名古屋大学教授が1,100万円不正受給 出張旅費など架空請求

名古屋大学は10/31、「公的研究費等の不適切な会計処理について」を公表しました。旅費の架空請求、過大請求及び還流行為が認められたということです。ずいぶんと工夫した表現になっていますが、要するに名古屋大学教授1人による公費の不正受給・私的流用なわけです。

名古屋大学

名古屋大学は旧帝国大学だった国立大学ですね。kuniが持っているイメージでは東京大学、京都大学、大阪大学に続くレベルの感じ。偏差値とかみると最近ではではもう少し下がってきてるみたいだけど。

不正の概要

昨年3月、同大学の通報窓口に研究費を不正使用しているとの通報があったことで発覚。調査委員会を設置して調査を行っています。その結果、平成26年から令和2年までの間で、未来材料・システム研究所の教授(56歳)が架空の出張旅費を請求するなどして、国や大学の研究費など1,131万円を不正に受け取り私的に流用していました。

自家用車で移動したのに新幹線代を請求したり、学生の出張同行を装ったりした事例など、合計292件の不正があったとのこと。同教授は不正を認めており、既に全額が返還されているそうです。

バカなことを

先日テレビで高収入の職種として大学教授が紹介されていました。それによると大学教授は、医者、パイロットに次ぐ第3位。平均で年収1,100万円くらいだったと思います。なんとバカなことをやってるんでしょうね。1年間で稼げる程度のお金を、一生を犠牲にしてしまうような不正で・・・。在学中の学生はもちろん、卒業生も気の毒です。

東京精密 子会社元社長が逮捕

東京精密は11/1、「当社子会社元社長の逮捕について」を公表しました。当ブログでも以前取り上げた不正です。昨年3月に特別調査委員会の調査結果を公表し、発表済みの決算短信の訂正や関係者の処分を発表していました。

東精エンジニアリング

不正を働いたのは子会社東精エンジニアリングの元社長です。2010年以降、同社の元社長による架空発注による着服や、売掛金の回収偽装、経費の付け替えなど3件の不正行為が確認されていました。同社の監視体制や東京精密の子会社管理の不十分さなども相まって、21年1月下旬まで発覚が遅れたということでした。

この不正行為を受けて、同社長を解任したほか、同社取締役の報酬を減額するなど関係者の処分を実施。親会社である東京精密の社長なども役員報酬の減額処分を受けていました。

不正の概要等については過去の記事を参照していただければと思いますが、同社の開示によると、逮捕の容疑は「詐欺」ということです。現在も捜査機関において捜査中であり、引き続き捜査に全面的に協力していくとしています。

不正の概要が明らかになったのが昨年3月末。逮捕に至ったのがこの10月末ということですから、約1年半かかってます。やっぱこれくらい時間かかるもんなんですかね。まぁ、とにかく東京精密としては、逮捕によりこの度の不祥事は一段落ということになりそうです。

TOKAIホールディングス 特別調査委員会の委員を変更

TOKAIホールディングスは10/11、「特別調査委員会の構成の一部変更に関するお知らせ」を公表しました。代表取締役社長兼最高経営責任者が、私的な会食費を経費として請求していたという事件。その請求額は最大で数千万円に上る可能性があるということでしたね。

特別調査委員会

今回の一部変更というのは、社外取締役1名と弁護士1名の2名が委員から外れます。社外取締役や従来から取引関係のあった弁護士を外し、完全に同社とは利害関係のない新たな2名を加えます。特別調査委員会の独立性をより高め、より客観性が担保された調査を実施するため、と説明されています。今回開示されたのはこれだけです。

調査の状況

この事案、調査委員会の調査の多くは、「私的な」という点に向けられますよね。どこからどこまでが「私的」であり、不適切な経費請求だったと判定するのかということにつきます。どこで線引きするかという判断をする際、同社と何かしら関係があり、業界の常識に染まっている人たちの判断では、その結果に世間は納得しないでしょう。

そういう意味でも、完全に同社と関係性のない人たちで構成される委員会に変更したのは大正解だと思います。

役所の人だったのね

既に解任された代表取締役社長兼最高経営責任者は、旧通産省職員から京都府副知事、中小企業庁長官などを経て、2005年にTOKAI社長に就任された人だったんですね。いかにもって感じです。役所から民間のトップへ、とか、親会社から子会社のトップへ、ってとにかく良いイメージがありません。

日本電産 自社株買いで不適切な対応

日本経済新聞は10/12、「日本電産株、一時10%安 自社株買い巡り報道」と報じました。同社が自社株買いを巡って不適切な処理をしている疑いがあると一部で報じられ、同社株が急落したという話題です。この報道を巡っては日本電産もコメントを発表。一切事実ではなく、当該報道機関に対して法的措置を含めて対応を検討中、としています。

日本電産株式会社

日本電産は、精密小型から超大型までの幅広いラインナップを誇るモータを中心に、モータの応用製品・ソリューションへも展開。既存ビジネスの育成に加え、M&A(合併・買収)にも積極的な日本を代表する企業です。創業者である永守氏は経営者としても高く評価されてきた方でした。

不適切な対応

「一部で報じられ」、というのは、どうやら10/7の東洋経済オンラインの報道のようです。このところ日本電産に関して言われている「後継者問題の迷走ぶり」にも焦点を当てつつ、自社株買いで永森会長自身が自社株買いの条件を事細かに指示していたのでは、、、という指摘です。

経営に関する情報を握っている者が自社株買いをその情報に基づき実施するってことは、いわゆるインサイダー取引そのものなわけです。それを永森会長自身が事細かに指示していたということらしいんですね。経営と自社株買いセクション(同社の場合は信託銀行に委託)には情報隔壁が求められています。それを飛び越えて会長自身が指示。

東洋経済は四季報を発行するメディアで、かなりの老舗。多くの投資家からも信頼されている企業です。かなり細かな情報を持っているようで、当該報道を読んだ感じでは限りなく「黒」に近いのではないかという気がします。御年78歳の名経営者、いったいどうしちゃったんでしょう。

ルーデン・ホールディングス株式会社 調査報告が遅延

ルーデン・ホールディングスは10/7、「外部調査委員会の報告書提出遅延のお知らせ」を公表しました。子会社で調達したはずのBITCOINが行方不明になったということで、調査委員会を設置(5月)して調査を続けてきたようですが、ここにきて調査報告が間に合わないという開示です。

またまたとんでもない理由で

この件を主導し、積極的に取扱っていた当時の元取締役が、難病指定がなされた疾病を患っており、事件の実態を聴取する事が困難な状態。とか最初の開示で言ってましたが、今回もまたとんでもない理由で遅延したと言ってます。

「理由その1」 委員会設置後の7月、同社総務担当社員が退職したことにより、各種資料の外部調査委員会への提出が遅れたこと。
「理由その2」 フォレンジック業者を選定する過程で、メールアプリケーション及びグループウェアの関係で技術的な問題による辞退等があったこと。

そしてさらに、フォレンジック調査の過程で新たな検討課題の発生や追加資料の要請及び追加質問の発生が予想されることから、本調査終了は11月末を予定する。んだそうです。

報告の仕方も

部下を叱るときにこういう言い訳する奴いますよね。7月に退職したなら今までどんな対応をしていたの?とか、難病指定だからなに?もっと詳しい状況を説明できないの?みたいな疑問がどんどん湧いてきます。結局は調査結果を報告するとしていた10/9直前になって「間に合いませんでした」ってことです。

もし部下がこういう報告してきたら、なんで今まで何の報告もなかったんだ?ってことになります。株主に対する報告だって同じでしょ。などと思ってしまうのはkuniが歳をとりすぎたせいでしょうか。