ひらまつ 創業者との和解による訴訟の解決

創業者との係争に対応してきたひらまつは3/2、ひらまつ総研から受けていた損害賠償等請求訴訟について、3/1に和解が成立し、円満に当事者間の全ての紛争が解決したと公表しました。昨年9月に訴訟が提起されていますので、ちょうど半年で決着したことになります。

訴訟のおさらい

この損害賠償等請求訴訟は総額12億4,524万円の請求でした。概要と請求金額は以下の通り。
① 業務委託契約に基づく業務委託報酬として、3億3,707万円
② 事業譲渡契約の解除に基づく原状回復として、2億4,416万円
③ ひらまつ株式の譲渡代金として、6億6,400万円

和解の内容(かなりザックリ)

① ひらまつ総研はひらまつに対して、京都高台寺の2店舗に関する事業を返還
② ひらまつはひらまつ総研に対し、1億7,000万円を支払う
③ ひらまつ総研はその余の請求を放棄する

これ以外に、こんなのも。「互いに相手方の名誉もしくは信用を棄損し、又は相手方の業務の妨害となるような一切の言動及び行為をせず、自己の役員及び従業員にも行わせないことを確約する。」 どんだけ揉めてきたかって感じですね。

東京地方裁判所からの和解勧告を受けての今回の解決ということだそうです。ひらまつの新経営陣が設置した、外部調査委員会による調査結果も、裁判所の判断に影響を与えたんでしょうね。

まぁ、さらなる泥沼にはまることなく、和解できてよかったです。和解のニュースを受け、翌日のひらまつ株式は23円高。しょぼく見えますが前日比12.6%高ですからね。市場はしっかり評価したようです。3/5には四半期報告書の提出完了も公表されました。が、しかし、何というか、これでホントに全て収まるのか。は、分かりません。

大豊建設 従業員の不正行為(その3)

従業員の不正行為を調査していた大豊建設は3/1、外部調査委員会の調査報告書を受領し、これを公表しました。結論から言うと、不正の⾦額の合計は291百万円で、同社の 2021年3⽉期第3四半期決算における損益に与える影響としては66百万円の利益増だそうです。

調査対象と結果

委員会が調査対象としたのは、東北支店、東京土木支店、東京建築支店、名古屋支店、大阪支店、九州支店の6拠点。どうやら、この拠点には総務部が設置されており、本社に依存することなく独立して経理処理を行うことが可能だからということのようです。

で、東京土木支店を除く5拠点で原価の付け替えという不正行為が確認されています。さらに、大阪支店では材料納入業者に対して、契約金の水増し又は架空発注を行い、当該水増発注分の金額を私物の購入代金に充当するという行為が行われていました。

材料納入業者に対して私物(家電製品)の購入を指示し、プール金で作業所長と係長の私物を購入させ、自宅に配送させていたといいます。その金額はなんと662千円。大型テレビでも買わせたんですかね。こんな金額で何でこんな決定的な不正を?

結果に違和感

行為者が前任者又は他の支店から当該不正行為の方法を聞いたなどの事情は確認されなかったとのこと。不正行為は各支店で行われているが、いずれも各支店の建築部で独立に行われたものである。と、報告書は書いてるんですが、、、。

こんな同じ手口の不正が並行して5支店で行われているのってあまりに不自然。この手口、どこの会社でもやってる(業界スタンダード)ってことでしょうか。

前回不正事件の再発防止策も全く機能しておらず、前回同様の会計不正が確認されたわけです。にもかかわらず、総務部を置いてない支店は調査対象から外し、不正が確認された支店の部長クラスから下だけを切ってお終い。って感じに見えてしまいます。

【過去記事の訂正】
建築部長を本社部門の部長と推測しましたが、建築部長は全支店に1名配置されていました。

サクサホールディングス 役員等責任調査委員会の調査報告書を公表

サクサホールディングスは2/26、役員等責任調査委員会の調査報告書を受領し、これを公表しました。同社における一連の不正や会計処理の問題について、取締役等に善管注意義務違反等に該当する行為があったかどうかを調査してきました。調査に4カ月かかりましたね。

調査結果をザックリと

調査の対象者は取締役、監査役、会計監査人です。このうち、会計監査人(EY監査法人)に関しては、善管注意義務違反は認められないとしています。また、5名の監査役については、うち2名(社内監査役)につき善管注意義務違反があったと結論付けています。

問題は取締役です。上位の人だけ見てみると、サクサホールディングスの当時の社長については合計3つの事案につき、善管注意義務違反が認められるとしています。同じく副社長については、合計5つの事案について、善管注意義務違反が認められると。

ということで、結果6名の取締役について、複数の事案における善管注意義務違反を認定していて、うち2名については故意による任務懈怠責任も認められるとしています。ちなみにここで事案といっているのは不正の事案のことで、全部で13事案という整理になっています。

同社の損害

上記のような取締役等の責任により発生したと考えられる損害については、会計監査人の追加監査報酬、サクサホールディングスにおける弁護士相談費用、特別調査委員会と役員等責任調査委員会の調査費用としています。

同社としては、今回公表された調査報告書に基づき、6名の取締役、2名の監査役に対して、上記費用にかかる損害賠償請求その他の法的措置を行うかどうかを決定することになります。

Casa(7196) 特別調査委員会 調査報告書を公表

週刊文春に、社長のパワハラや反社会的勢力との繋がりを追及された東証一部上場のCasa。特別調査委員会を設置し調査を実施していましたが、2/26、最終調査報告書を受領し公表しました。報告書の調査結果を受けて、文春はどう動くのでしょうか。

報告書の概要

調査の結果、同社代表取締役と反社会的勢力との間には一切の関係が認められなかったとしています。また、同じく代表取締役による役職員に対するパワーハラスメントも、認められなかったということです。

そもそも報道された情報は、同社元取締役のA氏が文春に提供したもののようです。取締役としての職責を果たすことができず、子会社の代表取締役に。また子会社においても同様に職責が果たせなかったみたい(報告書は任務懈怠と言い切ってます)。

監査役会からもそのことを指摘されており、社内でも相当評判悪かったようですね。その責任を追及されたA氏が、子会社代表取締役及び同社執行役員を辞任することを申し出た社長室で、逆切れして代表取締役に暴力をふるったという経緯なんだそうです。

代表取締役

暴力を受けた代表取締役、売り言葉に買い言葉って場面での発言が文春に取り上げられたようで、報告書では次のように表現されています。「某週刊誌の記事は、A氏の言い分に沿って編集され、恣意的に当社代表取締役の発言の一部だけを取り上げたものであり、事実関係を正確に報道したものとは認められない。」

なお、この報道でCasa株式は大きく下げましたが、A氏は報道の一か月ほど前に同社株1万株を売り抜けていたという話まで出てきます。

いやぁ、、、文春が描いていた代表取締役像と報告書が描く像がこれほどまで違うとはねぇ。驚きの結果です。物事、一方向からだけ見て、判断するのは危険ですね、ホント。反省、反省。

オリンパスの劣化が止まらない 希望退職者募集

オリンパスは2/26、「社外転進支援制度の実施結果に関するお知らせ」を公表しました。あまり聞かないタイトルですが、要は希望退職者の募集結果ですね。同社および同社国内グループ会社を対象に、950名を予定していたところに、844名の応募があったようです。

粉飾決算

オリンパス事件。社名が事件名になるほど超デカい不祥事でした。バブル当時は多くの企業が「財テク」に走り、バブルが弾けたとたんに巨額の損失を抱えました。オリンパスはその投資による損失を簿外に移し替える「飛ばし」という不正を行います。いわゆる損失隠しですね。

さらに、この損失の隠蔽は続けられ、その補填のために巨額の企業買収を繰り返すといった不正が続きました。2011年にイギリス人経営者マイケル・ウッドフォードがこの不正を正そうとして解任され、これを契機に不正の全貌が明らかになりました。とてつもなく凄い事件でした。

1990年代から始まり、2011年に発覚です。20年間隠し続け、そのあと処理(もちろん不正です)に専念してきた旧経営陣。当然企業としての競争力は低下せざるをえません。

映像事業の譲渡

その後もオリンパスの劣化は続きます。スマホに取って代わられたデジタルカメラなど映像事業も不振を極め、今年1月とうとう映像事業を手放しました。ニコン、キャノンも同様に苦しんでいますから、これはオリンパスだけというわけではありませんけどね。

社外転職支援制度の実施

映像事業を売却し、内視鏡を中心とした医療事業に経営資源を集中する計画を打ち出していて、今回の希望退職の募集はこうした事業再編の一環と説明されています。粉飾決算に始まり、事業の再編・再スタート、ここまで結局30年を要したわけです。こんなことでは事業環境の変化についていけませんよね。