株式会社SHIFT 従業員の不適切な行為を公表

株式会社SHIFTは3/12、「弊社従業員の不適切な行為についてのお詫びとお知らせ」を同社ホームページで公表しました。同社従業員が、個人で開設したSNSアカウントにおいて、他者に対する不適切な投稿を行ったことが判明したということです。

株式会社SHIFT

株式会社SHIFTは、ソフトウエアが正しく動作するかを確認するソフトウエアテストを顧客企業から受託する企業。ソフトウエアテストを含むソフトウエアの品質保証サービスだけでなく、ソフトウエアの開発サービス、これらに関連した各種サービスも提供する東証プライム上場企業です。

不適切な行為

2025年3日11日、同社従業員が対象者のX(旧Twitter)のアカウントへ不適切な投稿を行っていたという事実が判明したといいます。当該従業員は、投稿に対する関係者の心情を顧みない軽率な書き込みをSNSに投稿したとのこと。同従業員に対する懲戒処分についても速やかに検討・対応するとしています。

公表されたのは以上。どのような相手にどのような書き込みを行ったのか。またそのことがどういった経緯で会社が知ることになったのか、については触れられていません。が、しかし、判明後翌日にすぐに事実を公報しているのはいい対応でした。

被害者からの通報で会社が知るに至ったんでしょうけど、その後の対応は良かったですね。ひょっとして被害者が、「会社としてしっかり対応したことの公表」までを求めたんでしょうか。そういう時代かもね。

公正取引委員会 かどや製油に約2000万円の課徴金納付命令

加工食品用ごま油などの販売価格でカルテルを結んだとして、公正取引委員会はごま油製造大手のかどや製油に独占禁止法違反(不当な取引制限)として約2000万円の課徴金納付命令を出す方針を固めたということです。

かどや製油

かどや製油はごま油のトップメーカー。ほかにも、子会社が食品ごまを手掛けています。主力のごま油は、家庭用、業務用途のほかアメリカなど海外にも輸出しています。東証スタンダード上場企業で、設立は1957年となっていますが、創業は江戸時代で今年で163年を迎えるんだそう。

カルテル

昨年から立ち入り検査を受けていたのは、業界トップのかどや製油、竹本油脂、日清オイリオグループと九鬼産業でしたが、日清オイリオと九鬼産業はカルテルには関与なしとの判定。竹本油脂は関与していたけど、調査開始前に自主申告したようで、課徴金減免(リーニエンシー)制度が適用されています。

よって、竹本油脂は再発防止を求める排除措置命令のみ受け、残ったかどや製油は同命令を受け、さらに約2000万円の課徴金納付命令も受けることになったようです。

※ 「カルテル」とは、競争を回避するために本来事業者が自主的に決めるべき、商品やサービス等に関する価格、販売数量、取引先を、複数の事業者が共同で決める行為。不当な取引制限として独占禁止法で禁止されています。コメを筆頭に物価高が続いていますが、こうした行為によって物価が吊り上げられているという一面もありそうですね。公取委頑張れ!

長谷工コーポレーションなど 公正取引委員会が独占禁止法違反の疑いで立ち入り検査

報道によると、関東地方のマンションの大規模修繕工事で受注調整していた疑いが強まったとして、公正取引委員会は3/4、長谷工コーポレーション傘下の長谷工リフォームなど、工事会社約20社に独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで立ち入り検査したとのこと。

事案の概要

立ち入り検査したのは、長谷工リフォーム、YKK APラクシー、シンヨー、中村塗装店、建設塗装工業、リノ・ハピア、日装・ツツミワークス、大和、富士防、、、といった面々。上場企業系は長谷工のみでした。

各社は関東地方のマンション管理組合が管理会社などを通して発注した大規模修繕工事の見積もり合わせや入札で、事前に受注者を決定するなどしていた疑いがあるとのこと。数十年前から受注調整が行われていた可能性があるといいます。その後の開示によると、長谷工のほか日本特殊塗料の子会社ニットクメンテが調査を受けているようです。

これまでも、委託先の管理会社が自社の関連企業などに工事を発注したり、バックマージンを支払う業者に受注させたりして工事費が割高になる懸念などが指摘されてきたけど、そもそもこんなド直球の悪さしていたとはね。

コンサル会社も? さらに、上記の工事会社のみならず、工事会社の選定にかかわった一部の建設コンサルタント会社についても、公取委は受注調整を補助する役割を担っていた可能性を視野に調査を進めているんだそう。コンサルについては今のところ社名等は聞こえてきていません。なお、今回の報道はあくまで関東地方だけのお話。全国に拡大するといったいどうなることやら。

トヨタ自動車系の中央発條 また藤岡工場で爆発・火災死亡事故

3/6午前8時過ぎ、愛知県豊田市のトヨタ自動車系の中央発條の藤岡工場で爆発事故があり、男性1人が死亡、2人がケガをしました。建物の中の集塵機が爆発したとみられ、工場の屋根が吹き飛んだと。40歳の男性が死亡し、このほか男性2人(52歳と44歳)が軽いケガをしたということです。火災については約3時間後に鎮圧状態になったとのこと。

またしても中央発條

中央発條は自動車用のばねとコントロールケーブル、建築用資材機器等の専門メーカーで、トヨタ自動車の持分法適用関連会社です。同社では同じ工場で2023年10月にも大規模な爆発・火災事故が発生しています。この事故により部品の供給が停止し、トヨタのグループ8つの工場の生産ラインがおよそ1週間にわたり停止するという影響が出ていました(詳細は過去記事をご覧いただければ)。

この時も、同社のガバナンスやトヨタの子会社管理に疑問を呈する報道などが相次ぎ、再発防止策についても疑問とする専門家が多かったようです。そして今回またしてもというわけです。さらに同社では、先月2/16に金型等保管費用の未払いとして、公正取引委員会から勧告を受けるという事案も発生しています。

従業員の皆さんは?

親会社トヨタや同社のガバナンスはまったく機能していないという感じですね。従業員の皆さんはどういう環境で業務にあたっているんでしょう。コストを抑えて、生産性を上げて、、、その代償として従業員が危険に晒され続ける。こういうことでいいんですかね。

高圧ガス工業株式会社 株式売出しを中止

高圧ガス工業は3/4、「株式売出しの中止に関するお知らせ」を公表しました。2/21に既存株主(デンカや金融機関など)の持ち株を売り出すとしていたんですが、これを中止するとのこと。連結子会社において、財務情報に関連して確認すべき事項が発生したためとしています。

高圧ガス工業

高圧ガス工業は、鉄鋼製品の溶接・溶断に用いられる溶解アセチレンを主力とする産業用ガスメーカー。溶解アセチレンのシェアは国内トップクラスで、このほか、接着剤や塗料などの化成品を手掛ける東証プライム上場企業です。

中止の理由は

売り出し人はデンカや三菱UFJ銀行、三洋化成など、政策保有株の売却ということでしょうかね。この公表を受けて、短期的な株式需給の悪化リスクを警戒した売りが膨らみ株価は850円処から100円ほど下げていました。今回の中止の知らせで株価は急騰し、ほぼ元の水準まで戻っています。

売り出し中止の理由は、「連結子会社の財務情報に関連して確認すべき事項が発生したため」とだけ説明されており、「当該確認に時間を要するも のと判断した」ということです。先日、JEH(Japan Eyewear Holdings)が売り出しを中止したのは、役員のインサイダー取引が原因でしたね。

プライム市場へ上場市場区分を変更するに際して「未公開情報を知りながら買い」、でしたが、今回は「連結子会社の財務情報に関連して確認すべき事項」としていますので、インサイダーではなさそうです。会計不正でも出てくるんでしょうか。