三菱UFJ銀行 指定金融機関 辞退

このニュース自体は今年2/25に流れていたものです。地方自治体の公金収納や支払い事務などを受託する指定金融機関。三菱UFJ銀行が、芦屋市や宝塚市、明石市、伊丹市、池田市、所沢市など、10市程度の地方公共団体の指定金融機関を、辞退することになったというお話。

三菱が口火を切った

その昔、指定金融機関になることは、多額の公金預金の受入れや縁故債の引受などのメリットがあり、銀行同士が結構競い合ってた記憶があります。その見返りとして、銀行は窓口収納業務など各種手数料を無料化または大幅割引してきました。今ではそのメリットもなくなり、全くコストに見合わない業務となってしまったため、いただくべきコストをちゃんと払ってくれという交渉が始まっていたんですね。

しかしながら、ここに出てきた10市はいずれもその交渉を受け入れなかったということです。ちなみに、芦屋市の場合は、年間7万200円だった費用を、1500万円というレベルに引き上げる交渉だったそうです。これだけ見ると吹っ掛けてる感じですが、実際にかかっているコストであり、妥当な要求なんです。

10市はいずれも、三菱UFJ銀行が輪番制で指定金融機関を務めていた先のようで、三菱が口火を切った形です。そのため、他の銀行も地公体との交渉がしやすくなったようで、10市の中には、三菱と一緒に輪番を組んでいたもう一つの銀行が交渉を続け、手数料等の増額に成功した事例も出てきたとか。

銀行が好調だったころの慣行

時代が変わって、銀行も国や地公体にコスト割れのサービスを続けていくことができなくなりました。三菱と言えば3年ほど前、国債の入札に参加する際の特別な資格である「国債市場特別参加者(プライマリーディーラー)」を返上したという出来事もありました。この辺りから、既に三菱はコストに関してかなり敏感に対応していたように感じます。結果的に、御上よりもステークホルダーを志向し始めている。そんなふうにも言えるかもしれませんね。

昔の慣行にメスを入れ、地方の指定金融機関の座は地方金融機関に返すことになっても構わないという判断。これをきっかけに銀行界が当然の要求をし始めるといった新しい潮流を作ろう。そんな狙いもあったのかもしれません。

三菱UFJモルガンスタンレー証券

最後に脱線。昨年、三菱UFJモルガンスタンレー証券が国債特別資格を停止される、というニュースがありましたが、こちらは国債先物取引で相場操縦をしてしまったことに対する処分でした。上記の話とは違います。。。実は2004年に、当局検査において検査忌避で業務停止命令を受けたUFJ銀行(当時)も、同じ資格取り消しを受けてます。三菱UFJグループ、この資格とは因縁があるようで。

メガバンク 新卒採用減 米国債で巨額損失

4/2付の日本経済新聞、金融経済面は賑やかでしたね。三菱UFJ銀行の新卒採用45%減。検証、みずほ巨額損失(下)、三菱UFJ系証券2社合併。この日の日経は新元号「令和」関係に多くの紙面を割き、お祝いムードでしたから、金融界の惨状が目立ちました。

三菱UFJ銀行 新卒採用45%減

2020年春の新卒採用数を530人へということで、前年比45%減らすことを決めたとのこと。みずほや三井住友は既に今年度から先行して採用を減らしているので、三菱はちょっと遅れた感じですか。

一方で、新卒予定の大学生の就職志望先ランキングの方でも、3メガバンクは順位を大幅に下げています。採用は抑制しつつ、どう優秀な人材を確保するかが課題になるとか、質の高いデジタル人材にシフトするみたいなことも書かれてましたが、それはやっぱり人気のあるころにやっておかないとね。

あの志望先順位ではそれもかなわないでしょう。結局金融って、会社は違えど、やってること、志向すること、みんな一緒なんです。今までもそうだったし、たぶんこれからもそうでしょう。これくらいの巨大な産業がIT人材を本格的に求め始める。金融界が動くとデカいですからね。こうやってIT人材バブルは膨らんでいきます。

みずほ巨額損失(下)

こちらの記事も刺激的でした。メディアも含めて、ある程度好意的に見てきたみずほの巨額損失の計上ですが、この記事では同時に行う米国債の含み損の処理1500億円にフォーカスしています。

みずほに限らず、銀行は短期で資金を調達して米国債で運用しているんですが、そのドル資金の調達コストが運用利回りを上回る、逆ザヤの状況が続いています。昨年末辺りから逆転し、今のところ解消しそうにない。となると、このまま運用を続けていても損失の垂れ流しとなるわけです。

そこで、みずほはこの運用ポジションを解消してしまうという決断をしたということなんですね。ところが、その経緯について、「みずほは決断できぬままでいたが、金融庁は早期の損切りを水面下で促し続けてきた」とか、「新社長になり、新しい中期経営計画を作る前は絶好のタイミングとみて畳みかけた」などと伝えています。要するに、行政が主導した外債の損切りだったということのようです。

しかしまぁ、このストーリーって、、、やっぱり金融庁がリークしてるんですかね。メガバンクももちろんそうなんですが、地銀も外債でやられてる構図は全く一緒だと思われます。みずほがこんなふうに追い込まれたということは、、次は我が行、、、そんなインパクトはあったでしょうね。

二酸化炭素排出 「実質ゼロ」目標

週末の日本経済新聞で「二酸化炭素排出 「実質ゼロ」目標に」という記事が掲載されました。政府の有識者会議は、日本から出る温暖化ガスの二酸化炭素(CO2)を今世紀後半の2070年ごろまでに「実質ゼロ」とする新たな目標案をまとめた。とのことで、その記事の中で紹介されていた技術の一つが、CO2を回収して都市ガスの主成分であるメタンにする技術です。

CO2を回収 メタンを生成

産業界から排出されるCO2と水素(これは再生可能エネルギーを利用して生産される電力により水を分解して生成)を反応(メタン化反応)させて、メタンを得るという化学反応になるらしいのですが、少々専門的になりますね。昔習った化学式では、CO2+4H2→CH4+2H2O となるようです。

二酸化炭素に水素を加えることでメタンと水を生成。メタンは電力を生むための発電燃料になり、発電で発生した二酸化炭素はまた水素を加えてメタンに、、、という循環ができるわけです。メタンは都市ガスの主成分ということですし、同じ燃料としては水素よりも扱いやすそうなところもメリットかもしれません。

技術的には既に確立しているようで、2014年に日立造船が水素と二酸化炭素から純度99%のメタンを作り出す技術開発に成功したと発表した。というニュースも報じられてました。

太陽エネルギーで燃料を作る人工光合成

二つ目の技術がこれ。昭和シェル石油が2016年末、ガス拡散電極を利用し、常温常圧下で水と二酸化炭素(CO2)と太陽光のエネルギーだけで、メタンとエチレンを合成することに成功したと発表しています。これも人工光合成技術の1つで、常温常圧下で太陽光のエネルギーのみで炭化水素などの有用な物質を生成できたのは「世界初」(同社)だそうです。

この昭和シェル石油の研究における炭化水素への太陽光エネルギー変換効率は0.71%。実際の植物が光合成により水と空気中のCO2からデンプンなどの炭水化物を生成する効率は一般的に0.1~2.5%程度とされていて、同社の成果は「自然界の植物の光合成と同レベル」だとのこと。

人工光合成は太陽光とCO2、水を用いて燃料や資源などの有用な物質を作り出す技術。というのがもう少し一般的な定義らしいです。再生可能エネルギー(太陽光)を利用し、なおかつCO2を削減しながら、有用物質を生み出せる技術として注目されており、研究開発が進んでいるようです。

政府の有識者会議が打ち出す「二酸化炭素排出 「実質ゼロ」目標」。かなり強気だなぁと思いましたが、それなりの裏付けはありそうです。期待したいですね。

1万円札 高額紙幣廃止 キャッシュレス決済推進

ハーバード大学のケネス・ロゴフ教授は、日本人の現金離れを促す方法として、1万円札の段階的廃止を唱えています。kuniもそろそろこれを考えても良い頃ではないかと思っています。今日はこの日本における高額紙幣、1万円札の廃止について考えてみます。

各国の高額紙幣

世界で最も価値が高い高額紙幣は、シンガポール1万ドル紙幣だそうです。日本円にして80万円ですと。次いでスイス1000フラン紙幣(11万円)、カナダ1000ドル紙幣(8万円)、こんな感じです。日本の1万円札は米国100ドル紙幣に次ぐ第9位でした。

これらの国に共通することは、比較的治安の良い国であるということです。米国は治安が良いとは言えないでしょうが、100ドル紙幣は国外に持ち出されていて、米国内ではほとんど流通してないようです。

なぜ日本では現金が好まれるのか

最も大きな理由は日本が治安の良い国だからだと思われます。高額紙幣を普通に財布に入れて持ち歩けるのは、強盗やひったくりといった犯罪を警戒しなくても良いからです。こうした犯罪が日常茶飯事に起きる国では、到底できないことですよね。

自宅に現金を保管する際に高額紙幣が都合が良いというのも大きな理由でしょう。いわゆるタンス預金というヤツです。ただし、ここにも大前提として「自宅に空き巣や強盗が入ってくることはまずないだろう」という安心感=治安の良さがあるということです。

他にも、きれいな紙幣が常に維持されていること、紙幣の偽造もほぼないこと、などが理由としてあげられると思います。しかし、ここには日銀による汚れた紙幣の回収と新札の供給であるとか、銀行ATMでアイロンがけまでしてくれる、偽造されないようにするための技術革新等、相応のコストが掛かっています。

移民の解禁と治安の悪化

こんな治安の良い国日本にこれから起きること。外国人労働者の流入というのは、実質的な移民の解禁です。当ブログでも何度か見てきたように、多くの外国人が移民として流入することは、日本の治安を悪化させることにもなりそうです。インバウンドと言われる訪日旅行者の急増においても、その兆候はありました。

治安の悪化により、高額紙幣を持ち歩く、タンス預金をすることの危険性は高まります。逆に、治安を悪化させないためにも、高額紙幣をなくしておくという発想はありだなぁ、と思うわけです。高額紙幣の廃止により、強盗やひったくり、空き巣の発生機会(動機)を減少させるとともに、キャッシュレス決済比率を向上させる。加えて、銀行ATMの廃止や資金の移送コスト等も軽減できるというわけです。1万円紙幣の廃止、少し現実味が出てきました。

IHIに行政処分

民間航空機エンジンの整備事業で検査不正が発覚した問題で、経済産業省からIHIに対して行政処分がありました。同時に詳細な社内調査の結果も公表し、中間報告では13基としていた不正があったエンジンの数が、209基に上ることも明らかにしています。あれっ、経済産業省?って思われた方、いらっしゃいますよね。たしか、国土交通省の検査で見付かったはず。

航空機製造事業法

という法律を経済産業省が所管しているようで、この法律の第14条第1項で、航空機用機器(エンジン等)の修理方法について、経済産業大臣の認可を取得することが義務付けられているようです。IHIは認可を得たエンジンの修理方法とは異なる方法で修理を行っていたため、行政処分が行われたということです。エンジンの修理方法が届け出ていた方法と違うだろ、っていうことですね。

航空法

一方で、航空法においては、エンジンを整備する工場は、整備の方法を定めた業務規程を作り、国土交通省の認定を受けることになっています。IHIはこの認定を受けている業務規定とは異なった方法で整備を行っていたということで、このあと国土交通省からも処分を受けることになるだろうということです。ややこしいですね。経済産業省と国土交通省がそれぞれエンジンの修理方法と整備方法を巡って別の法律を所管しているということのようです。

不正の内容

IHIは全日空や日本航空をはじめとして格安航空会社まで、国内外の航空会社から整備を受託しています。規定の飛行時間を超えると、分解して点検・整備する「オーバーホール」を主に受託しているとのこと。

今回の経産省の行政処分通知の内容を見てみると、その受託業務において、直近2年間で213基のエンジンを整備しており、そのうち209基のエンジンにおいて不正作業が行われていました。不正の作業数は6,340件。このうち、スタンプ管理に係る不正が5,846件、工順変更不正と不正な検査日が494件だそうです。

必要な社内資格を持たない作業員が検査したにもかかわらず、有資格者の印を押したり、必要な手続きを経ないで作業の順番を変更したり、作業の実施日と記録が一致しないという不正の数々。にもかかわらず、経産省の行政処分内容は「是正しなさい」というだけの軽いものです。

このあと、別途罰則があるんでしょうかね。国交省の処分がどんな処分になるのかも気になるところです。もっと重い処分を期待するのはkuniだけでしょうか。人命を預かっているという自覚が感じられませんね、IHI。