株式会社プロトコーポレーション 従業員の不正行為

プロトコーポレーションは10/18、「特別調査委員会設置及び 2025 年3月期第2四半期決算発表延期に関するお知らせ」を公表しました。同社社員による不適切な取引について社内調査を進めてきましたが、特別調査委員会を設置することを決めたということです。

プロトコーポレーション

プロトコーポレーションは、クルマ情報誌「グー」やクルマ・ポータルサイト「グーネット」などのメディア展開や情報サービスの提供と、中古車や各種チケットの販売を手掛ける東証プライム上場企業。博多華丸大吉さんと高橋ひかるさんの、「カー!と言えばグーネット」というCMでおなじみの会社ですね。

不正の概要

今年5月、同社社員による一部取引において、売掛金が未回収となる事案が発生したことを受けて、当該社員に事情を確認しようとしたところ、当該社員との連絡が取れなくなりました。その後、7月以降に当該社員と直接連絡がとれ、事実関係の確認を進めたところ、社員が架空取引をしていた疑いが発覚したということです。

2016年7月〜24年3月で、架空の売上額は18億円にのぼるということで、詳細を調査するため特別調査委員会を設置し調査を開始するということです。かなりデカい不正のようです。開示のタイトルにあるように決算発表も延期となっています。

金融庁出向の裁判官 インサイダー取引の疑いで強制調査

10/19付けの報道によると、金融庁に出向中の30代の男性裁判官が、職務を通じて知った企業のTOB=株式公開買い付けの情報をもとに、インサイダー取引をした疑いがあるとして、証券取引等監視委員会から強制調査を受けていたことが関係者への取材でわかったということです。

金融庁へ出向

最高裁判所は主に任官10年未満の裁判官を対象に、さまざまな経験を積ませる目的で省庁に出向させる人事を行っていて、男性裁判官もこの枠組みで金融庁に出向していたということです。

弁護士事務所なども同様に出向させていましたね。kuniも仕組み債の仕組みを金融庁に呼び出され説明したことがあり、その後に出向を終え転職してきた弁護士と同僚になったという経験があります。選ばれて出向するような人材ですから、非常に有能な人材なのですが、純粋培養されてきたためかちょっと融通が利かないというか、専門外のことについては非常識なタイプの人でしたね。

自分名義で

この裁判官もそういうタイプだったんでしょうか、インサイダーの規制や実務を知っている人なら考えられないようなことをやっちゃいました。職務を通じて知ったTOBの未公開の情報をもとに、今年、株を自分名義で売買したということです。親族や知人の名義でとかではなく、自身の口座で。

この裁判官、金商法についてどれくらい勉強してたんでしょう。もちろん裁判官が悪くて、バカの見本のような不法行為ですが、それを監督するべき立場の金融庁もどういう教育をしていたのか。インサイダー規制の総本山である金融庁、相応の責任が追及されてしかりですね。

日本甜菜製糖株式会社 北海道士別製糖所で火災事故

日本甜菜製糖は10/16、「当社士別製糖所における火災発生について」を公表しました。10/15午前4時ごろ、士別市西3北4、日本甜菜製糖士別製糖所の飼料工場内で出火し、鉄骨造り4階建て一部2階建て約810平方メートルの屋根や壁の一部とビートの搾りかすが焼けました。

日本甜菜製糖

日本甜菜製糖は、「スズラン印」ブランドの砂糖製品の製造販売が中核。国内では北海道でのみ栽培される甜菜(てんさい)を原料とする国産糖のトップメーカー。このほか、飼料や農業資材、不動産などの関連事業を手掛ける東証プライム上場企業です。北海道が地盤で、設立当初の社名は北海道製糖でした。

事故の概要

10/15の午前4時ごろにビートパルプ工場のパルプ乾燥設備より出火し、約6時間後に鎮火しました。人的被害はないとのことで、物的被害については、現在調査中としています。製糖所は操業を停止しており、再開の見通しは立っていないとのこと。

士別市は北海道の北部に位置し、今回事故のあった甜菜製糖が主要な産業だそう。ほかに羊の牧畜なども。冬季は-30℃前後の気温が観測されることが珍しくないようで、自動車・タイヤメーカーの試験場がつくられ、冬の厳しい寒さを利用した寒冷地試験が行われているそうです。

アコム株式会社 銀行出向社員が銀行の個人情報を漏洩

アコム株式会社は10/16、「弊社出向者による個人情報の不適切な取扱いについて」を公表しました。八十二銀行に出向中の同社社員が、株式会社長野銀行のカードローン契約者および八十二銀行の顧客の個人情報を、顧客の同意取得前に同社に送信していたとのこと。

アコム株式会社

アコムは三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)傘下の消費者金融大手。営業資産残高や顧客数などから、業界のリーダー的地位。ローン・クレジットカード、信用保証、海外金融、債権管理回収の各事業を展開する東証スタンダード上場企業です。

事案の概要

業務提携先の長野県の地方銀行に出向していた社員が、本来は共有してはいけない銀行の預金者の個人情報を10万件以上、自社に流す不適切な取り扱いがありました。八十二銀行においては、本人の同意を得ることなく10万件を超える個人情報を、また、八十二銀行と合併する予定の長野銀行については、1800件以上の個人情報を自社に送信していたとのこと。

このところ損害保険会社や保険会社などで横行した不正行為と同様ですね。アコムでは入手した情報で営業はしておらず、すべて削除したということですが・・・。この事件、日経ではなぜか「誤送信」と表現されていました。当該社員がルール(共有可能な顧客の範囲)を誤って理解していたから「誤送信」、ということのようですが、一般的にこういうの誤送信と言いますかね?不正行為ですよ。

ブックオフグループホールディングス 従業員の不正行為(その4)

ブックオフグループホールディングスは10/15、「特別調査委員会の調査報告書(公表版)公表に関するお知らせ」を公表しました。複数の店舗で架空買い取りや不適切な在庫計上の可能性が発覚し、外部の弁護士らで構成する特別調査委員会で調査してきた結果の公表です。

調査結果

国内の26店舗と子会社の商品管理を行う1つの部署で買い取り金額を水増して現金を横領するなど、従業員による不正が29件確認されたということです。架空の買い取りなど不正による影響額は合わせて8,100万円にのぼるとのこと。

不正があった店舗数は8月の途中報告の24店から2店舗増え、不正による影響額も約1,000万円増加しています。

同社は直営店舗数が387 店。連結ベースの従業員が、社員1,572名、パート・アルバイトが12,966名を抱える大所帯。に対して、同社の内部監査部(年間を通じて監査を行い、業務及びその内部統制の適切性・有効性を検証・評価する)は、社員 4 名だけなんだそう。この数では現場に足を運ぶ監査など出来っこありません。まず、ここが一番の問題点でしょう。

貧弱な監査態勢

発生原因の筆頭に定番の「従業員におけるコンプライアンス意識の欠如又は不足」が挙げられていますが、会社執行部がしっかり現場の状況を確認しているぞ、という態勢が非常に重要で不正を抑止することが可能。たった4名の内部監査部では現場へのけん制すら働きません。