東芝ITサービス 東芝の孫会社で架空取引(循環取引)

復活してきたかと思われた東芝で、またまた不正会計。孫会社の東芝ITサービスが、売上高で約200億円を過大計上していました。架空取引(循環取引)が行われていたようだと伝えられています。東芝の100%子会社の東芝デジタルソリューションズの100%子会社が東芝ITサービスになります。

ネットワンシステムズ、日鉄ソリューションズとの関係は?

循環取引が行われていたというところまでは、報道各社伝えていますが、取引の相手方についてはどの記事も言及していません。今回の件は昨年11月末ごろ、何かしらの通報により認識し、社内調査を開始したとのこと。

以前当ブログでも取り上げた、ネットワンシステムズや日鉄ソリューションズが自社の不正会計を把握した時期に重なります。またまた、勝手に想像してしまってすみません。この3社の件が繋がっているとの情報はどこにもありません。ただ、何かとタイミングが重なっているだけです。

それにしても200億円とは

しかし、この東芝ITサービスという会社、2018年度の売上高440億円ですよ。で、2019年度第2四半期累計で200億円の架空取引ってどういうこと?って感じですよね。売上高全体がデカけりゃその中に隠れることもできるでしょうが、ほぼ半分が架空取引なんてあり得るんですかね。

とても一人や二人の不正行為とは思えません。同社の経営陣の関与は当然疑われますし、場合によっては親会社、またその上の東芝まで含めて関与が疑われてもおかしくない状況です。しかし、、、にもかかわらず、東芝本体がとっている対応も解せないわけです。

迅速性や透明性を確保しつつ、徹底した調査を行うため、自社とは利害関係のない弁護士等で構成される第三者委員会を設置すべきところ、、、社内調査(外部専門家の参画を得ているとはいいますが)にとどまっています。プレスリリースを読んでも、株主や投資家に対するお詫びといった文言は一切ありません。。。やっぱり東芝、ダメかなぁ。

五洋インテックス 調査委員会設置

五洋インテックスは第2四半期報告書の訂正報告書を、監査法人のレビュー未了のまま財務局に提出し、その事実についても適時に開示しなかったことについて、外部の専門家による調査委員会を設置する旨、1/15にTDnetで公表しました。

訂正報告書提出の概要

昨年のこと、11/14に第2四半期報告書を開示しているんですが、この報告書、監査法人のレビューが未了だったということです。その後、11/25に監査法人のレビューは終了・受領しているんですが、監査法人が訂正報告するべきと主張するのに対し、見解の相違とかで12/5まで訂正報告を拒んできたということです。

で、その訂正の中身なんですが、「独立監査人の四半期レビュー報告書の日付」と「第2四半期連結会計期間」を「第2四半期連結累計期間」に訂正。という2ヵ所だけの訂正なんですね。なんでこんなもんで揉めたんだかよく分かりません。

なんだかいろいろある会社みたい

冒頭でTDnetで公表と書いたのは、kuniがそこで確認したからなんです。この会社のホームページのニュースやIR情報とかでは、この調査委員会設置のお知らせが出てきません。なぜでしょう。

五洋インテックス、インテリアテキスタイルの専門商社とのことで、カーテンを扱ってる会社ですかね。2018年5月にも不適切な会計処理(この際の有価証券報告書の訂正に関するお知らせも、同社HPから消失)。

2019年には乗っ取り騒ぎもあり、臨時株主総会で旧経営陣が追放されています。その後も旧経営陣側が同社専務取締役を私文書偽造で刑事告発するなど、、、泥沼化してますね。

話が前後しますが、2017年には子会社のバイオに関する材料で同社株が急騰していますし、この急騰に関しては証券取引等監視委員会も調査を続けているとか。とまぁ、こんな過去のある企業だけに、今回の調査委員会設置にも「今度は何が出てくるのか」とついつい考えてしまいます。

住友重機械工業 6億円超の着服

一昨年から始まり、昨年も1月、6月と検査不正等が発覚し続けてきた住友重機械工業ですが、今度は労働組合の積立年金口座からの着服が出てきました。会計を一人で担当してきた女性が2013年から2018年2月に発覚するまで、5年間で6億円を超える横領です。

過去の不正・不祥事(備忘メモ)

2018年6月 グループ会社で大型特殊自動車の不適切な分解整備作業
2018年10月 グループ会社で圧延ロールの検査不正発覚
2019年1月 本社、グループ会社で動く歩道や大型減速機等の検査不正発覚
2019年3月 調査により数千件の不適切検査が新たに発覚

横領容疑で逮捕

今のところ裏がとれているのは5000万円のようで、逮捕容疑もそういうことになっています。ポルシェ・カイエンや馬術競技用の馬6頭などの購入に充てたんだとか。総額は6億4千万円に上るそうです。

この事件、組合幹部の交代に伴う会計調査を行おうとした2018年1月に発覚したということですから、逮捕まで2年間もかかってるんですね。調べてみると、当該検査が実施されることを知って、失踪していたみたいです。

会社行為ではないけれど

今回は従業員による横領です。それも会社のお金ではなく、従業員(組合員)のお金に手を付けたわけですよね。これ、会社は補てんするんだろうか。ここは気になりますね。

しかし、たった一人に管理を任せていたとか、5年以上も発見できなかった、、、という杜撰な管理状況。労組に出向中とはいえ、あくまで同社の社員です。企業としても不正・不祥事を連発したカルチャー。

こんなことがあると、一人一人の社員の倫理観に問題あるのでは?みたいな見方になっちゃいますよね。他の真面目に働いてる社員達が気の毒です。

日本郵政 増田社長 就任記者会見

1/9 6日に就任した郵政グループ3社長の記者会見が行われました。日本郵政の増田氏、日本郵便の衣川氏、かんぽ生命保険の千田氏のお三方です。日本経済新聞では「郵政3社長の会見要旨」として掲載、これを読みました。

増田社長の会見は良い感じ

3社長の会見要旨としていますが、実際にはほとんどが増田社長の発言ですね。会見そのものも彼がほとんど喋ってたんでしょうか。増田社長の発言、これがなかなか良い感じです。

ただ、「政府保有株の売却の時間軸を明示することはできない」などときっぱり言われちゃって、株式をさっさと売ってしまいたい政府関係者にはがっかりな内容だったかもしれませんが。

発言の要旨のまとめ

「再発防止策を講じて一歩一歩、信頼を回復していく。会社にとって悪いニュースこそすぐ共有し、どう克服するかを考える。総務省からの情報漏洩問題はしかるべき調査をすべく準備を進めている」

しばらくは前向きな成長ストーリーを投資家に示せないのか、という記者の質問に対して

「いま業務停止命令を受けている当社グループが投資家に夢を語ることはかえって信頼を失う。最大の危機的状況の時は、投資家も市場もまずは足元を見ろという声が多数だと思う。」

ステークホルダーが気にしている情報漏洩問題や、まだ表面化していない営業姿勢の問題についてもしっかりと取り組む姿勢を表明してます。既に漏洩先の上級副社長さんは辞任されてますし、経営陣の刷新でうやむやにしてしまいがちなところ、偉いです。

今のガバナンス、コンプライアンス態勢が危機的な状況であり、これを建て直すまでは事業の成長を語るなんぞありえない。そのことをしっかり認識されているからこその発言ですね。外部から招聘した増田社長、なかなか期待できそうです。

ただ、「言うは易く行うは難し」、、、なんです。巨大な組織の態勢建て直しというのは。頑張っていただきたいものです。

キックバック 平和不動産

少し前になりますが、平和不動産の行った不動産取引ににおいて、同社が支払った仲介手数料が同社従業員等にキックバックされていた件の調査報告書が公表されていました。平和不動産は東京証券取引所の大家さんです。1949年の取引所再開当時からの上場企業です。

キックバックの概要

不正を働いたのは同社の不動産ソリューション部長とその部下の計3名。彼らは社内規則に違反して無許可で個人会社を経営していました。平和不動産が当事者となる不動産取引に関して、同社が仲介手数料を支払った仲介業者から、アドバイザリー報酬等を個人会社で受領するというのが典型的な手口です。

2014年~2019年の約5年間で、部長は23取引。その他二人(いずれも次長)は5取引、7取引の報酬を受領。このキックバックは基本的に、「手数料過大支払い」と「収益機会盗用」の二つのパターンで立証してます(詳細は省略します)。

上場企業のレベルじゃない

非常に歴史のある上場企業で、不動産会社と書くと、かなり大きな企業をイメージすると思いますが、この会社、従業員はたったの110人です。取引所の大家さんだから上場させてるだけで、昔から「なんで上場してんの?」と誰もが思う上場企業だったんです。

おまけに今回舞台となった不動産ソリューション部。部長1名、次長6名、副参事1名、課長2名、その他6名の合計18名の人員構成。金融機関なんかでいうと超小規模店のレベルです。これくらい小さな組織だと不正など出来たもんじゃありません。

隅から隅までおよそ目が届く範囲のはず。もちろん、行為者3人のうち2人が部長と次長だったから、というのはありますけどね。そうそう、もう一人この悪事を知ってて知らないふりしてた従業員(報告書では幇助者)もいます。部長の指示には逆らわない方が得策と考えたようで。

実態のある取引に対するキックバック

しかし、不動産取引におけるキックバックって難しいですね。不動産を売る会社も、買う会社も仲介手数料3%支払いに納得して支払いました。なかなか出て来ない良い物件を持ち込んでくれたということで、仲介業者は売り手側のトップセールスに感謝の意味で1%の報酬(キックバック)を。例えばこのケース、どの企業も損をしていないようにも見えます。犯人の部長もそう主張しているようですが。