三菱UFJ銀行 行員のインサイダー取引

三菱UFJ銀行の行員が、同行の顧客企業に関する株式公開買い付け(TOB)などの情報を、公表前に入手し親族らに漏えいしていた疑いがあるとのこと。親族らは顧客企業に関する株取引を行い、数百万円の利益を得ていた可能性があるといいます。

三菱UFJ銀行

同行に関しては今更説明は必要ないでしょう。いわゆるメガバンクの一角。先月、顧客情報を系列証券と無断共有することを禁じるファイアーウォール規制違反で、金融庁から業務改善命令を受けていましたね。

インサイダー取引

今回インサイダー取引を疑われているのは、同行本社に勤務し、系列証券への出向経験もある行員。同行や系列証券の顧客企業に関するTOBなどの非公開情報を業務で把握し、2023年までの間、公表前に複数回にわたって親族らに伝えた疑いが持たれているようです。

今回の報道で知ったんですが、ファイアーウォール規制違反の調査過程で、今回とは別の行員が顧客情報を使って自己利益目的の株取引を行っていたことも発覚しており、この行員は懲戒解雇されていたんだそう。

形式や手続きを欠いただけのファイアーウォール規制違反であれば大したことなさそう、と思ってましたが、行員のインサイダー取引なんかが複数件出てきているとなるとこれは看過できません。行内の情報管理態勢、ボロボロですね。どうなっちゃったんでしょう三菱UFJ。

小僧寿し元役員 インサイダー取引で課徴金539万円 子会社従業員も

証券取引等監視委員会は5/24、自社株でインサイダー取引をしたとして、金融商品取引法に基づき、東証スタンダード上場の「小僧寿し」(東京)の役員だった40代男性に課徴金539万円を納付させるよう金融庁に勧告しました。

インサイダー取引

男性は同社が業績予想を下方修正するとの情報を入手し、公表直前の2022年10月28日に25円と26円で計約227万株を計5767万5千円で売り抜けました。ゴミみたいな株価でインサイダー取引で売り抜ける役員。会社も会社なら、役員もゴミみたいな奴です。

多くの報道がこの役員のインサイダー取引を取り上げてましたが、監視委員会は同時にもう一件勧告を行っています。小僧寿し子会社だった株式会社アニスピホールディングスの従業員によるインサイダー取引です。課徴金の額は29万円です。

子会社従業員も

上記の役員の件とは別の重要事実(アニスピホールディングスの非子会社化)に関するインサイダー取引ですが、役員の取引の10日ほど前に、やはり売り抜けてます。たまたま同じ時期の売却だったので発見されたんだと思いますが、期間を拡大すれば他にも色々出てくるかも。

まさに、「沈む船からネズミが逃げ出す」の構図ですね。その後も同社の株価は低迷しており、直近は20円を下回る水準。一時の債務超過からは脱しましたが、前期も赤字で、まだまだ危険水準。寿司が旨いかどうか、商売が上手いかどうか、じゃなく、もう潰してしまった方が良い会社なのでは?

Abalance元役員 インサイダー取引容疑で逮捕

東京地検特捜部は5/16、再生可能エネルギー関連事業を手掛けるAbalance(エーバランス)元執行役員(60)を金融商品取引法違反(インサイダー取引)の疑いで逮捕しました。未公表情報をもとに自社株を取引した疑いだそうです。

Abalance(エーバランス)

Abalance(エーバランス)は、ベトナム子会社を通じた太陽光パネル製造事業を中核に、太陽光発電システムなどの販売と売電事業を行うグリーンエネルギー事業などを手掛ける企業。海外売上高比率が9割以上を占める東証スタンダード上場企業です。

インサイダー取引

太陽光パネルを製造販売するベトナム子会社が工場建設に向けて不動産などを取得する決定をしたとの重要事実を知り、当該重要事実公表前にエーバランス株1万9400株を約5300万円で買い付けたというもの。2,000円台だった同社株は公表直後5,000円台まで買われています。

なぜこんな経歴を持つ男が?

重要事実を事前に知りうる立場(執行役員)の人物が、公表前に自社株を買い付けていたという、非常にシンプルな事件なんですが、この男の経歴を見てビックリ。

日動火災海上保険→東京証券取引所→日本先物取引協会→日本証券業協会→ジャスダック→大阪証券取引所→株式会社 FPG→ジャパンインベストメントアドバイザー→日本證券新聞社取締役→その後は省略。

途中で社名が変更になったものもありますが、東京証券取引所に通算で20年も務めた人です。インサイダー取引を規制する側にいた男がなぜ、こんな初歩的な違反行為を?これ、かなり謎です。

インサイダー取引未然防止のための社員教育と態勢整備

昨日書いた小林製薬の社長会見の内容について、もう少し掘り下げてみます。「当社ではインサイダー情報について教育を行っています。その情報により売買の事前の社内許可制をとっている。インサイダー取引はないものと信じている」、というお話でしたね。

インサイダー取引未然防止策

役職員によるインサイダー取引を未然に防止するためのルール作りには、各社いろいろ工夫、苦労されていると思います。小林製薬でも「売買の事前の社内許可制」をとっているということでした。しかし、この程度は上場企業であればごく当たり前の態勢と言っていいでしょう。

一歩踏み込んで、自社株の売買を禁止するとか、売買したければ自社を通じて証券会社に注文をつなぐといった態勢も考えられます。要するに役職員の売買を完全に把握することで、保有状況までを自社で把握しておくということです。役職員の反発もあるでしょうが、「自由に株を売買したい」のであれば、自社株以外でやれ、ということですね。自社株は長期保有の観点で持株会でやれと。

インサイダー取引に関する社員教育

インサイダー取引とはそもそもどういう目的で設けられた規制なのか。どういう取引がインサイダー取引に該当してしまうのか。こういった法規制に関する研修・教育等も重要です。上場企業なんですから、主幹事証券に依頼して講師を派遣してもらうことも可能ですよ。

この社員教育で一番重要なのは、何よりもまず、社長をはじめとした取締役や執行役員への教育から始めることです。自社の業績動向やら増資に関する情報、TOBに関する交渉状況など、インサイダー取引に該当しかねない情報が常に身の回りにあるからです。実際に接してみるとビックリするくらい無知な役員が多いものです。

小林製薬 健康被害を巡るインサイダー取引はあったのか

小林製薬が販売する「紅麹」の成分が含まれた健康食品を摂取し、その後に死亡した人が5人に上るなど、同社商品の健康被害が大きな社会問題となっています。その同社株の推移を巡っては、2月上旬から同社の株価が大きく下落していることから、同社株式のインサイダー取引があった疑いが指摘されているそうです。

株価の推移

同社株は2月に入って下落を始め、同月中旬までで約10%(6,700円→6,000円)下げています。同じ時期の日経平均株価は約8%の上昇となっており、確かにインサイダー取引があったかのような印象を受けますね。

この動きについて、記者会見に参加した中国メディアから、「インサイダー取引があったのではないか」という質問があった模様。小林社長は「当社ではインサイダー情報について教育を行っています。その情報により売買の事前の社内許可制をとっている。インサイダー取引はないものと信じている」と否定したとのこと。

同じ業界を見てみると

同社株の比較対象となりそうな銘柄としては、ライオンや花王があげられると思います。両社の同じ期間の株価推移を見てみると、ライオンが約5%程度下落しており、花王も約6%ほど下落しています。日経平均が上昇するなか、この業界全体が売られていたことが分かります。

株価の推移だけではインサイダー取引があった、とまでは言えない程度の下げのように見えますね。もちろん、個別の取引見ないと分かりませんが(当然、監視委員会は既に調査を始めてると思います)。