野村證券 → 日本郵政 → 金融庁

kinyuutyou

野村證券は不適切な情報伝達問題で、4月のかんぽ生命の売出幹事証券から外され、今秋の日本郵政株式の3次売却においても主幹事から外れました。今度は野村を外した郵政グループのゆうちょ銀行とかんぽ生命が不正販売。ゆうちょ銀行とかんぽ生命の件は金融庁から行政処分を受けることになるでしょうね。

野村 日本郵政の意趣返し

野村がかんぽ生命や日本郵政の売出しにおいて幹事を外れたのは、野村不動産の買収交渉が上手くいかなかったことに対する日本郵政の意趣返しでは、、、と言われたことがありました。野村から話を持ち掛けておきながら、野村が途中で降りてしまった。みたいな。

この両社の間には、当初野村が日本郵政を振り回し、その後野村が不祥事で躓くと、日本郵政がやり返す、みたいな面白い展開があったわけです。

日本郵政と金融庁の関係も

しかし、今度は日本郵政傘下のゆうちょ銀行とかんぽ生命が不正な販売や契約という話になってしまいました。新聞等では金融庁が行政処分を行うかどうかに注目。などと言ってますが、間違いなく処分は出ると思います。実はここでも両者に因縁の関係があるんですね。

そう、ゆうちょ銀行が扱う貯金の預入限度額を1300万円から2600万円に倍増した件です。金融庁は、大幅な預入限度額の引き上げは民業圧迫につながるとして、強く抵抗してきました。しかしながら、参院選をにらんだ政治決着の流れに押し切られてしまいました。金融庁が日本郵政にしてやられた格好です。面目丸つぶれですね。

それから半年、今度は郵政がやらかしてしまったわけです。当然金融庁の出番です。まさに意趣返しといった展開になりそうです。

客観的に見ても

野村と日本郵政、日本郵政と金融庁、という意趣返し合戦の構図を見てきましたが、今回のゆうちょ銀行とかんぽ生命の不正は、過去の経緯を切り離し、客観的に見ても、金融庁が日本郵政に行政処分(業務改善命令)を発出する十分なレベルだと思います。日本証券業協会のガイドライン違反に、保険業法違反。ここで処分を行わないと、今後のその他金融機関に対する検査と処分に大きな影響を与えてしまいます。

最近の行政処分事例としては野村證券がありました。野村の不適切な情報伝達の件、法令や規則には違反していません。それでも金融庁は「業務の運営の状況に関し、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認められるとき」、と判断し、金商法第51条の規定による業務改善命令を出しています。

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