軍事産業や防衛分野 本格的な投資対象へ

8/16付けの日本経済新聞に、「中国警戒で軍需に傾く米テック」という記事がありました。中国が台湾周辺で大規模な軍事演習を行ったことを受け、米国のハイテク大手や新興企業が技術の軍事利用に積極的になってきているという記事です。

ロシア 中国

従来、米国のハイテク企業は、自分たちの持つテクノロジーが軍事利用されることに反対していました。グーグルが2018年に国防総省のクラウド契約の入札に参加しようとした際、従業員数千人が抗議して止めさせた、なんて事件もありましたよね。

そのハイテク企業らがテクノロジーの軍事利用に前向きになってきているというわけです。中国の好戦的な姿勢や、ロシアのウクライナ侵攻などのように、軍事大国から一方的に攻め入られる現実を見せられ、防衛分野は技術者の目に道徳的に映り始めているとのこと。

見る目の変化

ハイテク企業の技術者に限った話でもありません。いくら平和を唱えていても、一方的に侵攻されてしまっては武器を取って反撃せざるを得ません。また、侵攻されないための軍事力の確保も課題となるでしょう。当たり前の話ですが、これまで政治家が考えてきたようなことを、技術者も容認するようになってきたということですね。

こうした変化は投資の世界でも進んでいきそうです。これまでは戦争を材料に株を買うなんてのはちょっとしたタブーだったような気がします。技術者たちの変化同様、投資家も素直に防衛関連や軍事関連の銘柄を買えるようになりそう。そんな変化が出てきそうな気がします。

1株から買える株式市場に

8/10付けの日本経済新聞の社説に、「1株から日本株を買える制度に改めよ」という記事がありました。株式の最低購入金額の引き下げについては、もうかなり前から言われてきたところですが、なかなか思ったように進んでいません。この社説が言ってることはその通りだと思います。

投資にはまとまったお金が必要

日本における投資の常識、「投資にはまとまったお金が必要」というやつですが、いわゆる単元株制度により100株が最低売買単位になっていることが原因です。日経の記事によると、最も株価の高いファーストリテイリングでは最低売買単位を買い付けるのに800万円以上が必要。他にも、キーエンスで555万円、東京エレクトロンで455万円だそうです。

一方で欧米では1株から購入できるということですから、日本でも同じ制度にしてしまえば、ファーストリテイリングでも8万円程度で買付できるわけです。日経が指摘するように早く欧米同様1株から買える制度に変更すべきですね。kuniもそう思います。

NISAで買えない銘柄

日経では面白いことを指摘していて、年上限額が120万円の一般NISA(少額投資非課税制度)では買うことができない銘柄が多数存在していることを指摘しています。これまでも最低投資金額がどれくらいであるべきかについていろいろと議論があったわけですが、「NISAで買えない」という視点はなかなか斬新ですね。

国が税制面で認めているにもかかわらず、その制度で買えない銘柄があるというのは確かに問題です。そろそろここらで1株から買える日本株市場にしませんか。嫌がる上場企業があるなら上場廃止ということで。

北弘電社 証券取引等監視委員会による課徴金納付命令

証券取引等監視委員会は6/21、「株式会社北弘電社における有価証券報告書等の虚偽記載に係る課徴金納付命令勧告について」を発出しました。売上の過大計上及び売上原価の過少計上等の不適正な会計処理を行ったためですね。課徴金額は600万円と少額ですが。

北弘電社

北弘電社は北海道地盤の電気設備工事会社。ビル・建築物の電気設備工事を手掛ける屋内配線工事を主力に、送電線工事などを行う電力関連工事などを手掛けています。三菱電機の持分法適用会社で、札幌証券取引所上場企業です。

従業員数は217人。三菱電機株式会社が発行済み株式の27.5%を有する大株主であり、取締役5名のうち3名、監査役3名のうち2名が、いずれも三菱電機の出身という企業です。

おさらい

会計監査人である新日本監査法人から、工事原価総額の見積変更の適時性についての疑義が指摘され、調査の結果、原価の付け替えなどが発覚。取締役会における監督機能の不全を露呈してしまいました。まぁ、ほとんどの取締役が不正のデパート三菱電機の出身者ですからねぇ。

不思議と読まれる記事

監視委員会が課徴金を、、、というくらいですから、もうかなり時間が経過した事件ではあります。が、当ブログでは当時取り上げた記事がかなりたくさん読まれているんですね。株価は年初来安値を更新中ですし、地元の株主には心配の種なんでしょうが、なんでこんなに読んでいただけてるのか。

このブログのアクセス状況を見るにつけ、北弘電社で新たに不正等が表面化するのか。内部の方が気になさってるのか、、、などと気になってしまう今日この頃です。中の人、何か起きてることをご存じでしたら教えてください。

アイ・アールジャパン 調査委員会における調査の対象

アイ・アールジャパンは6/14、「(開示事項の経過)調査委員会における調査の対象、範囲及び調査結果の開示時期に関するお知らせ」を公表しました。証券取引等監視委員会による同社元役員を対象とする調査が行われたことを受けて設置した調査委員会でしたね。

調査委員会における調査の対象

今回の開示では、「調査の対象及び範囲」について、以前よりは詳細に定義しています。全5項目あるうちで気になるのは、3番目に出てくる、「当社役職員の情報管理上の不適切行為その他の問題の有無」というところ。

元役員以外でも同社の他の役員や従業員が妙なことをしていないかを調査するというわけです。通常こういう横展開に関しては、「類似行為の有無」みたいな表現をすることが多いんですが、ここでは、既に役職員の不適切行為が別に見つかっているかのような表現になっています。考えすぎですかね。

株価の方も

先日も書いたように、今回のインサイダー事件を受けて同社株はめちゃくちゃ売られました。4,270円だった株価はとうとう2,000円を割り込んでしまっています。この売られ方を見ても、「当社役職員の情報管理上の不適切行為その他の問題の有無」の部分を心配しているように見えます。

つまり、同社が扱う他の上場会社のIR情報等が、役職員により何らかの方法・経路で漏えいしていた、みたいな事案が出てくること嫌っているように。それほど情報管理ができていなくて、ガバナンスも効いていない企業だとすれば、同社株の急落をめぐって役職員が事前に売り抜ける、なんてこともあるかも。

と、業態が業態だけに、アイ・アールジャパンのインサイダーについてはいろいろと考えてしまうわけですが、、、今日は少々妄想が過ぎましたでしょうか。

アイ・アールジャパンホールディングス 株価も大荒れ 株主総会も

アイ・アールジャパンは6/10、「第8期定時株主総会会場及び開会時刻の変更に関する重要なお知らせ」を公表しました。同社の役員が未公表の情報に基づいて、同社株式の不正取引に関与した疑いがあるとの報道を受けた措置ということです。

荒れてきましたね

この事件を受けて、6/3に4,270円だった同社株は、6/9に2,255円まで下落。ほぼ半値ですね。一般的なインサイダー事件とは違って、上場企業のIR等を専門とする企業だけに、市場の反応は強烈なものとなりました。株主的には怒り心頭というところだと思います。

株主総会

こうした状況を受け、6/17に開催する株主総会もかなりあれるだろうということで、時間と場所を変更することに。開催時間は午前10:00から1時間遅らせて午前11:00へ。開催場所は同社本社の会議室(セミナールーム)から、ホテルニューオータニ 「芙蓉の間」へ、それぞれ変更になっています。

このホテルニューオータニ 「芙蓉の間」って、テーブルの起き方にもよりますが、おそらく1,400名を収容できる会場のようです。本店セミナールームの10倍近い広さなんでしょうね。大勢の株主が訪れ、荒れるんだろうという経営の読みは当たっていそうです。

開示では、「なお、本総会当日は、議長を含む取締役全員が本総会会場にて出席いたします。」という一言も添えられていて、株主に真摯に対応するという姿勢を見せてはいます。まぁ、当然でしょうね。しかし、そんなことで株主が許してくれるわけではありませんが。

株価へのインパクトも半端なかったので(これで下げ止まったかどうかは知りませんが)、株主による集団訴訟までを見越した対応が必要になりますね。