金融庁 トヨタモビリティ東京へ立ち入り検査

金融庁が、トヨタ自動車の唯一の直営販売会社であるトヨタモビリティ東京へ立ち入り検査に入ったことがわかったとのこと。損害保険業界の一連の不祥事を受け、ディーラーが兼ねる乗り合い代理店の実態の調査に乗り出したとみられます。

やはりトヨタでも?

金融庁は中古車販売店「ガリバー」を運営するIDOM(イドム)と、同業大手のグッドスピード(名古屋市)にも立ち入り検査に入っていましたね。これらは中古車を扱う業者でした。トヨタモビリティ東京のような新車販売店への立ち入り検査が明らかになるのは初めてだそう。

IDOM(イドム)とグッドスピードについては、自動車保険金の不適切な事案などが確認されており、その調査が目的とみられていましたが、トヨタモビリティ東京については、自動車保険をめぐる実態について調査する目的とみられているようです。

「乗り合い代理店」と「専属代理店」

乗り合い代理店とは、複数(2社以上)の保険会社と代理店契約を結んでいる保険代理店のことをいいます。これに対して、一社の保険会社のみと代理店契約を結んでいる保険代理店のことを専属代理店というんですね。

このところ問題となっているのは乗り合い代理店。複数の会社の保険商品を同時に比較・検討したいという消費者ニーズに対応しているという事業形態でありながら(中立を装って)、その実態は代理店手数料の多い保険を勧めているというのが問題点です。さて、トヨタからも問題点は出てくるんでしょうか。

奥村組 不正会計で社内調査委員会設置

奥村組は10/24、「社内調査委員会の設置に関するお知らせ」を公表しました。、同社が受注している工事に関して、不適切な原価管理が行われていたことが判明したとのこと。事実確認、類似事案の有無の確認、原因究明および再発防止策の策定等を目的として、外部有識者を中心メンバーとする社内調査委員会を設置することになりました。

奥村組

奥村組は関西地方を地盤とする中堅ゼネコン。トンネル工事に強み。土木・建築やその他建設工事全般を手掛ける建設事業のほか、不動産事業、建設資機材などの製造・販売を手掛けるその他事業を展開する東証プライム上場企業です。最近のCMでは業界で最も好感度が高く評価されていました。

不正の概要

同社が受注した工事において生じた費用を、当該工事で計上せず、別の工事に計上(原価の付替え)した旨の内部通報があり、社内調査を実施した結果、付替えの事実が判明。その調査過程において、更なる別の付替えも判明したということです。

同社の中間期決算発表は11/12に予定されていますが、この3週間弱で調査が完了するかどうか。同社も「社内調査委員会の調査及びその結果を受けた決算の確定には時間を要するため、進捗によっては延期となる可能性がある」としています。期限を守るためにいい加減な調査で終わらせることなく、延期してでもしっかり調査するべきですね。

nmsホールディングス株式会社 役員の経費使用巡り特別調査委員会設置

nmsホールディングスは10/22、「特別調査委員会設置に関するお知らせ」を公表しました。特別調査委員会設置の目的を、同社一部役員による不適切な経費使用の有無に関する事実関係の調査だとしています。

nmsホールディングス

nmsホールディングスは、製造業向け人材サービスを提供するHS(ヒューマンソリューション)事業、電子機器や車載関連機器などの製造を受託するEMS(エレクトロニクスマニュファクチャリングサービス)事業、電源製品を製造するPS(パワーサプライ)事業を展開。海外にも進出し海外売上高比率が6割を占める東証スタンダード上場企業です。

不正の概要

今回の開示では誰が、どのような不適切な経費使用をしていたのか、全く説明されていません。唯一具体的に記されているのが発覚の経緯。同社会計監査人である有限責任あずさ監査法人から、監査手続きを進める中で同社監査等委員会に対し、同社一部役員の経費使用に関する社内調査を行うよう要請を受けたというもの。

経費使用が問題視されるパターンとしては、圧倒的に多いのがトップによるもの。同社もトップが実質的筆頭株主ですし、そのパターンですかね。あとは、2人いらっしゃる子会社の社長を兼務されている取締役でしょうか。

気になるのが、同社の社外取締役2名と外部の弁護士1名(同社との利害関係については不明)という委員会の構成メンバー。形式だけの調査結果になるんですかね。調査結果を待ちましょう。

インサイダー取引で強制調査 金融庁職員に続いて今度は東証職員

証券取引等監視委員会が株式会社日本取引所グループ傘下の株式会社東京証券取引所の社員に対し、インサイダー取引の疑いで強制調査をおこなっていることが10/22判明したとのこと。数日前には金融庁に出向中の30代の男性裁判官のインサイダー取引が報道されたばかりです。

株式会社日本取引所グループ

株式会社日本取引所グループは、東京証券取引所グループと大阪証券取引所(大証)が合併し設立した後、東京商品取引所をグループ化。有価証券やデリバティブの上場、取引の場の提供、清算・決済サービス、指数・情報サービスを提供する東証プライム上場企業です。

東証職員まで

金融庁職員のインサイダー取引で驚かされてわずか数日。今度は東証職員によるインサイダー取引。強制調査を受けたのは東証の若手職員で、企業の公開前の適時開示情報を基に株式を売買した疑いが持たれているといいます。

日本取引所グループ内には東証や大証のほか、日本取引所自主規制法人という会社もあります。ここが取引所等で行われる取引等を監視し、調査も行っています。つまりインサイダー取引の規制や監視、調査を行っている企業と同じグループ内の東京証券取引所で事件が起きているということなんですね。金融庁の次は東証。マジでこれ、シャレになりませんから。

ガリバー グッドスピード 保険水増し疑いで金融庁が立ち入り検査

報道によると、金融庁が中古車販売店「ガリバー」を運営するIDOM(イドム)と、同業大手のグッドスピード(名古屋市)の2社に立ち入り検査に入ったとのこと。旧ビッグモーターによる保険金不正請求と同様、2社においても不正請求が行われていたとみているようです。

IDOM グッドスピード

グッドスピードは中古車販売店を東海4県(愛知、岐阜、三重、静岡)を中心に出店する企業。過去に何度も当ブログでも取り上げてきました、そちらもご参考に。IDOMも「ガリバー」ブランドを中心に日本全国に店舗を展開する中古車買取・販売大手です。

グッドスピードは昨年10月に、調査した1664件のうち91件で「不適切疑義案件」があったと発表していましたが、この結果に金融庁は満足していないようで再調査となります。同社では不正会計も出てきてましたね。ただこの会社、宇佐美鉱油がTOBを実施したことで今年8月に上場廃止となっています。

一方のIDOM(ガリバー)の方は保険金の不正請求だけではなく、自動車保険契約の見返りとして、車両の販売価格を割り引くといった保険業法上の違反行為(特別利益の提供)の疑いも浮上しているんだそう。

中古車販売業者になぜ金融庁が?と思われるかもしれませんが、彼らは保険会社の委託を受ける代理店でもあるため、保険の販売状況を管轄する金融庁としては、上記のような不正請求や販売時の不法行為を許さないんですね。これ、まだまだ他業者に拡大しそうですね。