三菱電機 サイバー攻撃 防衛機微情報流出 パワー半導体

三菱電機の不祥事、まだまだ止まりません。一旦はなかったと宣言したはずの防衛省絡みの機微情報。一転してありましたとのこと。さすがに今回はマズイと感じたのか、8カ月間隠してきたパワー半導体の検査不正についても公表することとなりました。

機微情報

流出可能性のある情報として、防衛省の「注意情報」があることを 2 月 7 日に発見したとのこと。半年も前から対応してきて、つい最近見付けたとは。防衛省といろいろもめたんですかね、とにかく急展開です。

「流出した可能性のある当該情報の影響については、現在、防衛省がご確認されているところです。防衛省における全容解明に向け、ご指示に従ってまいります」。とニュースリリースの中で書いてますが、なんとも情けない一文です。ここまでのあらゆることをすべて防衛省に転嫁するかのようにも聞こえます。

防衛省も防衛省です。「漏洩したすべての情報は、取るに足らない情報でしかありません」、って言い切らないと。国を守るのが目的でしょうに。諸外国に対するハッタリも必要でしょう、一体何を考えてるんだか。

パワー半導体

こちらは8カ月間隠してきた検査不正。このタイミングで出てくるとねぇ。新人の自殺、パワハラ、サイバー攻撃に、機微情報の漏洩。これだけ重なってきて初めての公表です。ニュースリリースには、「本件の判明から公表までに約 8カ月もの時間を要し、深くお詫び申し上げます。」とあります。

起きてしまった不祥事に真摯に向き合うなら、まずは公表が優先されるはず。それをできない、腹をくくれない経営陣はいかがなものでしょう。ニュースリリースの処分の欄には、「本事案の関係者については、事実関係を踏まえ、当社規則に基づき、今後、厳正に処分いたします。」とあります。

本事案とは「公表せず隠ぺいを図った」という事実であると考えるべきで、、、であれば関係者とは経営陣でしかありません。

日鉄ソリューションズ 調査報告書(その2)

昨日書きました調査報告書の中から、気になるところをいくつか追記します。13日にはネットワンシステムズの決算発表が控えています。おそらくそこで架空循環取引の詳細が明らかになるんでしょうが、、、ちょっと先走ってみましょう。

最初の架空循環取引

日鉄ソリューションズの調査報告書では、最初に行われた架空循環取引は2014年6月に受注しています。売上への計上は同年12月です。今メディアで書かれているように、ネットワンシステムズが主導していたということであれば、この取引相手はネットワンシステムズでしょう。

以前当ブログでも書きましたが、ネットワンシステムズは同社社員の不正行為により8億円の被害を被る事件が起きています。循環取引ではありませんが、架空取引に対する架空外注費を払わせ、これを騙し取るという手口でした。この事件が発覚したのが2013年3月です。

3月8日に第三者委員会の報告書を受理して、適時開示も行っています。ということは2013年4月以降は、こうした不正行為をいかに未然防止していくのかといった、いわゆる再発防止策の実行時期になっていたはず。しかし、そこからわずか1年3か月後には新たな不正が始まっていたことになります。まったく酷いことになってますね。

ちょっと腑に落ちないこと

ネットワンシステムズの1回目の不正行為の際、「強い支配力を持つ行為者の行動については、治外法権として聖域化していた」と調査報告書に書かれていました。聖域化することで他のものを近づけないわけです。不正を働く者の常套手段と言っていいでしょう。

話を戻して今回の日鉄ソリューションズ。調査報告書の発生原因の中に、「秘匿性の高い取引先向けの案件であると説明されていたため」というのがあります。このように聖域化する必要があったのは、行為者が架空循環取引を認識して関与していたからでは?と思うんですが。

日鉄ソリューションズ 特別調査委員会の調査報告書

昨年12月13日に設置が伝えられた日鉄ソリューションズの特別調査委員会。同社は2月6日に調査報告書を受領したとのこと。同日付で調査報告書を基に同社がまとめた概要が公表されています。

架空循環取引

同社が公表した内容をそのまま。「当社が特定取引先との間で行った複数の取引について実在性が認められず、かつ、それらの各取引はエンドユーザーが存在しない状態で当社を含む複数の会社が介在する形で複数回にわたって循環を繰り返す一連の商流の一部を構成しており、いわゆる架空循環取引と認められた」

さらに、「本件架空循環取引はA社の営業担当であった某氏が主導したもので、当社は、会社としてあるいは社公事業部として組織的かつ意図的に関与したものではないことに加え、当社の営業担当者にも実在性のない架空取引あるいは循環取引との認識はなく、某氏が主導した本件架空循環取引に巻き込まれたものと認められる」

まぁ、ある程度予想通りの調査結果ですね。で、ここに出てくるA社というのが、もっぱらネットワンシステムズだと言われていますが。こちらも今週辺りには調査結果が出そうなので、それを待ちましょう。

データ等

架空循環取引等は2014年度に始まり、2019年度まで、計29件が認められています。売上金額は計428億円、利益は約28億円計上されています。このうち3件はその他の不適切な取引と分類されてますので、架空循環取引は26件ですね。ちなみに、今年度は4件で、134億円の売上金額となっています。

上記の29件ですが、取引先は6社になると報告されています。ここまでの報道では、ネットワン、日鉄ソリューションズ、東芝ITサービス、富士電機ITソリューション、みずほ東芝リースの5社でした。日鉄ソリューションズを除けば4社、、、ということはあと2社残ってる可能性もあるということですね。まだまだ続きますか。

架空循環取引が判明 共和コーポレーション

昨日の適時開示に、「当社における不適切な取引の判明に関するお知らせ」というのがありました。企業名は、共和コーポレーション(6570:東証2部)です。初めて聞く会社、バッティングセンター、ボウリング場、アミューズメント施設を長野県中心に運営する会社のようです。

架空循環取引

またまた不正な会計ですか。架空循環取引だそうで。普通は架空取引と循環取引、別々に使用される言葉だと思ってましたが、同社は架空循環取引という使い方をしていますので、これに倣います。

昨年12月中旬に、同社の取引先アーネスト(大阪)が破産し、そのアーネストとの取引の一部において架空循環取引の疑義が生じたようです。これを受けて既に第三者委員会を設置して調査を継続中とのこと。取引先の倒産、、、循環取引が発覚するパターンの一つですね。

で、昨日の開示は、第三者委員会の調査により、アーネストとの取引の一部に架空循環取引が存在するなどの事実が判明したため、この事実を開示したもの。第三者委員会の調査報告書は2月13日に受領予定としています。

アーネストは同社の中古ゲーム機の販売先であり、破産申立て時の債権は、売掛金1億4200万円です。ゲーム機はアーネストに販売したけど、買付け代金が回収できなくなったということですね。ところがこの取引には販売したはずの中古ゲーム機(ブツ)は存在しなかったということになります。

この1億4200万円、全額が架空循環取引ではないかもしれませんが、一方で、同社とアーネストの取引は過去4年間で約16億円といいますから、架空循環取引の総額はもっと大きくなる可能性もありそうです。

定番のコメント

同社の現時点でのコメントです。「第三者委員会では現時点において、当社がアーネストを架空循環取引に利用したという事実は認められておらず、当社社員が架空循環取引に関与した事実も認められておりません。」、、、ん~、最近よく見るコメントだなぁ。

日東電工 コメ兵 海外現地法人で不正行為

1月27日日東電工、28日コメ兵と、立て続けに、グループの海外子会社で不正行為が発生していたことを公表しています。併せて社内調査委員会を設置して調査を進め、原因の分析および再発防止に向けた態勢強化に努めるとしています。

日東電工

上海日東光学有限公司(中国、上海)という連結子会社が不正の舞台です。購買担当社員が、親族や知人の会社を通じて、副資材を不当に高く仕入れ、同社グループの利益を外部に移転させていたといいます。

この不正行為を行った社員2名は既に今月中旬、業務上横領の疑いで逮捕されているようです。過去5期間にわたる損害額については、連結決算に与える影響は軽微であるとしていますが、損害額とその回収可能性については触れていません。委員会の調査結果を受けての公表となるもようです。

コメ兵

こちらはやや知名度低いですかね。東証2部に上場するブランド品リユース(リサイクルショップ)最大手だそうです。愛知県名古屋市に本社を構え、全国で40店舗ほど展開しています。メルカリを追撃する企業として注目されている企業。「こめひょう」と読むんですね。

昨年12月に、グループ会社になったばかりの会社の香港子会社が舞台です。経理担当者がその立場を利用し、同社の資金を着服していたというもの。コメ兵の内部監査担当者等による臨店の際のヒアリングにより発覚したそうです。着服した金額は約1億円の見込み。こちらも社内調査委員会を設置し、調査を開始しているようです。

両社の海外子会社等の不正・不祥事。いずれも社内で不正の兆候に気付き、調査を進めることで発見に至っています。国税や外部の取引先から・・・といったケースに比べれば、ガバナンスが効いていた。その点については評価できる2社といえるでしょう。

しかし、海外子会社での不正、多いですねぇ。ガバナンス難しいです。