名ばかりCIO、場当たりDX

7/13付け日本経済新聞の記事に、「名ばかりCIO、場当たりDX 『情シス』消え人材不足、丸投げ変えられず」というのがありました。この記事お勧めです。思わず笑ってしまうような、「ハハ、これうちの会社や」みたいな話がたくさん出てきます(kuniはもう退職してますが)。

情報システム部門の放出

「過去のリストラで実動部隊の情報システム部門を手放し、司令塔であるはずの最高情報責任者(CIO)も名ばかりという実態がある」と書かれています。この文章の前半部分。

「日本企業におけるIT(情報技術)人材の不足は、平成バブル崩壊後の1990年代に情報システム部門が本体から切り離された影響が大きい。当時「ノウハウ集約」や「専門性の向上」といった大義名分で設立された情報子会社の多くは、コスト削減目的のアウトソーシング(外部委託)が実態だった。」とも。

そうなんですよね、コスト削減目的で子会社として切り離す。まぁ、それ以前の話として、システムがコストだと思っている経営者が多すぎるのも大問題なんですけどね。

親会社からの厳しい要求

おまけに、システムの開発においては、「開発期限は何が何でも厳守」とか、「開発費の増額は一切許さない」といったプレッシャーが掛けられ続けます。日経が同じく指摘していた「丸投げ」の実態です。丸投げゆえにユーザー側にシステムに精通した人員も育ちません。

で、いざ障害発生となると、手も足も出ない状態(どこかの銀行みたいに)になってしまうんですね。どこかの銀行の場合など、障害の責任取ってCIOが更迭されましたね。これって今まで(それなりに)一番精通していた人がド素人に交代するってことです。

日本企業のDX、狂ってしまった歯車はどう戻せばよいのでしょうか。

岡藤日産証券HD 不正アクセスの被害公表 トレードワークスも

岡藤日産証券ホールディングスは6/10、「不正アクセスによるオンライントレードシステムの障害発生に関するお知らせ(4)」を公表しました。やはり、システムをASPで提供しているのはトレードワークスだったようで、同社も同日、「当社提供システムにおける不正アクセス事象の調査結果のご報告」を公表しています。

被害の状況

第三者の外部専門機関による調査を行った結果、これまで実施した調査においては、情報へのアクセスや収集、内外部への転送等、流出を示唆する痕跡は確認できなかったということです。以下、判明している事実です。

不正アクセスの状況全般、データ通信記録、個人情報の保管状況、及びデータ流出経路の可能性の考察の結果、不正アクセスにより暗号化されたファイルに個人情報は含まれていなかった。

持ち出し可能であったデータは存在するものの、これらが持ち出されたという痕跡は確認されなかった。データベースに保管された個人情報が持ち出された可能性は極めて低いものであると考えられる。

システムの状況

ファイルを暗号化されるという被害はあったものの、個人情報は無傷で、持ち出された可能性もほぼなし。どうやらそういうことのようです。まぁ、不幸中の幸いでしたね。

ただし、その後のシステムの状況についてですが、「システム復旧、サービス再開時期につきましては、決定次第、改めてお知らせいたします。」となっています。トレードシステムはまだ復旧してないんですね。

婚活アプリのネットマーケティング またもや情報流出

5/21、「不正アクセスによる会員様情報流出に関するお詫びとお知らせ」を公表したネットマーケティング。今度は同社のコーポレートサイトで、お問い合わせフォームに顧客が記載した内容が、後から利用した他の顧客に閲覧可能な状態となっていました。

おさらい

先日、当ブログで取り上げたのは、同社が提供する恋活・婚活マッチングアプリ「Omiai」を管理するサーバーが不正アクセスを受け、171万件に及ぶ顧客の年齢確認書類の画像データが流出したという事故でした。

コーポレートサイト

そして今回は同社コーポレートサイトのお問い合わせフォームが問題に。つまり不正アクセスとは何の関係もないわけです。5月19日(水)11時~ 5月22日(土)15時までの間に同フォームを利用した顧客、37名が被害に遭っています。

流出した個人情報(あとから来た人に見られた情報)は、①会社名、②部署名、③会社URL、④お名前、⑤フリガナ、⑥電話番号、⑦メールアドレス、⑧お問合せ内容の一部、の計8項目だそうです。

原因は、サーバー増強を目的とするサーバープラットフォームの移行に伴うシステム設定の不備によって、お問い合わせフォームに投稿したキャッシュが残ってしまう状況となってしまったため、と説明されています。5/23時点で復旧しているようです。

不正アクセスによる会員情報流出に関しては、しっかり開示をしていましたが、続いて発生したお問い合わせフォームでの情報流出は開示せず。同社のホームページでの公表のみでした。171万件と37件ですからね。そこまでしなくてもいいだろうという判断、分からないでもないですが、、、。

悪いニュースほど、しっかり開示して、そのことをもって経営として襟を正す姿勢。kuniは大事だと思いますよ。

富士通も 不正アクセスで情報流出

毎日のように不正アクセスのニュースが流れています。今度は富士通。同社の情報共有ツールに第三者からの不正アクセスがあり、同社の複数の顧客情報が外部に流出しました。同社は顧客企業名を公表していませんが、一部の顧客からの公表が始まっています。

成田国際空港会社(NAA)

この情報共有ツール「ProjectWEB」というのは、プロジェクトの開発や運用に関する情報を社内外の関係者で共有するツールで、クラウド型サービスとして提供しているものです。現在、主に国内で数千のプロジェクトで利用されているといいます。

成田国際空港会社(NAA)は5/20、同ツールから運航情報管理システムに関する情報が外部に流出したと発表しました。不正アクセスは5/17に発生し、システムの仕様や運用に関する資料がダウンロードされたことが判明しているそうです。

政府情報も

内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)は5/26、第三者による不正アクセスでシステムの機器に関する情報が流出したと発表しました。情報システムの関連業務を委託する富士通から報告があったようです。原因や情報流出の範囲は調査中とのこと。そしてさらに、外務省、国土交通省の情報も漏れていました。

しかしまぁ、NISCが情報流出の被害に遭うとはね。どんな企業や組織であってもサイバー攻撃の被害に遭う可能性があるということですね。肝に銘じましょう。

当初の報道では富士通の顧客企業10社程度といわれていましたが、ひょっとするともっと拡大するのかもしれません。被害を受けた企業の中には一切そのことを公表しない企業もあったりするんでしょうね。不正アクセスの被害については上場企業は必ず公表するべきだと思いますが。

婚活アプリのネットマーケティング 不正アクセスで情報流出

株式会社ネットマーケティングは5/21、「不正アクセスによる会員様情報流出に関するお詫びとお知らせ」を公表しました。昨日に続いてサイバー攻撃の記事です。同社サーバーへの不正アクセスで会員情報の一部が流出した可能性が高い事が判明したとのこと。

ネットマーケティング

ネットマーケティングはアフィリエイトなどの広告事業とメディア事業(恋活・婚活マッチングサービス)を手掛ける、2004年設立のこちらも若い企業です。2017年に東証JASDAQ市場へ上場してますね。2019年からは東証一部に昇格しています。

不正アクセスの対象となったのは、同社が提供する恋活・婚活マッチングアプリ「Omiai」を管理するサーバーです。同社のホームページではこのアプリを次のように説明しています。「自分にぴったり、しっくりくる相手をみつける恋活・婚活アプリ「Omiai」。恋のその先に未来を描いた時、大切な相手を見つけたいと思った時に安心して利用できるサービスです。」

会員情報の流出

同社は2021年4月28日15時頃、サーバーが攻撃され、顧客の年齢確認書類の画像データに対する不正アクセスを認識、その後、外部専門会社の協力をえて調査を実施していました。

流出した可能性のある会員情報は、2018年1月31日~2021年4月20日の期間に、同社へ年齢確認審査書類を提出した、、、なんと、171万1756件分(アカウント数)の年齢確認書類の画像データだそうです。過半数が免許証の画像データのようです。クレジットカード情報は含まれていません。こんなに大勢のユーザーがいるのに驚き。

4/28に攻撃を受けたことを認識していながら、公表は5/21。でもって、「対象のお客様におかれましては、万が一身に覚えのない連絡や、心当たりのないコンタクトがあった場合、念のためご注意をお願いいたします。」。は、ないでしょ。初動が上手くいかなかった事例ですね。株価もストップ安です。