グレイステクノロジー 証券取引等監視委員会が課徴金納付命令

証券取引等監視委員会は2/22、「グレイステクノロジー株式会社における有価証券報告書等の虚偽記載に係る課徴金納付及び訂正報告書の提出命令勧告について」を公表しました。グレイステクノロジーに2,400万円の課徴金納付命令と訂正報告書の提出命令を出すよう金融庁に勧告しました。

おさらい

東証1部上場で、産業機械のマニュアル作成を手がける同社。2016年3月期~21年3月期に、発注書や受領書を偽造するなどして、架空の売り上げを計上。計約12億6千万円の利益を水増ししていました。この影響で四半期報告書を提出期限内に提出できなかったとして、2月末での上場廃止が決まっています。

課徴金納付命令

こうしたことを受け、架空売り上げの計上など粉飾決算があったとして、金融商品取引法違反容疑で、課徴金2,400万円の納付と、有価証券報告書などの訂正報告書の提出をさせるよう金融庁に勧告しました。金融庁も近く処分を確定すると思われます。

2,400万円って、そんな小さな金額で済ませちゃうの?という疑問を持った方も多いと思います。ただ現在の金商法ではこれが限界。法に定める金額どおりです。

株主は

国庫に納めさせる金額は上記のとおりですが、問題は粉飾決算が原因で損失を被ることとなった投資家(株主)です。2020年末辺りでは4,000円以上に買われていた同社株。昨日の終値はわずか20円。1,000株を400万円以上で買った投資家の現在の評価額は2万円です。

これに関しては経営陣の不法行為を問う株主代表訴訟などで戦っていくことになります。株式投資にはリスクがつきものですが、粉飾決算は論外。経営陣や取引所、主幹事証券や監査法人の責任追及がこれから始まります。

株式会社ハイパー 会計不正か

株式会社ハイパーは2/14、「2021年12月期決算発表の延期及び特別調査委員会設置に関するお知らせ」を公表しました。同日の決算発表に向けて準備を進めるなか、一部の取引において、不適切な売上処理が行われていた疑いがあることが判明したとのこと。

ハイパー

ハイパーは、法人顧客向けに、コンピュータなどのOA機器販売と保守サービスの提供を中核に、アスクルが取り扱う事務用品の代理店業務を運営する、東京日本橋に本社を置く東証1部上場企業です。1部らしいけど、初めて聞く社名でした。代表取締役社長は女性なんですね。

事案の概要

この開示では冒頭に書いたように、「決算発表に向けて準備を進めるなか、一部の取引において、不適切な売上処理が行われていた疑いがある」としか説明されておらず、詳しいことが一切分かりません。

少なくともこの疑いに関する精査には一定期間を要するとしていて、そのため決算発表を延期し、特別調査委員会を設置するとしています。

2/18には「特別調査委員会の委員選出に関するお知らせ」も公表されましたが、事案についてはやはり2/14の開示の表現のままです。客観性、独立性の高い正確な調査を委嘱するための委員を選出したとしています。

しかし、ここまで客観性、独立性にこだわった委員会を設置しなければならないという展開になっているということは、それなりの不正を把握してると思うんですよね。現時点で判明していることを開示するべきだと思うんですが。。。

商船三井 自動車運搬船で火災事故

商船三井は2/17、自動車運搬船“FELICITY ACE” にて火災が発生し、乗組員が総員退避したことを公表しました。しかし、これはあくまで同社ホームページ上だけの公表で、適時開示は行っていません。

事故の概要

火災を起こした貨物船はパナマ船籍の自動車運搬船「フェリシティエース」(全長200メートル)で、商船三井が所有・運航。ドイツを出港し、米国に向かっていました。16日午前9時半ごろ、ポルトガルのアゾレス諸島沖で出火。乗組員が避難したため、船は制御できない状況に。つまり漂流中。

船には高級車のベントレー約200台や、ポルシェ約1100台のほか、フォルクスワーゲンやアウディ、ランボルギーニといった自動車など、約4000台の車が積まれているようです。乗組員22人は避難し、全員無事とのこと。

何で開示しないの

商船三井をはじめとした海運株は、業績絶好調。期末の大幅増配なども伝えられ、株価は大きく値上がりしています(それでも割安な業種ですが)。こうした好業績や増配についてはもちろん適時開示されています。一方で、火災事故についてはなし。

事故が発生した翌日にはホームページで公表していますが、その翌日2/18には株価は2月の高値近辺まで買われました。で、報道が事故を取り上げた後、2/21には株価は急落。事故のことを知らずに、期末の配当目当てで高値を掴んだ投資家もいたりしそうです。

なんで適時開示しないんでしょうね。会社にとって都合のよくない情報はできるだけ抑えておく。こういう発想してちゃダメでしょ。と、思うのですが。

サカイホールディングス 会計不正か

少し前の話になりますが、サカイホールディングスは2/9、「独立調査委員会の設置及び 2022年9月期第1四半期決算発表の延期に関するお知らせ」を公表しました。連結子会社である株式会社セントラルパートナーズにおいて、売掛金の過大計上の疑いがあるということです。

サカイホールディングス

サカイホールディングスは、太陽光発電による再生可能エネルギー事業のほか、移動体通信機器販売関連事業、保険代理店事業、葬祭事業、不動産賃貸・管理事業などを展開するジャスダック上場企業です。中部地盤で、本社は名古屋の会社ですね。

事案の概要

連結子会社である株式会社セントラルパートナーズにおいて、売掛金の過大計上の疑いがあることが判明。同社としてのこの開示時点での把握では、2021年9月期末時点で純資産が 5億円程度過大と考えているということです。

同開示の翌日2/10には、「2022年9月期第1四半期報告書の提出期限延長に係る承認申請書提出のお知らせ」も公表。本来2/14が四半期報告書の提出期限でしたが、3/31まで期限の延長が承認されています。

独立調査委員会

社内調査委員会、第三者調査委員会など、名称は色々ですが、独立調査委員会というのは珍しいですね。「事態を重く受け止め、より深度ある調査、検証を実施するため」ということで、良いことなんだけど、しっかりとした態勢を組めば組むほど、ついつい重大なことが起きているのでは、、、と勘ぐってしまいます。調査結果を待ちましょう。

サカタインクス 子会社阪田産業で架空売上

サカタインクスは2/14、「当社連結子会社の不適切な取引に伴う特別損失(貸倒引当金繰入額)の計上に関するお知らせ」を公表しました。不適切な取引判明時の開示はなく、いきなり当該不適切な取引に伴う損失の会計処理に関するお知らせです。

サカタインクス

サカタインクスは大手総合インキメーカー。新聞・オフセット・フレキソ・グラビア・メタルインキなど各種印刷インキを核に、印刷製版用材料や印刷製版関連機器、機能性材料(インクジェットインキ、トナー、カラーフィルター用顔料分散液など)にも展開しています。国内では東洋インキSCホールディングス、DICに次ぐ第3位の企業みたいですね。

不適切取引の概要

開示では、「2021年12月期において当社連結子会社の一部の取引に関し、その実在性を確認できない不適切な取引」が判明したとしています。この件が判明した時期は明示されていないんですが、少なくとも昨年12/28には外部専門家を含む調査委員会を設置して、調査を開始したということです。この時点では一切開示せず、、、です。

舞台となったのは連結子会社の坂田産業。「阪田産業が過去において行っていた販売先及び当該販売先と関係のある別会社との一連の取引の一部については、その実在性を確認できないため、対象商品が存在しない取引であった可能性が極めて高い」と判断したようです。

持って回った言い方ですが、要は「架空売上」や「架空取引」の類ですね。未回収債権5億6千5百万円の全額に対して貸倒引当金繰入額を特別損失に計上したとのこと。かなりデカい金額ですね。

この事件、今回のこの開示だけで済ませてしまうんでしょうか。