など)が行われていたことで、有価証券報告書等の虚偽記載について、4,395万円の課徴金納付命令を受けています。

さらに同年6月には、子会社のグローム・マネジメントで島津製作所との提携話をフライングで公表。親会社が誤発信として取り消す騒ぎなんかもありました。

今回は

そして今回公表されたのは、そのフライングした100%連結子会社のグローム・マネジメントにおける、不適切な取引ということです。いや、この時点でも不正な取引と考えてよさそうです。

提携している医療機関を経由して、当該提携先医療機関の代表者の親族が代表者を務める別法人に資金が移転された可能性があり、取引の実在性に疑義が生じているといいます。

その金額は、2021年3月期は6,260万円、2022年3月期は1,870万円で、総額8,130万円にのぼるそうです。これ以上の詳細情報はありませんが、基本的にガバナンスが機能していない企業なんでしょうね、まぁいろいろと出てきます。

日本製鋼所 検査データ不正(その2)

日本製鋼所は5/9、「当社子会社の一部製品における品質検査の不適切行為の判明と特別調査委員会の設置について」を公表しました。子会社の日本製鋼所M&Eが生産した鉄鋼部材で検査不正があったという事件ですね。昨日に続いて(その2)です。

子会社?

子会社での検査不正として公表され、メディア等でも子会社で、という報道がなされています。が、しかし、この日本製鋼所M&Eなる会社、設立は2020年4月なんですね。この時、日本製鋼所の素形材・エネルギー事業と風力発電機器保守サービス部門、並びにグループ会社4社を統合して発足しています。

これに対して、今回明るみに出た検査不正は、「遅くとも1998年から、繰り返し継続的に実施されていたことを確認している」、と公表されています。そう、この不正はもともと日本製鋼所本体の中で繰り返してきた不正だという可能性もあるわけです。

考えようによっては本体で行われてきた不正を察知し、当該部門を切り離して別会社化したように見えなくもありません。これは穿った見方過ぎかもしれませんが、少なくとも子会社での出来事で済ますべき事象ではなさそうです。

株価の方は

同社株価については、公表のあった5/9、3,025円まで700円下げ、ストップ安まで売られました。翌日5/10も2,500円台まで500円近く売られる展開に。相場全体が弱いことも影響してるでしょうが、最近の不祥事が株価に与えるインパクトはかなり大きくなっているような気がします。

上記の通り、実質的には日本製鋼所で行われてきた検査不正ではないかということを、投資家は嫌ったようにも見えますね。ちなみに、今回不正のあった対象製品は発電所に納入されてきた製品なんですが、原子力発電所には納入されていないということです。

日本製鋼所 子会社で検査データ不正

日本経済新聞は5/8、「日本製鋼所子会社、鉄鋼部材で検査データ不正 火力発電向け」と報じました。子会社の日本製鋼所M&E(北海道室蘭市)が生産した鉄鋼部材で検査不正があったということです。この時点で親会社も子会社も何の開示も行っていませんでした。

日本製鋼所

日本製鋼所は原子力や火力、水力などの各種発電設備で使われる大型鋳鍛鋼や、各種鋼板、圧力容器など、エネルギー産業を支える鉄鋼関連製品を手掛ける大手メーカー。ミサイル発射装置など、防衛関連機器の製造・販売も手掛ける東証プライム市場上場企業です。

不正の概要

火力発電所で使うタービンの軸材であるロータシャフトなどにおいて、顧客との契約で示した品質基準を満たしていないのに、検査データを書き換え、基準を満たしているように装っていたということです。顧客に示した検査をしていないのに、検査したように装ったケースもあったそう。

不正は2000年ごろから続いていたようで、今年に入って日本製鋼所M&E社内からの指摘で発覚したとしています。既に外部の弁護士らによる第三者委員会を設置して詳しく調べているようです。

順番がめちゃくちゃ

これらの報道を受け、日本製鋼所は5/9早朝に初めて報道されたことが事実であることを認める開示。同日に開催された取締役会で審議し、12:25になってやっと正式な開示が行われました。

一連の流れ、そもそもは読売新聞の取材に対し、5/7に日本製鋼所の幹部が不正を認めたということらしいです。順番がめちゃくちゃですね。メディアにリークしたのちに取締役会で審議。もうこれ以上は隠し通せません・・・みたいな感じでしょうか。

オリジン東秀 従業員の迷惑行為

オリジン東秀は5/5、「当社従業員の迷惑行為について」を公表しました。同社従業員が、2月20日深夜に、キッチン DIVE 亀戸店にて、商品破損を伴う迷惑行為を行っていたとのこと。再発防止に向け、全従業員に対し、改めてコンプライアンス教育を行っていくとしています。

オリジン東秀

オリジン東秀は弁当、惣菜販売を主体事業とするオリジン事業(「キッチンオリジン」「オリジン弁当」「オリジンデリカ」)、飲食業を主体事業とする外食事業(「れんげ食堂Toshu」「中華東秀」)の店舗を運営する企業。もともとは東証2部上場企業でしたが、2006年にイオン傘下に入り上場廃止となっています。

迷惑行為

都内にある24時間営業の弁当店であるキッチン DIVE 亀戸店に6人の男性が入ってきて、商品をたたきつけるなどの行為を行ったといいます。その行為はYouTubeでライブ配信されていたんですね。この6人の中に近所のオリジン弁当の従業員がいたということらしいです。

しかし、これって2/20深夜の出来事だったみたいです。なんで2か月以上経って話題になったんでしょう。

キッチン DIVEは、ライバル店の従業員による営業妨害器物破損事件として、オリジン弁当に対して事実確認と再発防止のお願いしたものの、これにオリジン東秀は適切に対応せず。弁護士を通じた書面のやり取りを経てやっと、オリジン東秀が謝罪するに至ったということのようです。

この事例、現場での苦情が本社の所管部署に正しく上がっていなかったことが、2か月以上の時間を要した原因らしいです。まぁ、これもオリジン東秀側の言い分ですが(公表された文書にはこの辺りのことは書かれていません)。