FPパートナー(その2) 株価急落

FPパートナーの株価が下げ止まりません。9時半頃に一旦値が付きましたが、その後また売り気配となり、大引けまで値段が付かず。株価は2605円で700円のストップ安、130万株の売り物を残しています。ダイヤモンド社の記事を明確に否定しましたが、今月上旬から既に2000円下げています。

東洋経済オンライン

どうやらダイヤモンドオンラインに続き、東洋経済オンラインも参戦したようですね。「『生保業界のビッグモーター』にすり寄る生保、生保による過剰な便宜供与と利益供与が復活」 などというかなり過激な表現で報じられています。

「保険会社による営業社員の採用支援とあっせん」、「リーズと呼ばれる保険契約の見込み客を、FPパートナーに無償で紹介している」という二点を問題視。無償で紹介を受けた見込み客の情報は、FPパートナーが自社の募集人に1件1万1000円で販売していたそうな。

そしてさらに保険会社から支払われる多額の広告料についても指摘しており、これらはもう「便宜供与を超えて、利益供与だ」という金融庁幹部の言葉も紹介しています。なんかエライことになってきましたね。ビッグモーターに群がった損保、今度はFPパートナーに群がる生保ですかぁ。

4月には法令違反も?

FPパートナーでは銀行代理業として住宅ローンの仲介も手がけている中で、営業拠点の変更などに伴う銀行法上の必要な届け出をしていなかったという法令違反が、4月以降に発覚していたそうです。金融庁はここから着手したのかな。

苦戦するデジタル不正調査 デジタルフォレンジック

6/3付け日本経済新聞に、「苦戦するデジタル不正調査 フォレンジック、『限界』報告相次ぐ企業、記録保存に甘さも」という記事がありました。企業の不正調査で、メールやサーバへのアクセスログなどを解析する「デジタルフォレンジック」(電子鑑識)が不調に終わる例が出始めているということです。

デジタルフォレンジック

デジタルフォレンジックとは、犯罪捜査や内部統制、情報流出対策として利用される調査・分析技術です。コンピュータやネットワーク、外部メモリなどから情報を収集・解析し、法的証拠として活用します。一般企業では、サイバー攻撃を受けた時の原因究明や分析、不正行為発覚時の調査対応にフォレンジック技術が使用されます。

不正に鈍感な企業だからこそ

記事では、企業が使うメールやチャットサービスのライセンスの制約により、復元困難な過去データがあるなど、企業側のデータ保存の問題が指摘されていました。発覚後に遡って調査ができるよう、可能な限り長期間のログが保存されていることが望ましいわけです。

が、しかし、そのためにはデータ量も莫大となり、全てを長期保存すればかなりのコストがかかります。不正に対してわきが甘い企業だからこそ、こうしたコストも負担できていない。ある意味当たり前です。

データがしっかり保存されているから、モニタリング等で不正が必ず見抜かれる、という意識を従業員たちに浸透させることもできるんですけどね。

トヨタやホンダなどで不適切事案が判明?

日刊自動車新聞は5/31、「トヨタやホンダなどで不適切事案が判明 国交省が調査結果公表へ 悪質性など踏まえ処分検討」と報じました。ダイハツ工業などの認証不正を踏まえ、同様の不適切な事案がないかどうか、国土交通省が自動車メーカーなどに社内調査を指示した結果のようです。

日刊自動車新聞

日刊自動車新聞は、1929年(昭和4年)創刊の世界最大級の自動車業界紙なんだそう。 日本国内外の自動車業界動向を取り扱っています。その電子版で今回この件が報じられてます。

調査結果

ダイハツのほか、日野自動車や豊田自動織機で相次いだ認証不正を踏まえ、国交省は1月末から順次、自動車や装置の型式指定を取得している自動車メーカーやインポーター(輸入業者)、装置メーカーなど合わせて85社に対し、型式指定申請に関する社内調査と報告を求めていました。

過去10年を遡り、型式指定申請に関する各種試験の運用や試験結果などを調査するとともに、客観性を担保するため外部組織などによるチェックも求めていたそうです(報告期限は6月上旬)。

同紙によると、これまでにトヨタやホンダが不適切な事案を報告したもよう、だそうです。常連さんのトヨタはともかく、これまでこうした不正とは縁がなかったホンダまで出てきたんですね。2社以外にも不適切な事案が見つかっているとの情報もあるそうです。道路運送車両法上、問題があるかどうかはこれから精査されるようです。

ENEOS子会社 「NIPPO」が契約に反して再生材料を使用していた件

5/24、国土交通省は、NIPPO子会社がNIPPO以外の施工会社にも材料を納入していたとして、それらが契約と異なって国土交通省などの道路工事に使用されていないかなど調査するよう求めました。

NIPPO

NIPPOは、道路の舗装工事などを手がける大手企業。国内最大規模の土木建設・道路舗装業の他に、建設コンサルタント業や不動産業も展開しています。現在は非上場企業ですが、2022年までは上場していました。昔の日本鋪道株式会社ですね。

不正の概要

第1報は4月、国や高速道路会社から受注した工事で、新品のアスファルトを使う契約だったにもかかわらず、使用済みのアスファルトなどを混ぜた「再生合材」を使用していました。「再生合材」はNIPPOの子会社が納入したもので、使用された先は国道や高速道路、空港の合わせて33にのぼることが判明しています。

そして今回、国土交通省は同子会社がNIPPO以外の施工会社にも材料を納入していたとして、それらが契約と異なって国土交通省などの道路工事に使用されていないかなど調査するよう求めたということです。

ここもENEOSの

直近でも2019年に「道路舗装用のアスファルト合材の販売で価格カルテル」なんて事件起こしてますし、この業界の闇は深そうです。そしてこのNIPPOはENEOSの100%子会社。二人のトップが次々とハラスメントで解任された、、、あのENEOSです。

株式会社ウイルコホールディングス 雇用調整助成金の自主返還?

ウイルコホールディングスは4/9、「助成金の自主返還額の確定および第三者委員会組成の決定に関するお知らせ」を公表しました。2020 年 4 月から 2023 年 1 月までに受給した雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)を自主返還するというもの。

ウイルコホールディングス

ウイルコホールディングスは、商業印刷物や特殊ラベル・シールなどの製造・販売を手掛けます。受け取った消費者が行動を起こすまでを分析し、「思わず開封したくなる」「もっと見たくなる」製品の企画立案、デザインから印刷・加工・配送までを提供する企業です。石川県白山市に本社を置く東証スタンダード上場企業です。

自主返還額

同社グループがこれまでに行った雇用調整受給金の申請内容につき、石川労働局より指摘を受け、社内調査を行ったところ、不正受給が判明したとのこと。自主返還額は 860百万円だそうです。同社の開示では、やたらと自主申告だの自主返還という言葉が多用されていて、不正とか不正受給といった言葉は出てきません。

この会社、2011年には障害者団体向け郵便割引制度を悪用し、料金を不正に免れたとして、会長と執行役員が郵便法違反罪にも問われてるんですね。なんだか信用ならない会社。今回の開示でも不正は不正として正直に書くべきでは?