第一三共 毒物紛失

大手製薬会社「第一三共」の東京 品川区にある研究施設「品川研究開発センター」で、毒物に指定されている「アジ化ナトリウム」の入った容器がなくなっていることが分かったそうです。同社では防腐材などとして使うため、鍵の付いた冷蔵庫内で保管していたということですが。

アジ化ナトリウム

「アジ化ナトリウム」は体内に入ると、血圧が急激に下がったり意識障害を起こしたりするなど、極めて毒性が強いんだそうで、鍵の付いた冷蔵庫内で保管していたということです。社内調査が行われましたが見つからず、警視庁や保健所に紛失の届け出を行ったといいます。外部から第三者が侵入するなどした形跡は見られないとのこと。

アジ化ナトリウムが紛失したのは、東京 品川区にある研究施設「品川研究開発センター」だそうです。なにやら聞いたことのある施設だと思いきや、先月話題になったあの事件と同じ舞台ですね。

メタノール毒殺事件

9/16に起きたメタノール毒殺事件。第一三共の社員が焼酎にメタノールを混入させて妻に飲ませ、病死を偽装して殺害した容疑で逮捕されました。この容疑者が勤務していたのが、同じ品川研究開発センターなんですね。警視庁は職場からメタノールを持ち出した疑いをかけているとか。

夫婦仲が悪くて起きてしまった犯罪のようですが、しかし、研究員の立場を利用すれば毒物が容易に持ち出せるってのもいかがなものでしょう。今回判明したアジ化ナトリウムも同容疑者が持ち出していた、というシナリオが考えられますが、もしそうでなかった場合、第一三共としてはより一層立場がなくなってしまいますね。この原稿を書いている段階で第一三共からまったく開示がないのも気になります。

またまた スシローが謝罪

回転寿司最大手のスシローは、通常、メバチマグロを使用する「まぐろ」や「漬けマグロ」のメニューに、より仕入れ値が安い「キハダマグロ」を使っていたと明らかにしました。本来キハダマグロは10/1からのキャンペーンで大きくカットして提供する予定だったということです。

キャンペーン

実施するたびに事件が起こるスシローのキャンペーン。普段使っているメバチマグロよりローコストなキハダマグロを少し大きめにカットした「ちょっと大切りキハダまぐろ」を提供しようとしていたとのこと。少しでも顧客にたくさん食べてもらいたいという思いがあったそう。

誤って9月28~29日にかけて全国6店舗でキハダマグロが提供されていたということですが、これが大切り(大きくカットされた)で提供されていたのかどうかは公表されていません(ここ一番重要なところ)。ただ、顧客に返金すると言ってるので普通サイズで提供してたんでしょうか。

わざとやってる?

当ブログでも書きましたが、スシローは不祥事が相次いでいます。6月にウニなどの期間限定商品を品切れなどで販売できない店舗があったのに宣伝を続ける「おとり広告」。7月にはビール半額キャンペーンの店内広告を一部店舗で開始前に掲示。さらにその後は売り切れでビールが提供できないなどなど。

そして今回の偽装マグロ。何度も発生する不祥事ですが、どんどん「そんな大したこと?」って感じの事案になってきてます。もちろん良いことではないんですが、ひょっとしてキャンペーンの告知のためにやってる番宣?のようにも見えてきました。

同社の業績はというと、業界の中ではよろしくないようですから、わざとやってるわけではないでしょうが、少なくとも「スシローで大ぶりなマグロの握りが食えるらしいぞ」、っていう話題はかなり周知されたと思われます。

通園バス園児置き去り死 センサー設置と思考停止

静岡県の認定こども園に通う女児が、通園バスに取り残されて死亡した事件。昨年にも同様の事件が起きていただけに、一気に社会問題になりました。っていうか、いつものようにメディアがこぞって取り上げ、ワイドショーのネタになったって話なんですけどね。

人はミスをするもの

バスに乗り込む時にチェックし、降車時にもチェック。全員降車後にはバス内に取り残されている園児がいないかをチェックする。など、一通りの取り残し防止に関する業務フロー等は整備されていたようですが、それでも事件は起こりました。人も組織もミスをするものなんです。

昨年は福岡県で一人の園児が死亡しており、2年間で二人が死亡ということもあり、メディア等では取り残し防止装置の設置をルール化すべきという論調が。。。よくあるパターンで、人間は信用できないから、機械のチェックにより事故を防ごうという展開です。

思考停止

運転手がエンジンを切るとバスの最後部でブザーが鳴りだし、そこまで足を運んでブザーをオフにしなければなり止まないというシステム。アメリカで使われているシステムのようです。他にも、バスの天井にセンサーを複数取り付け、動くものに反応してスマホに取り残しを警告してくれるシステム、などが検討されているようです。

機械でチェック(システム化)することに反対はしませんが、システムを導入することで園児置き去りに関する問題意識が失われるとしたら、それは問題ですね。システムで解決できる範囲は100%ではありませんし、機械は必ず不具合や故障を起こすものです。

園児の置き去りを100%回避し、これからの日本を創造するこの国の宝物をいかに安全に預かり、育成するのか。こういう視点と常に向き合っていくことが重要です。決してシステム化で思考停止することのないように、、、と願っております。

島津製作所 子会社で不正行為

分析機器や医療機器を手掛ける島津製作所は8/25、子会社が医療用エックス線撮影装置の保守点検をめぐり、故障を装って修理を行っていた疑いがあることを公表しました。外部の専門家を交えて調査を進めるとしています。

かなり悪質な手口

不正が行われていたのは、医療機器の販売や保守業務を手掛ける子会社の島津メディカルシステムズという会社。エックス線撮影装置のサービスを提供する際に不適切な行為があった疑いがあるということですが、25日時点ではこれ以上は不明でした。

その後の報道によると、熊本営業所の幹部社員が、熊本県内の公立病院に納入した装置に、回路を遮断するタイマーを仕掛け、その後故障を装って部品を交換していたということです。

この病院に2009年に設置されたエックス線テレビシステム。幹部社員は17年9月、装置の点検時にタイマーを仕掛けたといいます。タイマーの設定時期がくると、同装置からエックス線が出なくなり、「エックス線管球」と呼ばれる主要部品を交換するという流れ。実際は故障していなかったにもかかわらず、病院は交換費用として約228万円を支払ったということです。

会社ぐるみか

島津製作所と島津メディカルシステムズは既にこの病院を訪れて謝罪し、概要を説明したということです。いろいろ不正を見てきましたが、納入した商品にタイマーを仕掛けて機能を停止させる、なんて手口は初めて見ましたね。

今のところ個人、もしくは営業所単位での不正であるとしており、不適切な行為の疑義は一部地域に限定されている。と、島津は言ってますが、当然信用なりません。さて、この不正どこまで広がっていくんでしょうね。

日野自動車 とうとう小型トラックにまで

日野自動車は8/22、エンジン不正問題が小型トラックにも広がると発表しました。ある程度予想してましたが、やはり不正の対象は大型、中型のトラックやバスにとどまりませんでした。これで国内で販売できる車種は新型の電気自動車(EV)トラック以外はほぼなくなることに。

立ち入り検査で

これまで大型、中型エンジンで不正を小出しに公表してきましたが、今度は小型トラックにおいて、試験での排出ガスの測定回数が不足していることが判明。なんともみっともないことに、国土交通省の同社への立ち入り検査で発覚しています。

2019年に発売した小型トラック「日野デュトロ」などが対象だそうで、同車種は累計販売台数が約7万6千台に上ります。小型トラックについては、自社による点検でも不正はないとしていましたし、特別調査委員会による調査でも指摘はありませんでした。で、当局の立ち入り検査で発覚という不細工な結果です。

特別調査委員会

他社の不正事案においてもよく感じることなんですが、外部の弁護士らによる特別調査委員会ってどの程度機能していたんでしょうね。まぁ、そもそも会社側の真摯かつ適切な協力がなければ、委員会だって機能するはずがないんですが。あまり考えたくないけど、手心加えちゃう委員会なんかもあるかもしれませんね。

とにかく日野にとっても、特別調査委員会にとっても、悲惨な結果となりました。日野自動車はこの後どうするんでしょうね。再生を目指すのか、看板下ろしてEV専業の新会社に生まれ変わるのか、、、トヨタ様のご判断次第ってことですかね。