株式会社オークファン 特別調査委員会を設置

オークファンは10/21、「特別調査委員会の設置及び2022年9月期決算発表の延期に関するお知らせ」を公表しました。同社の連結完全子会社である株式会社 SynaBiz(シナビズ)において、複数事業年度に渡って不適切な取引及び不適切な会計処理が行われていた疑念があることを認識したということです。

オークファン

オークファンは廃棄ロス削減のため企業の保有在庫を流動化させるトータルEC支援ソリューションを展開する企業です。在庫価値ソリューション事業と商品流通プラットフォーム事業が主な事業となっています。創業は2007年。元々はオークションの価格比較・相場検索サイトの運営事業を行っていた、デファクトスタンダードという会社だったみたい。

SynaBiz

SynaBizはオークファンの100%子会社で、WEBで卸売り・仕入れマーケットプラットフォームを運営したり、余剰在庫、返品商品の再流通事業などを手掛けている企業です。WEB上で買い手と売り手を結び付けて商売。実際のブツは同社を経由しないとなれば、架空取引なんかにはうってつけのビジネススタイルですね。

不正の概要

外部機関による今年7月から現在に至るまでのヒアリング調査に対応する過程で発覚したようです。「2022年9月期を含む複数事業年度に渡って、その実在性に疑念がある商品販売委託取引、その他の不適切な商品取引及び不適切な会計処理が行われていた疑念があることを認識した」とのこと。

この表現だと架空取引はまず確定って感じですね。まだまだいろいろ出てきそうな感じ。さらに、「本件に関与した人数並びに役員の関与については、現時点で確認できていない」、と、わざわざ付け加えているところも気になります。組織的に行われてきたことを匂わせます。

ナカノフドー建設 不適切な会計処理に関する調査結果を公表

ナカノフドー建設は6/27、「内部調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」を公表しました。海外連結子会社タイナカノ(同社出資比率49%)において、不適切な会計処理が行われていたことが判明したため、内部調査委員会を設置して調査をしていました。

会計不正の概要

平成31年3月期から令和4年3月期にかけ、工事原価を他の工事に付け替えることにより費用を先送りする会計不正が組織的に行われていたというもの。2017年頃から日系企業から受注する工事が減少し、外資系企業やローカル企業から工事を受注するため、ローカルの建設会社との間で価格競争にさらされたといいます。

そのため、採算の取れそうもない工事を受注しては、赤字を回避するために支払いを渋る。協力業者との間で別の工事に原価を付け替えることで何とか了承を得る。みたいなことを繰り返してたんですね。タイナカノの社長、副社長など、経営層の指示によりこうした原価移動が実施されていたということです。

本社海外事業本部からの受注獲得に対するプレッシャーが、、、ということが発生原因とされていますが、まぁこんなことどこの企業でもあるわけで。

アジア現法の実態

タイナカノはタイに進出する日系企業の倉庫や工場の建築工事を受注して施工してきました。設立以降、日系企業のタイを含む東南アジアへの進出が盛んであったことから、受注件数は安定的に伸びていましたが、2017年ころから、日系企業から受注する工事が減少しています。そこに新型コロナが追い打ちを。

海外現地法人で日本企業の進出を前提に設けられた企業はたくさんあるでしょうが、どこも同じ状況かもしれませんね。報告書を読んでいて、「ナカノフドー建設以外にも結構出てきそうだなぁ」と感じた次第です。

三協フロンテア株式会社 会計不正等の調査結果を公表

三協フロンテアは6/27、「調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」を公表しました。第一報が5/17でしたから、わずか1ヶ月ちょっとで調査完了ということですね。2022年3月期の決算短信についても同日開示。大きな影響がないということで、過年度の有価証券報告書の訂正もありませんでした。

不正等の概要

そもそも今年1月の、東京国税局による原価の付け替え事案の指摘がきっかけだったようです。さらに水増し請求や架空請求によるキックバック等の不正(地域の営業担当者17名)についても指摘を受けています。国税局の調査により、ある程度不正が判明していたんですね。

「架空請求、上乗せ請求・現金および物品のキックバック」と整理されている事案だけでも、協力業者8社が登場し、同社の損害額は約4,700万円。「架空請求等および着服」と整理されている事案についても、少なくとも3社以上の協力業者とつるんでおこなっており、同社の損害額は約840万円。

「原価の付け替え案件」と整理されている事案については、まぁあちこちでやってたようですが、同社決算への影響額は(同社の原価総額に比して)極めて少額とされています。

「プール金設定案件」については、架空工事による仕入代金を上乗せし、水増しした請求書を同社に提出してもらい、水増し分を当該仕入先にプールするという手口。プール金の設定およびその取崩しは、営業担当者において、もっぱら現場ごとの粗利率の平準化を図るために実行されていたということです。

細かい話はこの辺りにしておきますが、結果的に巨額の不正には至らずという調査結果です。とにかくいろんな従業員が、多くの協力業者や仕入れ先と、昔ながらの「なあなあ」の関係で、今では不正と呼ばれる行為を継続してきていたということのようです。

最も問題なのは、こうしたカルチャーを自社で発見し、是正出来てこなかったということ。で、一番不細工な国税当局の指摘で初めて気が付いた、、、という点につきますかね。

昨年度の会計不正 公表31社 前年度比6社増

日本経済新聞は6/28、「会計不正、公表31社 昨年度、6社増 役員関与が半数」と報じました。もっと増加してるんじゃないかって感じてましたが、6社多いだけということです。会計不正が原因で上場廃止に至ったグレイステクノロジーみたいな事案もあり、酷い年度に見えてたのかな。

日経より

会計不正を公表した社数は、20年3月期が46社。21年3月期は大きく減少して25社。そして22年3月期がやや増加して31社ということです。役員が主体的な関与者だったのは15社と前の期の9社から増加しています。

この記事は日本公認会計士協会が集計したデータに基づくものです。同協会では粉飾決算と会計不正の2種類に分類して公表しているんですが、「粉飾決算」を財務諸表の利用者をだまそうと虚偽の記載をすること。「会計不正」を会社のお金を私的な目的で使うなどの資産流用と定義して集計しているそうです。

粉飾決算と会計不正、やはり明確な定義はないということなんでしょうね。ただし、少なくとも「不適切な会計処理」なんていう用語は出てきませんよ。不適切じゃなくて、、、不正なんです。

上場会社等における会計不正の動向(2022年版)

これが日経が引用していた、日本公認会計士協会のレポート名。日本公認会計士協会のホームページで見付けました。ただ、「著作物の転載を希望される方は、転載許可申請書を作成のうえ・・・」などと書かれていて、引用すら躊躇してしまいます。

一つだけ引用。内部通報により発覚したケースについては、2018年3月期から2021年3月期の4年間における平均は15.7%だそうです。ところが、2022年3月期における割合は15.4%と微減しているんですね。ここ数年内部通報制度の実効性を向上させようという動きがあったにもかかわらず、です。

株式会社ダイイチ 第三者委員会の調査報告書を公表

ダイイチは6/24、「第三者委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」を公表しました。社外からの指摘により、一部不適切な会計処理が行われていたことについて調査してきた結果ですね。「社外からの指摘」というのは札幌国税局による税務調査だったようです。

通常とは逆の会計不正

ダイイチは北海道帯広市や、旭川市、札幌市などにおいて、食料品主体のスーパーマーケット事業を21店舗展開している企業でした。

よくある会計不正ってのは、今期業績が芳しくなく、翌期以降の売上等を先行計上することで儲かってるように見せるというパターン。同社では真逆で、売上原価や経費の先行計上など、今期の利益を抑えて次の期の利益を大きく見せる(確保する)という会計不正なんですね。

2014年9月期にはこうした会計不正が行われており、2021年9月期まで毎年継続して行われていました。これらは経営陣(取締役レベル)が主導して行っており、その指示に基づき全社的に行ってきたもののようです。調査委員会が調査している最中に電子データを削除し、これを復元不能にするよう工作までしていたと。

不正の動機

会計不正を行ってきた動機というのも珍しいです。報告書では、「株主に対して右肩上がりの業績の推移を示すことにより、経営の自由度を高める」ためということです。つまり、株主からの経営に対する干渉を排除したいという自己保身的な動機だったということなんですね。

最近、四半期開示について議論が盛んになっていますが、ダイイチにおいても似たような弊害が出ていたということかもしれません。毎期毎期利益をあげなきゃ株主が黙ってない。そもそも企業経営なんて長期で語るべきものでしょうにね。