株式会社カンセキ 役員による不正行為 調査結果を公表

少し前になりますが、カンセキは11/9、「第三者委員会の調査報告書受領等に関するお知らせ」を公表しました。役員による資産の流用が発覚し、第三者委員会を設置して調査をしてきました。調査期間はわずか1ヶ月です。

不正行為の概要

結論からいうと、行為を行った役員は代表取締役でした。行為を開始した2007年当時は社長、後に会長となっています。行為の手口そのものは非常にシンプルで、代表取締役が私的に行っていた株式投資(信用取引)に会社の金を使っていたというもの。追証ですな。

かなり長期間、頻繁に流用が行われていますが、結果的に穴が開いたままの金額は720万円です。期末の帳簿残高が一致しませんので、現金をカンセキと子会社の間で簿外で移動させ、代表取締役への仮払いの未精算を穴埋めしていたということです。

当然このような作業を長年続けるのは一人では無理。他の取締役2名が協力しています。ただし、2名の取締役は信用取引のことは知らず、創業家に融通した金が返金されないので、やむを得ず協力を続けたということです。

で、この調査結果の公表と同時に、代表取締役と取締役2名の辞任に関するお知らせも公表されています。ですので、開示をご覧いただければ氏名がばっちり分かります。

それにしても取締役が・・・

しかし驚きですね。いまどきここまで公私混同する奴がいるのか、って感じです。この代表取締役、「創業者の側近中の側近であった」みたいですね。創業家の事情を上手く使って、協力者を動かし、会社の金を流用していたわけです。やれやれです。

ちなみにこの資金の流用と簿外での現金の移動、情報を入手し、抜き打ちで現金実査するなど、調査を開始したのは常勤監査役だそうです。ここだけはマトモ。

元旦ビューティ工業 従業員の不正行為 調査報告書を公表

元旦ビューティ工業は11/15、「不正取引調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」を公表しました。8/23に同社元従業員による架空取引及び詐欺の疑いについて調査を開始。調査期間は約3ヶ月でしたね。

不正の概要

当初の開示同様、あくまでこの従業員一個人としての不正だったようです。盛岡営業所の営業所長という人物。2004年に中途入社後、2017年に同営業所で営業所長となり、不正が発覚するまでずっと同じ職場です。これ大きな発生原因の一つですね。

多額の個人的な借金をかかえていたようです。借金の一括返済を目論み、高額な当選金を謳った宝くじなどの購入に充てたいとの動機から、取引先に対して度重なる借金を重ねていたようです。

不正の手口は架空取引によるものと経費の付替。個人的な借り入れを架空取引により会社に支払わせる(返済する)などしていたようです。架空取引は取引先計5社との間で1,233万円。不正な経費付替は473万円だそうです。

報告書には、同従業員が取引先に借金を申し入れる際の口実がいくつも記されているんですが、まぁよくこんなことを思いつくもんだという口実だらけです。借金にあたり、同社代表取締役の名前の入ったゴム判と社印(角印)を悪用して、あたかも会社の「お墨付き」を得たかのような借用書を偽造していたとも。

悲しい事件ですね

しかしまぁ、両方合わせて約1,700万円。営業所長にまで出世したんだったら、まじめに働いて返済できない金額じゃないだろうに、と思いますよね。たくさん嘘ついて、借金さらに増やして、高額な当選金を謳う宝くじを購入です。情けないというか、非常に悲しい不正行為でした。

ジー・スリーホールディングス 特別調査委員会の設置

ジー・スリーホールディングスは11/10、「特別調査委員会の設置に関するお知らせ」を公表しました。同社が販売した未稼働太陽光発電所の権利の売上について、計上の時期が適切ではないとの指摘を受けたとのこと。特別調査委員会を設置し、客観的な調査を行うそうです。

ジー・スリーホールディングス

ジー・スリーホールディングスは、太陽光発電所の運用による売電など、太陽光発電関連を中心とする再生可能エネルギー事業を手掛ける東証2部上場企業です。旧社名はコネクトホールディングス。2016年に現在の商号に変更しています。携帯電話向けソフトウェア開発でスタートした会社なんですね。

事案の概要

2017年8月期に同社が販売した未稼働太陽光発電所の権利の売上について、その売上金額280百万円の計上の時期は、本来であれば2019年8月期に計上すべきものではないかとの指摘を外部から受けたといいます。最近多いですね、「外部からの指摘」。やはり税当局でしょうかね。

2017年8月に、「当社における未着工太陽光発電所の権利を保有する合同会社出資持分の一部売却に関するお知らせ」という開示がありました。多分この件に関するもののようです。

出資持分 50%のうち 16.7%(同社出資持分の 1/3)を売却したということなんですが、売却先は同社の株主だったりします。同社の決算期末に合わせたようなタイミングになっていて、駆け込みで収益を突っ込んだ風ですね。それにケチが付いたと。

特別調査委員会設置の目的

少々気になる部分が設置の目的の中に。「本件およびその他外部から指摘を受けた案件に係る事実関係の調査」という部分です。他にも外部から指摘を受けた案件があるような書きぶりです。怪しげです。

イー・ガーディアン グレスアベイル 調査結果を公表

イー・ガーディアンは11/11、「調査委員会の調査報告書の受領および役員報酬の減額に関するお知らせ」を公表しました。グレスアベイル元代表取締役による、不適正な支出行為、不適正な債務負担行為、及びこれらに連動する粉飾行為が確認されたとのこと。

取締役の不正行為

グレスアベイルをイーガーディアン子会社と合併させるにあたり、グレスアベイル社の増資等に応じる形で出資し、その現金を同社代表取締役が不正に横領したという形のようですね。増資を引き受けることで払い込まれた金額は総額 299,700 千円だそうです。

当時のグレスアベイル代表取締役に対しては、調査委員会も一切聴取等ができていない様子で、調査結果についても確証が取れていないみたいです。そのため、不正に詐取された金額についての総額については調査報告書でも明示されていません。

業績への影響額について表示している一覧表で、第24期(直近期)の「現金及び預金」の額が1億3,300万円マイナスとなっており、初報時点での不正金額の総額と一致していますので、これが現時点での代表取締役による不正行為の総額ではないかと思われます。

デューデリジェンス

これって、結局はグレスアベイルを買収しようとした際の値踏みが間違っていたということですね。「増資引受後のGA社の業績が低迷を続けており、またGA社の技術力や代表取締役の営業力が当社の想定ほどに高くないことが明らかとなってきた」、、、なんて表現もありました。

グレスアベイルの実力や、同社の代表取締役について、完全に見誤っているわけで、イーガーディアンの買収という経営判断の失敗をもっと明確にするべきですかね。代表取締役社長の報酬の 20%減額、専務取締役の報酬の 10%減額、は少々甘すぎるかと。

スマートバリュー サイネックス 公正取引委員会による立入検査

地方自治体が発注するウェブサイト管理システムを巡り、競合他社の参入を妨げた疑いで、公正取引委員会は情報システム開発のスマートバリュー、サイネックスの関係先を独占禁止法違反(不公正な取引方法)の疑いで立ち入り検査しました。

スマートバリュー

スマートバリューは、公的手続きのオンライン化を推進する「デジタルガバメント」と、クルマに関するデータ利活用を支援する「モビリティ・サービス」からなるクラウドソリューション事業を手掛ける東証1部上場企業。

サイネックス

サイネックスは、50音別電話帳「テレパル50」などを発行し、広告枠の販売を収益とする出版事業が中核。このほか、インターネットの地域情報サイトなどを運営するICTソリューション事業、ロジスティクス事業などを展開する、こちらも東証1部上場企業です。

疑われている不公正な取引方法

自治体がウェブサイトの編集や更新に使う、コンテンツ管理システム(CMS)。誰でも利用可能なオープンソースのソフトウエアを使って開発する業者が多いようですが、スマートバリューはオープンソースを使わず、自前でCMSを開発する企業。

そこで両社は複数の地方自治体に対し、事業者の提案を総合評価する「プロポーザル方式」で受注企業を募る際の仕様書に、オープンソースのソフトウエアを使っていないCMSであることを要件に盛り込むよう働きかけていたようです。このことで、オープンソースを利用する企業の取引を妨害した疑いがあるということです。

オープンソースを利用することで安価で構築できる(多くの企業が競える)という面と、オリジナルのプログラムでセキュリティを堅牢にできるという面。両方一理あると思われます。この案件の審議はかなり難しいものになりそうです。