ヨシコン株式会社 EDINET登録ミスで有価証券報告書提出できず

ヨシコン株式会社は6/30、「第 55 期(2023 年3月期)有価証券報告書の提出に関するお知らせ」を公表しました。前期の有価証券報告書について、提出期限である同日、作業ミスが原因で受付時間内に有価証券報告書の提出を完了することができませんでした。

ヨシコン株式会社

ヨシコン株式会社は、静岡県を中心に総合デベロッパーとして宅地分譲や不動産の販売、仲介、工事などを行う「不動産開発事業」を主力に、マンション分譲や戸建住宅などの販売を行う「レジデンス事業」、「賃貸・管理等事業」、「マテリアル事業」などを手掛ける、東証スタンダード上場企業です。

登録ミス

6/30時点で有価証券報告書の内容は確定しており、あとはEDINETに登録するだけといった状況。長年手続きを実施していた担当者が異動したため、代わりの担当者がEDINET でのファイル登録操作を行いました。

が、しかし、登録時の選択画面を誤ったまま、手続きを継続したため、エラーとして登録することができず、当該作業ミスが原因であることに気がつけないまま、受付時間内にEDINET システムを通じて同有価証券報告書の提出を完了することができなかったということです。

担当者の異動で当たり前の作業が実行できなかった。これって、会社組織では絶対起きてはならないことですよね。前担当者が付きっきりで一緒に作業してあげるとか、新担当者も自身のオペレーションに間違いがないか、前担当者に確認するとか。いくらでもミスを回避する方法はあります。

まぁ、提出遅れの一日くらいどうってことないミスかもしれませんが、こういうところに組織の堅牢さや風通しの良し悪しやらが出てしまうんですよ。この新しい担当者、作業にあたり誰に相談できたのか、できなかったのか。したけど無駄だったのか、、、聞いてみたいものです。

第三者委員会のあり方に懸念 中村直人弁護士

7/1付けの日本経済新聞に、「第三者委、『マンネリ』懸念 企業法務の雄 中村直人弁護士に聞く」、という記事がありました。「企業が選ぶ弁護士ランキング」で21年まで10年連続で総合首位だった弁護士先生だそうで、おっしゃってること、とても納得できるお話でした。

中村先生の指摘

記事からいくつか引用します。
「(第三者委員会について)売り上げをあげるために弁護士側から仕事を取りに行くような風潮があることだ。それでは厳しく調査できるわけがない。イヤイヤ受けて報酬は慰謝料であると思うくらいがちょうどいい。」

いやぁ、深いですね。経営陣を徹底的に調べ上げるような仕事なので、それによっていただく報酬は、「いろいろご迷惑をおかけしました」って感じの慰謝料みたいなものとおっしゃってます。

「報告書が定型化している点も懸念している。動機・機会・正当化がそろうと不正が起こるという『不正のトライアングル』という理論が浸透しているが、それらの論点のみに終始しがちだ。実際はそれ以外に山ほどの要因があり、細かい分析が必要であるにもかかわらず取りこぼされている。」

これまたおっしゃる通り。一般化している方程式(不正のトライアングル)に当てはめて解決できるなら、こんなありがたいことはありませんが、そんな単純な話ではありません。

「(社外取締役について)、取締役にないノウハウを社外から補うという発想で人選を変えないといけない。経営者と同じような価値観を持った応援団ならいないほうがいい。だが経営者の多くは社外取締役に何かしてもらおうと思っておらず、害がないのが大事という意識のままだ」

これも今の日本企業というか、日本の経営陣が抱える最も大きな問題点です。とまぁ、こんなふうに日本企業のガバナンスが抱える問題点を鋭く指摘されていました。他にもまだまだ良いお話出てきますので、日経読み返していただければ。電子版であれば簡単に遡って読めますよ。

セルソース株式会社 社員がインサイダー取引で課徴金納付命令

セルソース株式会社は6/30、「証券取引等監視委員会による当社元社員に対する課徴金納付命令の勧告について」を公表しました。証券取引等監視委員会が同日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行ったことを受けての開示です。

セルソース株式会社

セルソース株式会社は、医療機関向けに再生医療関連事業を展開する企業。主力サービスとして、脂肪・血液由来の組織・細胞の加工受託サービスを提供。再生医療に関わるコンサルティングサービスや医療機器の販売、脂肪由来幹細胞の研究に基づき開発された化粧品の販売も手掛けています。東証グロース上場企業です。

インサイダー取引の概要

約2年前の話。直近の業績予想値(経常利益7億7,100万円)に比較して、同社が新たに算出した予想値は(経常利益10億600万円)と大きく上方修正されることに。

同社員は、この重要事実を知り、上方修正が公表がされた日より前の二日間で、第三者名義の証券口座で自己の計算において、セルソース株式合計300株を買付価額合計207万1,000円で買い付けたということです。約6,900円程度で買い付けた同社株式は、公表直後に8,400円へ上昇。不正な利益を得ています。課徴金額は約45万円。

同社の開示ではこの社員がどういう職位の方か公表されていません。どこの会社でも起こるような事象ですし、約200万円というどこの会社でも起きそうな金額の取引です。これくらいの取引でもしっかり見付かっちゃうわけです。

さらに、この社員、第三者名義の口座を使用しています。多分インサイダー取引に該当するであろうことを知っててやってるんですね。この辺りを会社側はしっかり認識しないといけません。今回の開示ではそうした真因に迫る考察は感じられません。

ヤシマキザイ 連結子会社の会計不正 調査結果

ヤシマキザイは6/30、「当社連結子会社の不適切会計処理に係る社内調査結果及び再発防止策等に関するお知らせ」を公表しました。2月に原価の付け替え取引や在庫計上処理漏れ、売上の先行計上の疑義などが次々と発覚した同社ですが、6月には中国子会社でも。

次から次へと

当初発覚した会計不正に関する調査結果が3月末に公表され、これで一段落かと思いきや、決算集計の終盤6月に入ったところで、今度は中国子会社でこれまた会計不正の疑義が浮上。6/7にこれを開示して社内調査を開始していました。で、1ヶ月弱で調査結果を公表ということに。

調査結果の概要

本体でいい加減なことやってたわけで、中国子会社で同じようなことが起きてるってのはまぁ、当たり前っちゃ当たり前ですな。

 ① 売上高の先行計上
 ② 新規取引に関する会計処理誤り等
 ③ 棚卸資産の計上範囲の誤り
 ④ 仕入債務の計上時期の誤り
 ⑤ 売掛金の貸倒引当金の計上漏れ

などが見つかったということですが、その多くが、「〇〇すべきところ、誤謬により××として計上してしまった」、という表現で片付けられており、それ以上はほとんど深堀されていません。いやいや、そこを調査するんじゃないの?って感じです。

②については、「循環取引や架空取引等の疑いが否定できないため調査したが、全面的な疑義の解消に至りませんでした」、で、終わらせてます。いやぁ、なんともいい加減な調査結果。会計監査人はこれで納得したんでしょうかね。

株式会社フジクラ 取締役の不正行為 さらに拡大

フジクラは6/29、「米国子会社における不適切な不動産取得及び類似事案に係る調査の進捗状況に関するお知らせ」を公表しました。米国子会社のCEOであるフジクラ取締役が、同子会社不動産を私的に流用している疑いを調査している件ですね。

おさらい

米国子会社が2020年に購入した土地と22年に建設した建物が不適切に取得されたものだという事案。取得当時の土地・建物の合計額は約650万米ドル(8億7400万円相当)で、同子会社のCEOであるフジクラ取締役が目的を偽って同子会社に土地・建物を取得させ、一定期間私的に使用していたというもの。

さらに類似事案が

内部通報を契機に始まったこの調査ですが、さらに類似事案が出てきているようです。
 ① 2018年以降に当該取締役が指示をして実行した複数件の非上場有価証券投資
 ② 当該取締役の会社クレジットカードの使用
 ③ 当該取締役による航空機の購入とその使用
 ④ 米国子会社によるゴルフクラブへの入会金の支払い
等、米国子会社の資産の不適切な私的流用に関する複数の類似事案が存在する可能性が確認されているということです。

航空機の購入とその使用、、、ですと?スケール デカ。たしか、ホンダジェットの価格が5億円以上だったと思うので、この取締役の私的流用とやら、、、メチャメチャデカくなりそうです。行われている調査は6月中に終了するとしていますが、有価証券報告書の提出は延期となっています。