ブックオフグループホールディングス 従業員の不正行為(その2)

ブックオフグループホールディングスは8/6、「特別調査委員会による調査進捗状況に関するお知らせ」を公表しました。従業員による架空買い取り、在庫の不適切な計上及びこれらによる現金の不正取得の可能性があるとして、6/25から調査してきた件ですね。

不正の実態

今回の開示は、特別調査委員会の中間報告といえる開示ですね。以下のように大きく分けて3種類の架空買い取りが行われていました。

① 取引の実態が存在しない買取を当社システム上に記録した上、かかる買取に対応する現金を実際には当該行為を実施した従業員が着服する行為
② 買取の実態は存在し、お客様への査定金額は適切であったものの、当該買取を当社システム上に登録する際に単価や点数を水増しあるいは別の商品コードで登録し、当該水増し分等の現金を当該行為を実施した従業員が着服する行為
③ 取引の実態が存在しない買取を当社システム上に記録した上、その後同等の商品の売上を当社システム上に登録し、売上を偽装あるいは過大に計上する行為

これらの不正をごまかすために、やはり3種類の在庫の不正な計上が行われていたとしています。今回行われた臨時の実地棚卸において、これらの不正が発見されているのは国内ブックオフ事業の 24 店舗で、発見されている不適切な在庫計上として 70 百万円を認識しているとのこと。

機能してなかった店舗における実地棚卸

同社では各店舗の店舗在庫の実地棚卸を各店舗の店長・主任を中心として行っており、また、実地棚卸の適正性についての確認、検証は、店長・主任の上長である複数店舗を所轄するエリアマネージャーをはじめとした上長が行うこととして管理をしてきたといいます。

この管理体制が機能してこなかったということですね。店長や上長の統制が機能してなかっただけなのか、彼ら自身もこの不正に加担してきたのか。この辺は気になります。

株式会社アサヒペン 社内調査委員会の調査結果

株式会社アサヒペンは7/25、「社内調査委員会の調査結果及び特別損失の計上に関するお知らせ」を公表しました。連結子会社であるアサヒロジストにおける同社元従業員による業務上横領に関し、調査してきた結果ですね。

調査結果

5/29の第1報では、「総額で約1億9900万円の現金を私的流用していた」としていましたが、調査の結果、その金額は約2億830万円まで膨らみました。インターネットバンキングを利用した不正送金の金額が約1億3972万円。同社預金口座から不正に現金を引き出した金額が約6858万円という内訳です。

行為は2023年1月から2024年5月にかけて行われていますが、不正送金において、自己名義等の口座に送金する際に、送金先を同子会社の取引先であるように見せかけるため送金先名称を書き換えるなど、長期にわたる不正を隠蔽するために様々な手口を使っていました。

発生原因等

あくまで単独犯であり、類似事案もなかったことが確認されているようです。私的流用したお金の使途については、警察の捜査に委ねるとしています。

そして、この事例についても最大の発生原因は、資金管理を含む経理業務に関する権限が当該行為者に集中していたこと。他社の事例でも数多くみられる不正発生の原因ですが、まだまだこういう会社が存在するんですね。読者の皆さんの会社は大丈夫ですか?

セーラー広告株式会社 社内調査委員会の調査結果

セーラー広告株式会社は7/24、「社内調査委員会の調査報告書の公表並びに再発防止策に関するお知らせ」を公表しました。2か月前の5/22、発注額の一部を発注者である同社従業員に還流する仕入取引が行われていた可能性を認識し、社内調査を始めていました。

社内調査の結果

この不正を働いていたのは徳島支社の支社長で、不正に協力していたのは1事業者(個人事業主)のみというのが結論のようです。当該事業者に対し下請け取引業者として発注代金を支払い、必要の都度、支社長がキックバックを要求し、私的費用(飲食費、遊興費等)に流用していたとのこと。

発生原因等

この不正行為に関しては、支社長自らが発注業務を行い、起票しているため、発注内容の承認行為が自己承認となっていたというのが最大の発生原因。よくあるパターンですね。調査の結果、当該キックバックによる同社の被害額は、4,173 千円だそうです。

認定された不正取引は、同社グループを含め、上記不正行為のみであったと結論付けています。社内調査の進め方等、少々雑な感じもするんですが、調査結果等を受けて会計監査人による追加的な監査手続等も全て終了しているといいます、、、良しとしましょうか。

株式会社クロップス 海外連結子会社で従業員の不正行為

株式会社クロップスは7/18、「当社連結子会社(孫会社)のベトナム社会主義共和国での社会保険料未納及び同社社員による不正行為に関するお知らせ」を公表しました。連結子会社(孫会社)というのは JOB LINKS CORPORATIONという会社です。

株式会社クロップス

クロップスは愛知県を中心に東海・首都圏エリアでKDDI専売の携帯電話販売代理店を展開するほか、東海・首都圏での人材派遣事業、ビルメンテナンス事業、飲食店舗の転貸借事業、文具・生活用品や自然派化粧品の卸売などを手掛ける東証スタンダード上場企業です。

不正行為

現地メディアの報道で発覚した子会社の社会保険料が未納であった事実(日本円換算額は約178百万円)。これを契機に同社で調査した結果、この事象に関連して同社社員による不正行為が行われていた可能性が高いことが判明したとのこと。

2024年1月から同年6月にかけて、同社社員が、複数の外部者と共謀の上、虚偽の申請を繰り返すなどして、複数回にわたり同社の預金を引き出し、総額約260百万円の現金を私的流用していたといいます。当該資金の私的流用が背景となって、社会保険料の支払が適切に行われず、本事象が生じていたということです。

一時期、中国の子会社での不正がやたらと発生していましたが、最近あまり聞かなくなりました。経済の勢いが中国から他のアジア圏に移っていったように、これからの不正はベトナム等中国以外のアジア圏に移っていくんでしょうかね。

SMBC日興証券元社員 顧客から300万円詐取容疑で逮捕

報道によると、金融商品の購入を装い、自身の口座に投資資金を送金させて現金約300万円をだまし取ったとして、警視庁渋谷署は詐欺容疑で、元SMBC日興証券社員(25歳:渋谷支店の営業)を逮捕したということです。犯行が行われたのは昨年10月~今年2月までの期間らしいです。

SMBC日興証券

日興証券は株式会社三井住友フィナンシャルグループの100%子会社。国内に100店舗以上を構える従業員9000人ほどの証券会社です。現在では野村、大和、日興、みずほ、三菱UFJモルガンスタンレーが大手証券と呼ばれています。

日興証券といえば、公募増資に関するインサイダー営業や、執行役員らのインサイダー取引、仕組み債の違法な勧誘、ブロックオファー取引での相場操縦などなど。不正行為のデパートのような存在です。

逮捕容疑

同社の金融商品「日興ファンドラップ」を追加購入させる際、「会社の振込専用口座にシステム不調で入金できない。着金の確認が早いので、私の口座に振り込んでほしい」などとうそをついて、計3回にわたり現金約300万円を振り込ませて詐取したということです。なんとも古典的な手口ですね。

容疑のほかにも1000万円以上詐取してるようで、「ギャンブルや借金返済の金がほしかった」というのが動機。まだ他にも被害者いそうですね。同社の過去の数々の不正と比べると、かなり小規模な不正行為だからでしょうか、日興証券も三井住友フィナンシャルグループもコメントすら出してないようです。