「お一人様経理」 不正の温床

9/3付け日本経済新聞に、「〈中小企業リーガル処方箋〉給料水増し5000万円 『お一人様経理』、振込依頼操作」という記事がありました。この記事では、実際に起きた中小企業での不正を例に、経理担当が1人の中小企業の危うさを書いています。

しかし実はこれ、意外に上場企業クラスでも言えてる話なんです。経理部には複数名が所属しているけど、実務にしっかり通じているのは一人だけで、そのため他の者によるチェック機能が働いていないという状態。実質的な「おひとり様経理」です。子会社の経理担当なんてまさにおひとり様ですしね。

本来の口座ではない自身や自身の身内が管理している口座に会社の金を振り込む、といった不正を何度見てきたことか。同族企業などでは、経営陣が不正に会社の金を利用したりする際、おひとり様経理は非常に使い勝手が良い、なんてケースもありますね。不正が発覚した場合に、おひとり様経理に責任を押し付けて・・・という対処も可能だったりします。

いずれにせよ、金の出入りに関するチェック体制は最も重要なポイント。あなたの会社で「おひとり様経理」は発生していませんか?まず、そこの確認からはじめましょう。首を突っ込んだが故に、上から睨まれたりしても、kuniは責任取れませんが。

くら寿司 「ちいかわ」キャンペーン中止 従業員の不正行為で

くら寿司は9/5、人気漫画「ちいかわ」とのコラボキャンペーン(8/21から9/30まで実施中)を6日から中止すると発表しました。ゲームの景品や限定メニューの提供をやめます。従業員による景品の横領が判明したためとしています。

何かとお騒がせなコラボキャンペーン、今度はくら寿司です。フリマアプリ「メルカリ」にコラボ景品が大量出品されたことを受けて、8月下旬から調査を進めていたとのこと。その結果、従業員が景品を横領した事実が判明したといいます。

7月にはセブンイレブンで、加盟店のオーナーや従業員自身が転売行為に関わっていたとして警告文書が加盟店向けに出されて話題になりましたね。あの時はONE PIECEに関連したトレーディングカードでした(これはコラボではなく週刊少年ジャンプの特別景品)。

くら寿司では、は社内規定に基づき、景品の管理は、原則、鍵付き倉庫内での保管とし、複数名での開封・補充および担当者を明確化するなど厳正な管理を行ってきたということですが、それでも従業員の不正が起きました。

こうした事案ではフランチャイズ態勢の従業員管理の難しさが良く指摘されるところですが、同社は全店直営店のようです。全店直営で本部からの管理も徹底してきたから、という油断があったんでしょうか。景品等をウリにするお店だからこそ、同キャンペーンに係る従業員の不正のダメージは小さくなさそうです。

プルデンシャル生命 営業員の新たな不正 当該営業員はすでに死亡?

プルデンシャル生命保険は8/24、40代の営業社員が架空のもうけ話を顧客らに持ちかけ、金銭を詐取していた疑いが新たに判明したと発表しました。当初の不正発覚後もパラパラと新たな不正等の発覚が報じられてきた同社ですが、今回の事案はこれまでとは少々違った展開になりそうな気配も。

事案の特徴は、不正な投資勧誘や金銭詐取の発覚を受け新規営業を自粛した2月以降に起きていた可能性があるという点です。営業員にすれば、自粛中の不正行為は社内的にも対顧客面でも明らかに目立ってしまい、簡単に発覚してしまうだろうという警戒心が働いたはず。

にもかかわらず、金銭詐取を実行していた。よほど追い詰められていたのか、大きなリスクを冒しても金が必要だった。そんな状況が想像できます。そしてその後に本人が死亡しているわけです。被害者は契約者や知人、プルデンシャル生命の社員にも及んでいる可能性があり、被害額は1億円を超える見通しとも。普通、最も身近な知人や会社の同僚には手を出しません。

プルデンシャルの公表資料では、「当該営業社員については、既に亡くなっていることを確認しております」とだけ書かれています。自殺ではないかと推測されていますが、亡くなった背景、経緯については不明です。とんでもない大きなリスクを冒して1億円以上かき集めておいて自殺というのも今一つしっくりこない感じ。

NISSHA 買収したベトナム子会社で不正が発覚

8/13、NISSHAは、半期報告書の提出期限延長の申請を行いました。、同社が連結子会社化したベトナムの「USM」において、買収前の期間に不適切な会計処理が行われていたという事案(8/4時点の開示で公表していた)への対応に伴うものです。

NISSHAは印刷技術をベースに、産業資材、ディバイス向けなどに事業を展開。金属光沢と印刷適性を併せ持つ蒸着紙では世界シェアトップ。医療機器の開発製造受託なども手掛ける東証プライム上場企業です。本社は京都で、昔は日本写真印刷という会社名でしたね。

現時点で分かっているのは、「循環取引」を中心とする不適切な会計処理だそう。社内調査開始後には新たな簿外債務の可能性も明らかになっているということです。循環取引は調査において多くの取引先企業を巻き込むことになるため、調査は困難を極めることが予想されます。

また、他にも不正が出てくる可能性も十分ありそうですし、そもそも、買収したばかりの子会社でもあるため、調査にかかる手続きや時間はめちゃくちゃかかりそうな気がします。今回の期限延長(延長後の期限は10/23を想定)だけで間に合うんでしょうか。

セブン―イレブン・ジャパン 人気キャラクター商品の不正転売など

またセブンがやらかしているようですね。「アニメやゲームの人気キャラクター商品の不正転売などが一部店舗で横行している恐れがある」と、全国の加盟店に警告する文書を、7/13付で送っていたことが判明したとのこと。

この警告文書の内容は、「一部店舗で事前に販促物で告知した日時前の販売、店舗関係者による買い占めや転売、一部お客さまへの優先販売などの不適切な事例が、交流サイト(SNS)やお客さまからの指摘により散見される」というもの。

以前から折に触れ、こうした問題が指摘されてきたけど、まだまだ改善してないみたいですね。セブン側がいくらルールを整備しても、現場(末端の店舗)のオーナーが遵守しなければ何にもなりません。そもそもセブン側が店舗のオーナーをどこまでルールで縛れるのかというフランチャイズ特有の問題もあるでしょう。

今回は加盟店契約の中途解約に踏み切ったケースもあったということですが、契約の中にどこまで細かなルールを落とし込めるんでしょうね。一番手っ取り早いのは、商品やサービスを限定して、「オーナー及び従業員(パート・アルバイト含む)またはそれらの関係者の申し込み・買い付けを禁止」することかな。