ビッグモーター騒動 業界2位のネクステージでも?

ビッグモーターに次ぐ業界第2位「ネクステージ」でも、同様の不正が横行している疑いがあることが報道され始めました。仕掛けたのは文春さんのようですね。複数の現役社員、元社員が告発を始めたということです。まぁ、十分予想できた展開ではありますが、、、

ネクステージ

ネクステージは東海北陸地方を中心に、全国で中古車・新車の販売および整備、保険代理店、買取、出張買取などの自動車販売に附帯する業務を手掛ける企業。ビッグモーターに次ぐ業界第2位の東証プライム上場企業です。

8/23

ビッグモーターの騒動を受け同社では8/23、「当社の整備工場における統制環境について」を公表。「昨今の自動車業界における不正車検、保険金水増し請求の問題を受け、当社社内で調査を行った結果、不正な案件については確認されませんでした。」としていました。

9/1

文春の報道を受け9/1には、「報道機関様からのご質問状につきまして」を公表。「故障していない車を故障しているかのように見せかけ、保険金を請求?」、「販売件数のノルマを達成するため、店員同士で保険の契約数を売買していた?」、「保険への加入を条件に、客に車の値引きを提案していた?」、「販売件数のノルマを達成するため、保険の架空請求をおこなっていた?」といった質問に回答しています。

回答の内容は、「一部の店舗において」とか、「一部の従業員が」などと断りつつ、そうした事案もしくは類似の事案が発生していたことを認めています。いずれも相応の処分を行っており、問題はありません、という見解のようです。だったら最初からそういう回答しておけばいいのにね。詰められると白状するという最悪の展開になってきています。

株式会社グッドスピード ここでも保険金水増し請求

株式会社グッドスピードは8/23、「当社に関する一部報道について」を公表しました。東洋経済ONLINEにおける同社の保険金の請求に関する報道について、自社が公表したものではない旨の開示。その後、8/24の同社ホームページでは、30件、約64万円の不正請求が見つかったとしています。

株式会社グッドスピード

株式会社グッドスピードは、SUV・4WDを中心にミニバン、輸入車など、専門性を高めた中古車販売店を東海4県(愛知、岐阜、三重、静岡)を中心に出店。附帯して、整備・鈑金などのサービスを提供する、東証グロース上場企業です。業態としてはほぼビッグモーターと一緒ですね。

パンドラの箱が

東洋経済によると、グッドスピードでも事故車修理費用(保険金)を水増し請求していることが新たにわかったということです。損害保険会社がビッグモーター以外の中古車販売会社を対象に、これまでの修理案件を改めて精査する中で疑義のある案件が表面化し、すでに金融庁に任意で報告したといいます。

とうとうパンドラの箱が空いてしまいましたね。ビッグモーターと損保ジャパンとの間で見られた、自動車整備会社が保険契約獲得の見返りに修理費の査定を甘くしてもらうといった癒着の構造。トヨタの系列会社でも過去に話題になったことあるし、この際、徹底的にやりましょう。

自動車保険でこんなことが蔓延していたということは、火災保険とかでも同様のことが起きてるんでしょうか。ホント、日本の金融界の闇は深いです。

オープンハウス 三栄建築設計をTOBで完全子会社化

オープンハウスは8/16、「株式会社三栄建築設計株式(証券コード:3228)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」を公表しました。創業者の反社会的勢力とのつながりで、東京都公安委員会から暴力団排除条例に基づく勧告を受けていたあの三栄建築設計です。

創業者等の保有株式をTOB

今回公表されたのは、創業者とその親族が代表を務める企業が保有する全株式(発行済み株式の約65%)に対するTOBです。これにより、反社と繋がっていた創業者一族から完全に切り離されることになります。TOBが成立した場合はスクイーズアウト(強制買い取り)を実施し、三栄建築は上場廃止となる見通し。ちなみにTOBの条件は1株につき2,025円、買収金額は約430億円になるそうです。

反社認定(反社に繋がっている企業は反社会的勢力です)を受けた企業が、その世界との繋がりはもうないということを世に示すのはとても大変なことなんですね。なので、三栄側にとっても朗報、公安にとっても納得感のある展開です。反社との関係が世に出たのが6月中旬でしたから、2か月ほどで決まった買収劇です。

なんだか微妙な取引も

オープンハウスがTOBを公表したのが、8/16の18:15です。ところがその前々日辺りから三栄建築の株価は出来高を伴って急上昇。何なんでしょうこれ。一方のオープンハウス株は急落しています。反社とも縁が切れて、身綺麗になり、、、良いことずくめ。ともいかないようなこの不穏な株価変動。公安の次はSESC(証券取引等監視委員会)の出番か。

ディスカウントスーパーの「オーケー」 値下げ分の補填を業者に要請

8/11付の日本経済新聞は、「オーケー、値下げ補填を業者に要請 公取委調査受け中止」と報じました。なんでここだけこんなに安く販売し、こんなに勢いがあるんだろう。そんなスーパーでしたが、やはりその裏にはこういう不正が存在したという話。ビッグモーターと一緒です。

オーケー

「オーケー」は、神奈川県に本社を構えるディスカウントスーパー。会社設立は1967年、現在資本金28億円という企業です。従業員数は1万6千人を超え、売上高は5,500億円。関東を中心に142店舗を運営しています。これだけの規模、ネームを誇りますが上場企業ではありません。

今回調べて初めて知ったんですが、創業者一族はなかなか名門のよう。同社の創業者は三男で、長男は父親の事業を継ぎ、次男は居酒屋チェーン「天狗」のテンアライド最高顧問。そして四男はセコムの最高顧問なんだそう。凄いね。

不正の概要

公正取引委員会が独占禁止法上の優越的地位の濫用の観点で調査を進めてきたようで、この調査を受けオーケーは7月、取引先や公取委に対して、「競合店対抗値下げに伴う補填要請を取りやめた」と報告したそうです。数年間続いていたとされる不正、ゲロしてすべてを終わらせようとしたんですね。

日経がオーケーに対する取材で掲載していたコメントが笑えます。「公取委の問い合わせを機に見直しを行い、補填を取りやめることにした。今後ともコンプライアンスを一層徹底していく」。いやいや、「今後とも」じゃなくて、「今後は」でしょ。

SOMPOホールディングス株式会社 社外調査委員会を設置?

SOMPOホールディングスは8/7、「ビッグモーター社による不正事案に関する第三者からなる社外調査委員会設置のお知らせ」を公表しました。えぇ~?、なに、今さら調査委員会ですかぁ。既に金融庁やら消費者庁が動き出してるのに、お抱え調査委員会で何をしようと?

てっきり

金融庁が動き出したあたりで、もう勝負付いたんじゃない?って感じで見てました。悪質かつ摘発困難な違反行為について、強制調査を含む強力な権限を行使して事案を解明していくんだよね。さらに、その刑事責任を厳しく問うべく検察官に告発し、検察が捜査を開始・・・って流れを想定してたんですが。

タイトルも

開示のタイトルが、「ビッグモーター社による不正事案」となってますね。自分たちの悪事は常に「不適切な事案」なのにね。すべての責任をビッグモーターに擦り付けて、自分たちは善管注意義務に欠けていた、くらいの落としどころを探ろうってとこかな。

先に損保ジャパンで立ち上げていた社外調査委員会は、今回ホールディングスが設置する社外調査委員会に移行するんだそう。もうそんなに無駄なコストかけなくていいんじゃない?この手のコストも保険料にのせてくるの?