日野自動車以外は不正なし?

日本経済新聞は4/9、「日野自以外『不正なし』  トラック・バス6社、調査結果を報告」と報じました。国土交通省は国内で型式指定を取得しているトラックとバスの生産や販売、輸入を手がける7社に対し、日野自と同様の不正がなかったか調査と報告を求めていたということです。

6社は不正なし

報告を求められていた7社のうち、いすゞと三菱ふそうのほか、UDトラックス、トヨタ自動車、日産自動車、ヒョンデモビリティジャパンの6社については、自社の排ガス評価試験などで不正は見つからなかったとのこと。

ただ、1社だけ、スカニアジャパンは報告を提出したうえで、「国交省の公表前の回答は控える。調査には全面的に協力している」と述べ、詳細を明らかにしなかったそうです。なにやら気になる対応を見せてますね。スカニアは北欧スウェーデンを本部とする世界的なトラック、バス、産業用エンジンメーカーです。

国交省による報告命令の内容が分からないので何とも言えませんが、「日野自動車と同様の不正がなかったか」という質問だとかなり調査報告の対象範囲が限られますよね。日野と似てはいるが同じではない不正については、報告が上がってこない可能性もありそうです。

とりあえず不正なしは朗報

とまぁ、詮索してしまうわけですが、業界にとってはとりあえず朗報。いすゞ自動車株式は4日ぶりに反発して、この記事を書いている時点で1500円台を回復しています。しかし、この業界で「次」が出てこないのって、かなりレアなことですよね。個人的にはまだまだ信用していません。

豪裁判所 トヨタ車に欠陥があったと認める判決

日本経済新聞は4/7、豪裁判所がトヨタ自動車のピックアップトラック「ハイラックス」などのディーゼル車向けの粒子状物質低減装置(DPF)に欠陥があったと認める判決を出した、と報じました。

対象車種など

対象となった車種は、2015年10月から20年4月にかけて販売されたハイラックス、多目的スポーツ車(SUV)「フォーチュナー」、「プラド」とされており、DPFに欠陥があり、排ガスから悪臭が生じ燃費も低下したといいます。

判決で連邦裁は、約26万台について欠陥があると認定。消費者が支払った平均価格の17.5%の価値が毀損されたとしたそうです。対象車種を購入したすべての消費者がトヨタに支払いを求めた場合、トヨタの支払額は20億豪ドル(約1800億円)を超える可能性があるとのこと。

このニュースを受けてトヨタ自動車は一時4%近く下げる場面もありました。2兆円を超える最終利益を出す企業ですから、このままずるずる下げることはないでしょうが、やはり気になるニュースです。

日野自動車との関係は

このニュースを聞いて気になったのが連結対象子会社の日野自動車の不正との関係。直接的な関係はないんだろうけど、同じディーゼルエンジン絡みだけにねぇ。

日野の件を受けてトヨタの関係者がメディアに語っていたこと。「トヨタ自動車と比べて10年は遅れているという印象だ」。「トヨタでは起こり得ない」。「トヨタではエンジンの開発プロセスにおいて不正ができない仕組みを構築している」、、、など。

トヨタの件は認証不正ではなさそうですが、開発、製造の工程で何かしらの問題はあったのかもしれません。当のトヨタはこの件について、ホームページも含め一切の開示を行っていません。

不適切な行為と不正行為

3/31だったかな。日本フェンオールという会社が、「当社の一部製品に関する不正行為について」という開示を行いました。当ブログでも取り上げた件です。実はこの開示、最近あまり見ない、ちょっと珍しい開示だったんですよね。

日本フェンオールの件

なんでこの開示が珍しいかというと、同社の会社行為として行っていた型式承認時における認証不正について、「不正行為」と言い切っているところなんです。多くの企業がこういったケースでは「不適切な対応」だったり「不適切な行為」と表現するんですね。

神東塗料の件

同じく直近で認証不正に関する開示を行った神東塗料。タイトルは「当社製の一部製品に係る不適切行為に関するお知らせ(第5報)」となっています。製品の認証を得る際の会社としての不正行為ですから、両社のやったことはほぼ同じ行為です。

不適切とは

辞書で調べてみると、「不適切」とは、「その場の状況や話題となっている事柄に対する配慮を欠いていること。また、そのさま。」とあります。企業が行ったルールを逸脱した行為のことを「不適切な行為」と表現するのはおかしいわけです。ちなみに「不正」は、「正しくないこと。また、その行為や、そのさま。」です。

不正行為を行っていた企業がそれを世の中に公表する際、少しでもイメージを良くしようと「不適切」という表現をしたがるんですね。そういう意味で日本フェンオールの開示は珍しいですし、潔い。ちゃんと自分たちが行ったことがどういうことなのか、経営陣も含め、しっかり認識できているのではないかと感じた次第です。

神東塗料 認証不正(その4)

神東塗料は4/4、「当社製の一部製品に係る不適切行為に関するお知らせ(第5報)」を公表しました。認証不正に係る同社塗料製品の規格適合や水質の安全性への影響について、確認のための試験を、公益社団法人日本水道協会と進めています。

おさらい

同社で製造する水道用ダクタイル鋳鉄管合成樹脂塗料について、日本水道協会の認証規格や取引先との協定に関し、認証不正等が発覚。同不正が確認された対象製品についての出荷を停止していました。全国の水道管更新という公共工事に大きな影響を与えていた一件ですね。今年1/12に公表されました。

安全性確認

第1報から約3ヶ月、3/22第4報以降は安全性の確認完了の報告が開示されています。第4報では合計22製品の出荷再開が報告されており、第5報では合計24製品の安全性が確認され、これら水道用資機材の出荷自粛が解除されたとしています。同社塗料全ての型式で出荷自粛が解除されたということです。

これで止まっていた公共工事がやっと全面的に再開されるということなんですが、1/14から始まった特別調査委員会の調査結果は、途中経過も含めて未だにまったく公表されていません。

少なくとも2か月以上水道管更新工事を止めてしまったこの認証不正。しっかりとした調査結果が求められると同時に、経営の責任についても厳格な追及がされる必要がありますね。同社の2022年3月期の決算発表は5/16の予定だそうです。おそらくそこまでには調査結果が公表されると思われます。

株式会社ネクステージ 社長の自社株買い

株式会社ネクステージは4/4、「当社代表取締役社長執行役員 浜脇浩次による当社株式の取得について」を公表しました。同日、2022年11月期 第1四半期の決算も発表しており、かなりの好決算となっています。

株式会社ネクステージ

ネクステージは東海北陸地方を中心に、全国で中古車・新車の販売、整備、保険代理店、買取、出張買取などの自動車販売事業と、カーコーティング事業を展開する東証プライム市場上場企業です。本社所在地は名古屋ですね。

自社株買い

代表取締役社長執行役員の浜脇浩次氏が、10億円規模の同社発行済株式を市場から買い付けることになったということです。この自社株買い、同氏の資産管理会社を通じて実行されるようです。買付けは公表翌日の4月5日より順次開始されるとのこと。

自社株買いの目的については、「2022年2月に代表取締役社長執行役員として就任し、当社株式を保有することで、成長を望む強い気持ちをステークホルダーの皆様と共有したいと思って・・・」と説明されています。ん~、なかなかいい感じですね。

この社長さん、創業家の方でもなさそうなんだけど、10億円の買付けってすごいですね。ビッグモーターで役員に上り詰め、ハナテン(大阪では有名な中古車屋さん)でも取締役に。で、ネクステージで社長就任。ずいぶんと稼いだもんです。

株価の方は

好業績の発表に合わせて社長による自社株買いのニュース。公表翌日の同社株価は2,663円の250円高でスタートしました。経営者の考え方が素直に株価に結びついた良い事例ですね。